【韓国ドラマ『マエストラ』】あらすじ・キャスト・感想(場面写真あり)

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2023年12月9日(土)よりディズニープラスで独占配信していた韓国ドラマ『マエストラ』が、2024年1月14日(日)に最終回を迎えた。

イ・ヨンエが約1年ぶりにドラマ復帰したとして話題になった本作。共演者は『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』で衝撃的な役を演じたイ・ムセン、『マイデーモン』でドヒの亡き父を演じたキム・ヨンジェ、期待の若手俳優ファン・ボルムビョルといった個性的なキャスティングとなっている。

この記事では、物語の概要、主要キャスト、あらすじ、感想を紹介しよう。

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目次

『マエストラ』概要

天才的な女性マエストラの主人公、チャ・セウム(イ・ヨンエ)は、長年アメリカを拠点に指揮者として活躍してきた。漢江フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任したことをきっかけに、20年ぶりに韓国へ帰国する。ワーカホリックで、時に強引な手法で団員たちに迫るセウムに対する反発は大きい。父親や親友など、ごくわずかの人にしか心を開かないセウムだが、それには深いわけがあった。

帰国したセウムは、図らずも昔の恋人ユ・ジョンジェ(イ・ムセン)と再会し、信じていた夫、キム・ピル(キム・ヨンジェ)との間にもトラブルを抱え、さらにはセウムのまわりで不可解な事件が続発する。自身が抱える秘密との葛藤、複雑な人間関係、次々に起こる事件の真相…セウムは指揮者としてではなく、一人の人間としてさまざまな選択を迫られる。

『マエストラ』主要キャスト

チャ・セウム演:イ・ヨンエ

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ヴァイオリニストとしての道を歩んでいたが、あることをきっかけに指揮者に転向しアメリカで活躍する。音楽のためには妥協しないため、時に反発されてしまうことがあるが、実力は誰もが認めカリスマ性のある人物。ある秘密を抱え長年苦しめられてきたが、韓国に帰国したことでその秘密と向き合うことになる。
イ・ヨンエの主な出演作:『宮廷女官チャングムの誓い』『調査官ク・ギョンイ』

ユ・ジョンジェ演:イ・ムセン

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20代の頃、アメリカでセウムと出会い、恋人同士になる。その後、音楽を勉強するためにセウムはジョンジェの前から姿を消してしまった。セウムと別れてから結婚をしたものの、離婚。私生活は満たされないものがあったが、投資のセンスがあり、UCファイナンシャル会長として大成功をおさめた。セウムが20年ぶりに韓国に戻ってくると知り、心がざわつき始める。
イ・ムセンの主な出演作:『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』『39歳』

キム・ピル(演:キム・ヨンジェ)

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セウムの夫で、作曲家。物腰が柔らかく、カリスマ指揮者の妻の良き理解者。しかし何年も新曲を発表しておらず焦りがあると同時にセウムへの劣等感に悩まされる。
キム・ヨンジェの主な出演作:『財閥家の末息子〜Reborn Rich〜』『マイ・デーモン』

イ・ルナ(演:ファン・ボルムビョル)

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漢江フィルハーモニー管弦楽団に所属する将来有望なヴァイオリニスト。親がおらず貧しい育ちだが、実力で最年少入団を果たした人物。才能に嫉妬した団員から嫌がらせを受けるが、セウムが才能を見抜き、最年少のコンサートマスターに抜擢される。
ファン・ボルムビョルの主な作品:『トキメク☆君との未来図』『少女の世界』

チャ・ギベク(演:チョン・ドンファン)

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セウムの父。手作りの弦楽器を製作する人物として韓国国内で知られる人物。セウム楽器店を経営している。長年療養しているセウムの母を看病し、娘のセウムを誰よりも愛している人物。

ペ・ジョンファ(演:イェ・スジョン)

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セウムの母。かつては有名ヴァイオリニストとして活躍していたが、病に倒れて表舞台から姿を消す。

チョン・サンド(演:パク・ホサン)

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漢江フィルハーモニーの代表理事。セウムに振り回されるが、クラシック音楽を愛する気にいい人物。

イ・アジン(演:イ・シウォン)

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漢江フィルハーモニーのホルン奏者。育ちの良さがにじみ出ているが、のちのちセウムと対立することになる。

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『マエストラ』あらすじ・感想(第1話~第12話【最終話】) ネタばれあり

イ・ヨンエは本作への出演が決まって、役作りのためにかなり準備をしたと聞いていたが、期待どおり完璧な指揮者を見せてくれた。クールでカッコよく、そして指揮者としてあるべき姿を見事に体現していた。タクトの振り方はもちろんのこと、リズムの取り方、団員への指示の仕方など、イ・ヨンエのこの役への思い入れがひしひしとつたわるクオリティーの高さだった。

彼女が演じるセウムは、自分の音楽に決して妥協しない人物だ。エキサイトすると何をするか分からないことで知られており、実際に物語の冒頭で、アメリカ時代の破天荒なエピソードが披露される。韓国に帰国し、傾きかけていた漢江フィルを立て直すために、最年少で入団したヴァイオリニスト、イ・ルナを抜擢するなど、団員たちの反感を買うようなことばかりする。その上、彼女が決して触れたくない過去である元恋人、ユ・ジョンジェが財力にものをいわせて漢江フィルの理事長に就任し、セウムのイライラが募る。

そんなセウムの癒しとなっていたのが、夫のキム・ピルだった。音楽家としてセウムの最高の理解者だったのだが、ある日セウムは、ピルが漢江フィルのホルン奏者、イ・アジンと不倫関係にあり、さらにアジンが妊娠したことを知る。信じていた夫に裏切られたセウム。夫婦の関係に亀裂が入ってから、セウムのまわりで不可解な事件が起こるようになる。

しかもセウムは、忘れたくても忘れられない秘密を抱えていた。それは母親のペ・ジョンファが、ヴァイオリニストとしての輝かしいキャリアを捨てて表舞台から去ってしまったことに関係があった。ジョンファは、身体が強張り思うように動かせず、幻覚を見たり記憶を無くしたりするレミントン病と診断されていた。レミントン病は遺伝性が高く、セウムが発症する可能性は50%といわれていたのだ。アジンとの不倫がバレてセウムに離婚を言い渡されたピルは、レミントン病を切り札にして、離婚を阻止しようと画策する。

そんなセウムを心配し、ピンチに陥るたびに助けるのがジョンジェだ。セウムがジョンジェと再会したときはとても嫌そうな表情をしていたので、セウムにとってマイナスになる人物だと感じた。ところが物語が進むにつれ、ジョンジェのセウムへの純粋な愛情がひしひしと伝わり、セウムの頑なな心も次第にほぐれていく。レミントン病のことを知った時も、心からセウムを心配し落ち込み、自分の保身のためにレミントン病を利用しようとするピルとは対照的だった。

ジョンジェは、あまりにも軽い雰囲気が誤解されてしまうのだが、物語を通して「セウムが好き!」という気持ちを貫き通し、登場人物の中で一番ぶれなかったと感じる。見ているほうも次第に「僕と遊ぼう!」と無邪気に言うジョンジェが愛おしくなっていくのだ。長身でスタイルが良いイ・ムセンが、とっかえひっかえ高級スーツに身を包むのは、目の保養になるだろう。

全12話でオーケストラの演奏が聴け、クラシックファンにとっては耳の保養にもなる本作だが、物語の後半は、サスペンス色が強くなっていく。物語の前半で、アジンの車がセウムの車に突っ込む事故が起きて以来、漢江フィルの団員が殺されたり、セウムの夫・ピルが何者かに襲われたり、物騒な事件が立て続けに起こる。

そしてこうした事故や事件だけでなく、いつ自分がレミントン病を発症するか分からない不安を抱えているセウムに、幻覚が見えたり記憶が抜け落ちたりしてしまう出来事が起こり、セウムは狼狽する。セウムはレミントン病を発症してしまったのか、そして事件の犯人が誰なのか、視聴者はドキドキしながら物語を追っていくことになる。

しかしミステリーを見慣れている人なら、途中から犯人がルナではないかと予想する人が出てくるだろう。そして残念ながらルナが犯人なのだが、このような犯行を思いついた理由に胸が痛むし、レミントン病を利用しようとしたルナに怒りがおさまらなかった。

ルナを演じたファン・ボルムビョルの華があり、存在感のある演技は目を見張るものがあった。これからが楽しみな俳優だ。

セウムは、音楽家としてルナに最後のチャンスを与える。それが最終回でみせるセウムとルナの圧巻のヴァイオリンの演奏となるのだが、それを最後にルナは犯した罪と向き合うことを余儀なくされる。

セウムは最終的に心の安らぎを得られるのか、ジョンジェとの関係はどうなるのか…。最終回で見せるセウムの笑顔と、そんなセウムに「僕と遊ぼう!」を言うジョンジェに明るい未来が見えたような気がした。

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この記事を書いた人

国家公務員・一般企業勤務を経てフリーランスのライターになる。高校時代に観た映画『コーラスライン』に衝撃を受け、ミュージカルファンとなり、以来30年以上舞台観劇をしている。最近はストレートプレイも積極的に観劇。さらに第一次韓流ブームから、韓流ドラマを好んで視聴。最近のお気に入りはキム・ドンウク。

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