2025年3月7日(金)より、新宿ピカデリーほかで映画『デビルズ・ゲーム』が全国公開される。
<STORY>
韓国中を恐怖に陥れているサイコパス連続殺人事件。騒々しい音楽に興じながら殺人を楽しむジニョク(チャン・ドンユン)ら一味を追っていた刑事ジェファン(オ・デファン)は、捜査中に後輩刑事を彼らのせいで失ってしまう。悲しみの中ジェファンはついに殺人鬼ジニョクを追い詰め捕まえるが、病室で目を覚ますと何故かジェファンとジニョクは身体が入れ替わっていた…。 殺人鬼ジニョクは刑事ジェファンの姿となり、家族を人質にして彼を脅迫し始める。本当の悪魔は誰なのか、そこには驚くべき真実が隠されていたー。
殺人鬼・ジニョクを演じるのは、ソ・イングク主演映画『オオカミ狩り』で、寡黙な犯罪者としてインパクトを残したチャン・ドンユン。本作への出演を決めたのは、斬新な設定と衝撃的な反転要素だったといい、シナリオに相当ほれ込んだようだ。
そしてジニョクを捕らえようと躍起になる熱血刑事・ジェファンを演じるのは、名バイプレーヤーとしておなじみのオ・デファン。3枚目から悪役までインパクトのある演技を見せる役者として、韓流ファンにはおなじみだ。2人がそれぞれ2役を演じるというボディチェンジアクションスリラーにくぎ付けになる。
その他、ジェファンを「兄貴」と慕う後輩刑事・ミンソンにチャン・ジェホ、ジェファンの上司で広域捜査隊のチーム長を演じるのがチェ・グィファら、脇を固める役者陣も魅力的だ。
一足早く試写を見て、極力ネタバレを避けて感想を書いてみたい。
まず筆者は、チャン・ドンユン主演の『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』を視聴した直後に本作を見た。なぜこのタイミングで…というところだが、『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』で、可愛らしい女装姿を見せていたのに、本作では常軌を逸したサイコパス殺人鬼を演じ、同じ役者とは思えない演技の振れ幅に驚いた。彼の演技力の高さは十分知っていたのだが。

一方、熱血刑事のジェファンを演じるオ・デファンは日頃から悪役や癖のあるイメージが強く、どうも今回のように正義感が強くてまわりから慕われる刑事役というのがしっくりこない。このモヤモヤはどうすればいいのやら…と思っていたところに、意外な展開が待ち受けていた。

ジェファンがジニョクを追い、1ヶ月間行方不明になっていた時に、2人の身体が入れ替わってしまったのだ。この瞬間からチャン・ドンユンは、ドラマ『今日もあなたに太陽を~精神科ナースのダイアリー~』で見せていた好青年になり、オ・デファンはいつもどおり(…といっては失礼だが…)一癖も二癖もあるサイコパスの殺人鬼になる。そう!このほうがやっぱりしっくりくると心の中でつぶやいた。

なぜ2人の身体は入れ替わってしまったのか。冒頭でなんとも気色の悪い色合いで、ジニョクが仲間とともに猟奇的な殺人をしているシーンを見ると、ジニョクの仕業だと考えてしまう。ところがこうなったのは、意外な人物のアドバイスによってなされたことだった。
その事実が分かってから「今は、どっちがジェファンでジニョクなんだ??」と観ている側は振り回される。物語の中で一番振り回されるのが、ジェファンの後輩刑事・ミンソンで、誠実で純粋な彼は、悲劇的な最期を迎えてしまう。

筆者はこの作品を観ながら、ミュージカル『ジキルとハイド』を思い浮かべてしまった。自分の父親を救うために危険な人体実験を自らの身体で行ったジキル博士だが、状況が多少違えど、ジェファンとジキル博士が重なって見えてしまう。

ジェファンとジニョクの運命はどうなるのか。ラストまでの30分、怒涛の展開が待ち受けているので、スクリーンから目を離さずに観てほしい。そしてもう一つ特筆すべきは、独特の音楽だ。いつまでも耳に残る強烈な旋律が、本作の異様な世界をより奇怪に見せている。
文・咲田真菜
映画『デビルズ・ゲーム』

2025年3月7日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
監督・脚本:キム・ジェフン
CAST
ジニョク:チャン・ドンユン
ジェファン:オ・デファン
チーム長: チェ・グィファ
ミンソン:チャン・ジェホ
2023年/韓国/韓国語/106分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/原題:악마들/英題:Devils
字幕翻訳:根本理恵
提供:KADOKAWA Kプラス、MOVIE WALKER PRESS KOREA
配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス
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