室将也インタビュー ミュージカル『complex』「2幕冒頭で日舞を披露します! 楽しみにしていて」【インタビューVol.53】

室将也

Google

2026年5月14日(木)~5月17日(日) 大阪・ABCホール、5月21日(木)~5月24日(日) 東京・博品館劇場にて、ミュージカル『complex』が上演される。

本作は京都を拠点に活動し、昨年劇団結成30周年を迎えた劇団とっても便利の代表作で、今回が4度目の再演となる。文楽の豊竹若太夫、日舞の尾上京、アクションの清家三彦(東映剣会)など各界の第一人者が参加し、バレエやコンテンポラリーダンスから古典芸能まで取り入れた最先端オリジナルミュージカルとなる。

作曲・脚本・演出をつとめるのは、劇団とっても便利の主宰・大野裕之。ドラマ性の強いロンドン・ミュージカルに大きな影響を受け、クラシックからコンテンポラリーまでさまざまなジャンルの音楽・ダンスでドラマを紡ぐ作風が人気だ。

作品概要
連日繰り広げられるショーが人気のBar「complex」。ある日、常連の中年ニートが突然「今度、区議会議員に立候補する!」と叫び、彼の出馬により、Bar『complex』に集う人々は「彼が当選したら、何かが変わるかも知れない」と応援。夢を追い続ける男と、その男に自らの夢を託した人々。選挙戦は見事当選!しかし、その先に待ち受けていた現実は彼らの思い描いていたものではなく…。

2005年頃、未経験の若者がたくさんチルドレンと呼ばれ政治家になった時がありました。あり得ないと思いながら何かが変わるかもしれないと期待を寄せた時代。誰もが感じている不安と、そして誰もが望んでいる暁の光——今を生きる者たちが感じ、直面している世界を、多彩なダンスや音楽から伝統芸能まで取り入れたオリジナルな表現で紡ぐ、乾いた人間関係とウェットな愛憎が渦巻く群像劇。

主演は、2007年から二人の兄と共に兄弟ユニット「室3兄弟」として活動し、近年では舞台『サラリーマンナイトフィーバー』、『マテリアルパレード』、『あゝ同期の桜』、朗読劇『銀河鉄道のなかで2023』など舞台を中心に活躍する室将也。新たに本作の主人公となる、突如区議会議員に立候補するストリート・ミュージシャンの国木田威役に挑む。

共演者は、麻央侑希、加藤夕夏、岡本悠紀、松本岳、星名美怜、設楽銀河、横山統威、峰蘭太郎、高嶺ふぶきといった多彩な顔触れがそろった。

初日を目前に迎えた5月上旬、稽古場で室将也さんへインタビューを敢行。ミュージカル初挑戦となる今作で、どんな見どころがあるか語ってくださった。

室将也(撮影:咲田真菜)

――いよいよ大阪から公演が始まります。大阪公演からスタートするのはわりと珍しいですが、関西に思い入れがあるということでしょうか?

思い入れはありますね。最近あまり関西公演はやっていなかったので、2年ぶりぐらいになります。僕は京都出身で、演出の大野さんもそうです。今作は、出演者に京都出身の方が多くて話が合いますし、共通点がいろいろあって、すごく楽しい現場です。

――初日を目前に控えて、現在の心境をお聞かせください。

僕にとっては、ミュージカル初挑戦となる公演です。ダンスや歌だけでなく日舞があったりして、挑戦することが多かった作品です。最後までもがいていい作品を皆さんに届けたいと思っています。

――室さんがミュージカル初挑戦というのは意外でした。この作品はミュージカルの中でもさまざまなジャンルが入っているので苦労されたのではないですか?

苦労はありましたが、この作品の舞台が京都なのでせりふが関西弁なんです。その点はやりやすい環境だったので、だいぶ気分的に違いました。

室将也(撮影:咲田真菜)

――室さんが演じるのが、中年ニートの国木田威(くにきだ・たけし)です。ニートから区議会議員を目指す人ですが、ずばりどんな人物でしょうか?

こういう言い方はどうかと思うのですが、クズ男です(笑)。女性を下に見ている、僕があんまり好きではないタイプの男です。ただ、それ以外は夢追い人で、いろんな人に影響されやすく、どんな色にも染まれる真っ白な人だと思います。

国木田は、親が結構お金を持っているんですよ。だから生活に困っていないボンボンニートですね。「俺の好きなことをやる!」と新しいことを始めて「やっぱりこっちかな」と目移りする甘いところがあります。そして、カリスマにすごく憧れているんですよ。表に出ることが好きで、承認欲求の強い人物だと僕は分析しています。

――室さんご自身は、国木田と共通する点はありますか?

ありますよ。僕も子役、アイドル、バンド、役者と色々やらせていただきましたから、そういうところはすごく似てるかなと思います。国木田みたいに、いろいろなことに興味を持つところは共感できますね。僕はさまざまな経験をしてきたことについて後悔はしてないですし、そういう経験をしたからこそ活かせることがあると思っています。

――今回奥さん役が麻央侑希さんです。どんな夫婦になりそうですか?

僕よりも年上の方ですし、お姉さんという感じでいろいろ引っ張ってもらってます。でも国木田は「女は一歩下がってろ!」と言ったりするので、役を演じる上では、立ててもらっている感じです。

――国木田はなぜ区議会議員に立候補しようとするのでしょうか? 

国木田は「俺もやれるんちゃうかな」っていう軽いノリで、区議会議員になろうとするんです。まわりから勧められるというよりは、国木田が「やります!」というから、まわりの人が「じゃあ、応援して当選させてあげよう」となる感じですね。彼自身はあまり深く考えていないですね。

――国木田を演じるにあたって、役作りに苦労した点はありますか?

今回苦戦したのが、国木田が時々発する言葉です。(脚本を手掛けた)大野さんは、政治家が「僕はこうします! こういう公約を実行します!」と言っているものの、何を言いたいのかわからない時があるとおっしゃっていました。それを表現するためのせりふで「パマルポメリカカカキピピピピリキフマホ」というのがあるんです。劇中に何度か出てくるのですが、これが覚えられなくて……。特に意味がないので、覚えるのに本当に苦労しました。

――今作は4度目の再演ですが、演出の大野さんとはどんなお話をされましたか?

基本的に僕は声が高いので、政治家になってからはもっと声を低くしてほしいとか「ザ・政治家!」という雰囲気を出してほしいというアドバイスはありました。あとは流れに乗って、感じたように動いてほしいといわれました。結構自由にやらせていただいています。

室将也(撮影:咲田真菜)

――国木田はめでたく当選して区議会議員になるわけですが、室さんが議員になったら、何をやりたいですか?

えーー! 考えたことがないなあ…。(しばらく考えて)消費税をゼロにします。実際に政治家の方々も言っているけど、やらないじゃないですか。僕はちゃんとやります(笑)!

――本作の見どころを教えてください。

僕の役としてはバッドエンドやと思うんですけど、他のメンバーは自分の人生を見つめなおすという意味で、ハッピーエンドできれいに終わる作品です。

僕が当選した時や最後のシーンは、いかにもミュージカルという雰囲気で仕上がっているので注目してほしいです。あとは、2幕の冒頭でいきなり僕は日舞を披露します。初の挑戦でめちゃくちゃ難しかったのですが、頑張りますので楽しみにしていてください。

――今回の公演は日替わりゲストがいらっしゃいます。大阪と東京では異なるタイプの方が出演されますね。

全然違いますね。大阪公演では、吉本新喜劇の方がゲストでいらっしゃるので、アドリブのシーンがあって面白い感じで攻めていくんじゃないかなと思います。

日替わりゲストの方は意外に登場シーンが多いと思います。毎日違うやりとりが見られると思いますし、大阪と東京では雰囲気が変わります。どこまで遊べるか、アドリブに挑戦できるか…というところが楽しみですね。

――最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。

個性がある役者さんばかりなので、誰かしらに感情移入ができる作品だと思います。少しでも心を動かせるような作品を皆さんに届けられるように頑張りますので、ぜひ劇場でお待ちしております。

取材・文・撮影:咲田真菜

目次

ミュージカル『complex』公演概要

作曲・脚本・演出:大野裕之
出演:室将也、麻央侑希、加藤夕夏、岡本悠紀・大野裕之(ダブル)、松本岳、星名美怜、設楽銀河・横山統威(ダブル)、峰蘭太郎/高嶺ふぶき 他

大阪公演:2026年5月14日(木)~5月17日(日)@ABCホール
東京公演:2026年5月21日(木)~5月24日(日)@博品館劇場

チケット料金(税込・全席指定):S席:10,000円 / A席:7,000円
・イープラス https://eplus.jp/complex2026/
・チケットぴあ https://w.pia.jp/t/complex/

主催: 劇団とっても便利 る・ひまわり
公演HP: https://le-himawari.co.jp/galleries/view/00132/00758

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

国家公務員・一般企業勤務を経てフリーランスのライターになる。高校時代に観た映画『コーラスライン』に衝撃を受け、ミュージカルファンとなり、以来30年以上舞台観劇をしている。最近はストレートプレイも積極的に観劇。さらに第一次韓流ブームから、韓流ドラマを好んで視聴。最近のお気に入りはキム・ドンウク。

目次