ミュージカル『アニー』開幕! 「今年のアニーは歌が素晴らしい!」初日前会見レポート

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2024年4月20日(土)~5月7日(火)新国立劇場 中劇場にて39年目となる丸美屋食品ミュージカル『アニー』が上演される。

本作は、1924年からアメリカで新聞連載がスタートした漫画「ザ・リトル・オーファン・アニー(小さい孤児アニー)」をもとに、1977 年にブロードウェイのアルヴィン劇場(現ニール・サイモン劇場)で誕生したミュージカル。同年のトニー賞において、作品賞を はじめ7部門を受賞し、現在も世界各国で上演され続けている。

日本公演は、1986年、日本テレビが主催で上演をスタートして以来、今までに全国で約191万人もの人たちに心温まる深い感動を与え続けている国民的ミュージカルとなった。

2017年より『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』『ヘアスプレー』など、ミュージカルやストレートプレイとジャンルを超えて幅広く活躍する演出家・山田和也を迎え、テンポが良く現代的な演出で好評を博している。

主役のアニー役 は2名の合格枠を目指し、歌、ダンス、演技など厳しい審査を勝ち進み抜擢された、岡田悠李(おかだゆり)と絢田祐生(あやたゆうき)。

大人キャストは、アニーの人生を大きく変える大富豪・ウォ―バックス役は、藤本隆宏が2023年度に引き続き務め、ウォ―バックスの秘書でアニーを支えるグレース役には笠松はるが2021年度より4度目の出演、アニーをいじめる孤児院の院長・ハニガン役は初出演となる須藤理彩、ハニガンの弟で刑務所帰りのルースター役を財木琢磨、その恋人のリリー役は天翔愛が務める。

初日に先立ち初日前会見が行われたので、その模様をお伝えしよう。

会見には、アニー役の岡田悠李絢田祐生、大人キャストとして藤本隆宏須藤理彩笠松はる財木琢磨天翔愛が登壇した。

――初日を迎える今のお気持ちをお聞かせください。

チームバケツアニー・岡田悠李:私は劇場に来てくださった方々に、いつでも誰の前でもぶれない、すがすがしいアニーを自分らしく演じられたらいいなと思ってます。

岡田悠李

チームモップアニー・絢田祐生:明日初日で、ちょっと緊張もしているし自信もないんですけど、たくさんの人にハッピーを届けられるように頑張りたいです。 ぜひ見に来てください。

絢田祐生

藤本隆宏:いよいよ明日初日でワクワクしかないです。すごくいい感じで稽古ができて、ひとり一人の初日に向かっていく意気込みが一致団結してうまくいったと思っています。 素晴らしい『アニー』をお届けできるんじゃないかなと思っています。

藤本隆宏

須藤理彩:今回初参加ということで、いまだに私が『アニー』に出ていいんですかって思ってしまっているんですけど(笑)。明日になって「私が本物のハニガンです」って本物が現れてしまうんじゃないかと、それぐらい夢心地でいるんですが…(一同笑い)。一生懸命稽古したので、早く皆さんにお届けできるのを楽しみにしています。 よろしくお願いします。

須藤理彩

笠松はる:今日ゲネプロを2回行いますが、『アニー』の魅力というのは見終わった後、最後の瞬間、劇場に満ち満ちる多幸感が、自分としてはすごく楽しみにしているので、すでにゲネプロからその多幸感に包まれています。1回目が終わってすごく充実した気持ちというか、 お客様が入ったこの空気感は特別なものがあるなと思っているので、このまま2回目、さらにアップして充実できるように、みんなで元気に千秋楽まで走り抜けたいと思っています。よろしくお願いします。

笠松はる

財木琢磨:今年で出演が3年目になるんですけれども、改めてこの素晴らしい作品に関われていることをうれしく思います。 今回新しく悪役(姉のハニガンと恋人のリリー)が変わりまして、すごく新鮮な気持ちでお芝居させてもらっています。僕が演じる役でお客様を少しでもドキッとヒヤッとさせて、シーンをかき乱していく存在になれたらいいなと思っています。 よろしくお願いします。

財木琢磨

天翔愛:この作品は明日に向かって前に進もうということ、いろんな世代の方が本当に幸せになれる、すごく明るい作品だと思います。私にとっては今回初めて『アニー』に参加させていただきますが、この作品の魅力を伝えられる一人になれるように、初日ドキドキしていますが、みなさんと一緒に頑張りますので、どうか楽しみにしていただけると嬉しいです。

天翔愛

――アニーのお二人に伺います。(アニーの相棒となる)犬のサンディーと仲良くなるためにやっていることがあれば教えてください。

岡田:初めてサンディーと会ったときは、まだ一緒に練習とかしたことがないし初対面だったので、ちゃんと仲良くなれるかとか、なついてくれるかとかちょっとドキドキしてたんですけど、1日目の後半、稽古が終わるときに「サンディー!」って呼んだらちゃんと来てくれて、やっぱりアニーになれてよかったなって思いました。サンディーと仲良くなるためにやったのは、街を歩いてるときに犬をたまに見かけるんですけど、全部の犬がサンディーに見えちゃうので、そこが始まりなのかなって思いました。

絢田:私はとにかく仲良くなりたいので、喋る、撫でる、褒めることをめっちゃたくさんやりました。なので、ちょっとは仲良くなれたかなって思ってます。

――藤本さん、笠松さん、財木さんに質問です。去年とは違っている注目してほしい場面やポイントを教えてください。

藤本: とにかく今年のアニーは歌が素晴らしいですよね。 絢田さんは本当に圧倒的な声量で劇場を包み込むような歌声を持って、こんなパワフルなアニーは初めてですし、 岡田さんも本当に音程が綺麗できちんとハーモニーを捉えて歌っている。この天才子役、2人の歌声をとにかく楽しんでいただきたいというのが一つです。

もう一つは、何といっても須藤さんと天翔さんですよね。このお2人の参加は、我々もすごく勉強になるところがあって、須藤さんはミュージカルの経験があまりないということで、天翔さんもそんなに舞台はまだ経験されていないんです。でも音に対するこだわりだったり芝居だったり、いちから作り上げている姿を見で、私たちもこれまでやってきたことを思い出してしっかり演じなければいけないと思っています。

須藤さんがね、本当にこんなにおもろいハニガンさんというか、稽古で見ていて笑いが止まらないし、迫力がすごいんですよ。

須藤:あんまりハードル上げないでください~。お願いします!(一同笑い)

「ハードルを上げないでください~」と会場を沸かせる須藤

藤本:(笑)。歌は芝居で芝居は歌って言うじゃないですか。芝居心をちゃんと持っていらっしゃるから見て勉強になるので、この3人のシーンはすごく見どころだと思います。

笠松:今年まつりちゃんっていう新しいワンちゃんが、新しい演出で初めて登場します。(注:東京公演のみ)まつりちゃんって名前で出るわけじゃないんですけど、野犬を捕獲するシーンがあって、今まで人形のワンちゃんでやっていましたが、まつりちゃんが野犬役で登場するんです。本当にワンちゃんたちの賢さとトレーナーさんたちの絆と、サンディーを演じる2匹とアニーの絆、絆なしには演技できないので、3匹のワンちゃん、ぜひご注目ください。

財木:悪役であるハニガン、ルースター、リリーのシーンで「Easy Street」という曲があるんですけれども、ちょっと歌詞が変わったところと歌い出しのリズム感もちょっと変えて、喋るように歌ってみたりしました。結構苦戦して最終日まで完成がわからないまま、自分の中でどうしたらいいのか悩んでいたんです。ゲネプロを終えて、ひとつ正解が見つかったなと感じておりますので、ぜひ楽しみにしていてください。

――須藤さん、天翔さんにお伺いします。今回初めての参加となりますが、カンパニーの雰囲気や稽古のエピソードなどお聞かせいただけますでしょうか。

須藤:本当に褒めるのが上手なカンパニーなんですよ。そういう雰囲気が子どもたちの中にもあって、課題に向かって失敗を恐れずにチャレンジできる空気がカンパニーの中にあったので、私も思い切ったお芝居にチャレンジできました。

天翔:さっき財木さんが言ったハニガンとリリーとルースターの「Easy Street」というシーンが1幕にあるんですけど、稽古の段階で色々試行錯誤して、すごく苦戦したシーンで、 お稽古もたくさんしました。印象的だったのが、藤本さんが出演されるシーンではないのにお稽古場に残って、色々アドバイスをくださったり、笠松さんも「もっとこうしたほうがいいよ」と言ってくださり、いろいろな方にアドバイスをいただきました。一生懸命受け止めてくださる皆さんがたくさんいらっしゃって一生懸命作ったシーンなので、そこをお客様に楽しんでいただきたいです。

――アニー役のお二人にお伺いしたいのですが、稽古でお互いのアニーを見たと思いますが、お互いの良いところをおっしゃっていただけますでしょうか。

岡田:私が思う祐生アニーの良いところは、もともとオーディションで会った時から、祐生は絶対にアニーだなって思ったんです。会ったばっかりの時から表情もずっと笑っていて、 アメリカ人のアニーを日本人に変えたそのままだなって思いました。もう一つ、祐生は声が綺麗なんです。歌ってる時とか高い音程出す時とか。同じアニーをダブルキャストで演じていますが、一緒じゃないんですよ。性格も違うし祐生のアニーは祐生らしくて、すごく良いなって思いました。

絢田:私が思う悠李アニーの良いところというか、びっくりしたところが一つあって、さっき悠李が言った通り性格も全然違うので、稽古が始まる前はどんな演技するんだろうなって思ったんですよ。それで見てみたら私が考えるアニーの役と演じ方が全然違って、 「そこのセリフ、こんな風に言うのね」みたいに驚くことがたくさんあって見ていて面白かったです。

――皆さまにお伺いしたいのですが、夏のツアー公演で楽しみにしていることは何ですか?

岡田:私はチームバケツのアニーなんですけど、チームモップの孤児の子たちと一緒に、「Hard-Knock Life」とか歌ったり踊ったり、みんなでお芝居したりすることが一番楽しみです。

絢田:私は、もちろんバケツの孤児の子たちと演じられることも楽しみなんですけど、いろんなところへ行くから、いろんな劇場へ行くじゃないですか。だからそこで歌うのが楽しみだし、ホテルはどんなところなんだろうとか思うのがめっちゃ楽しみです。

藤本:大阪、仙台、名古屋も大好きな街なんですけど、昔水泳をやっていまして、その時に呉の自衛隊のプールで合宿をやっていたんです。第二の故郷ともいえる呉で公演できるのをすごく嬉しく楽しみにしております。 みんなで行けることもすごく嬉しいので、今からツアーが楽しみです。

須藤:普段はカンパニーのみんなと飲みに行ったり、おいしいものを食べに行ったりということが楽しみなんですけど、今回は声のケアをちゃんとしなきゃという緊張感があるので、地域で一番おいしいラーメン屋さんをいろいろ調べて巡りたいなと思っています。

笠松:私も呉公演が楽しみです。この作品を4年間やってきて、大阪より西の地域にツアーで行ったことがありませんでした。私が参加している4年間でまだアニーをご覧になっていない西日本の皆さんに見ていただいてどういう反応が返ってくるのか、反応がすごく楽しみです。

財木:いろんな場所を巡っていくと待ってくださっているお客さんの反応をみると、とても優しい気持ちになれるし、すごく待ち望んでくれてたというのが伝わってくるので、早く届けたいという気持ちがあります。そして僕も呉公演…続けてで申し訳ないですけど、 僕は福岡出身なんですが、車で行くのが山口県が限界で、広島へ行きたいなって…。あとちょっとなんですけど行けなくて、断念した場所なので楽しみですね。

天翔:楽しみにしていることは2つあって、まず広島に行くのが初めてで、牡蠣が大好きなので食べたいなというのがとても楽しみしている一つと、 あともう一つは、東京、大阪、福岡、名古屋は公演で回ったことがあるんですけど、今回呉公演という全然違う地域の皆さんのところで公演するのが、お客さんの空気感みたいなのが地域によって全く違うので、どんなお客さんが待っているんだろうという空気感を体感するのがとても楽しみです。

このあとゲネプロ公演(チーム・モップ)が行われたが、その模様は後日お伝えする。

取材・文・撮影:咲田真菜

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丸美屋食品ミュージカル『アニー』公演概要

日程:2024年4月20日(土)~5月7日(火)
会場:新国立劇場 中劇場
出演:岡田悠李(オカダ ユリ)、絢田祐生(アヤタ ユウキ)、藤本隆宏、須藤理彩、笠松はる、財木琢磨、天翔愛 他
演出:山田和也
夏のツアー公演:呉公演 大阪公演 仙台公演 名古屋公演
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/annie/

東京公演主催/製作:日本テレビ放送網 協賛:丸美屋食品工業

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この記事を書いた人

国家公務員・一般企業勤務を経てフリーランスのライターになる。高校時代に観た映画『コーラスライン』に衝撃を受け、ミュージカルファンとなり、以来30年以上舞台観劇をしている。最近はストレートプレイも積極的に観劇。さらに第一次韓流ブームから、韓流ドラマを好んで視聴。最近のお気に入りはキム・ドンウク。

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