石川雷蔵初主演舞台 劇団ホチキスvol.48 『ワイルド番地』観劇感想

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2024年4月5日 (金) ~2024年4月14日 (日)池袋・あうるすぽっとにて、劇団ホチキス第48公演『ワイルド番地』が上演中だ。2023年、舞台『SHELL』で舞台出演を果たした石川雷蔵が、本作で初主演を務める。

【あらすじ】
僕たちの街に決闘がやってきた…。
時は現代。個人間で起こるいざこざを”決闘”を通して決着させる法律『決闘法』が制定される。しかし、決闘をするには役所に申請をする必要があった。身体への危害、生死に関わる危険行為は避けるなど、細かいルールも設けられおり、決闘するのもひと苦労。市民の皆様がスムーズに決闘を行えるように、各市町村には、決闘を取り仕切る『決闘課』ができた。そんな日本の、とある市の神建(かみだて)市役所決闘課に一人の若者、北原 聡が職員として採用される。そこでは、決闘一課と決闘二課、2つの課が、市民の皆様の平和のために、しのぎを削って業務にあたっていた…。ホチキスが贈る、デュアルコメディー!!

石川が演じる北原聡は、高校時代は野球に情熱を傾けていたが、あることをきっかけに市役所に就職し、決闘課に配属になる。決闘課は2つの課に分かれており、それぞれ市民のためにプライドを持ちながら仕事に邁進しているが、ことあるごとにぶつかる…というストーリー。

決闘一課の職員として、松井勇歩、正木郁、日向野祥、北原に助言する謎の野球部監督に小坂涼太郎、市役所内にある喫茶店の店員に本西彩希帆と劇団ホチキスに初参加となる豪華ゲストがそろった。また決闘一課副課長として野口オリジナルが、決闘二課の副課長を我膳導が演じ、作品を引き締める。それに加え、北原の上司となる決闘二課の課長に小玉久仁子、決闘一課の課長に山崎雅志、齋藤陽介、山本洋輔、内村理沙といった劇団ホチキスの劇団員が出演している。

筆者は4月10日(水)19時の公演を観劇。その時の模様をレポートしよう。

『SHELL』で注目した石川が初主演を務めるとあって楽しみにしていた作品。さらに決闘課という発想が個人的にツボに入り、どんな内容になるのかワクワクしていた。

石川は、物語の序盤から声を張り上げるハイテンションで登場。初日から5公演が終了していたわけだが、声が少しかれているような気がして千秋楽までもつか心配になった。それぐらい石川の演技は熱を帯びたものだった。野球少年という設定なので野球部のユニフォーム姿で登場したが、途中、まさに決闘課に相応しい西部劇風の衣装となり、これが非常によく似合う。個性豊かな出演者たちの中でも負けない存在感が出せるのは、石川が舞台役者として日々成長しているからだろう。

石川雷蔵

日本で新たに施行された「決闘法」に翻弄される一般市民の姿を描く本作は、脚本・演出を担当した劇団ホチキスの代表・米山和仁が、コロナ禍にワクチン接種や助成金の申請、発熱外来の連絡など、多くの自治体の職員と触れ合う中で、役所で働く人々の奮闘を描きたいという思いからきたものだ。途中、さまざまなドタバタがあるものの、ただのコメディーで終わらない熱いメッセージが込められてる作品だと感じる。

決闘一課と決闘二課に配属となった職員たちが、決闘法にとまどいながらも日々仕事に邁進していく様子を描いている。基本的に決闘一課は、課長である天満(山崎雅志)が、争いを好まない平和主義であるため、決闘にならないように市民を説得する手法を用いている。天満の部下の来栖(野口オリジナル)、真壁(松井勇歩)、室井(正木郁)、堀内(日向野祥)の3人は、天満の指示のもと粛々と業務をこなす。筆者は大学を卒業後、公務員として役所に勤務していた経験があるが、二課の熱い職員に比べて、決闘一課のメンバーのどこか達観したようなクールな風情は、役所に勤務する人をリアルに表現していると感じた。

そんな中、決闘一課長の天満と真壁のやり取りは笑えた。通勤途中、バスの中で天満と真壁が一緒になり、上司の機嫌を取ろうとする真壁。しかし何を話しても天満に揚げ足を取られ、四苦八苦する。天満を演じる山崎の勢いに押されて、真壁役の松井が吹き出しそうになっているのを見て、思わず声に出して笑ってしまった。

一方の一課は、課長の五大(小玉久仁子)がとにかく暑苦しいぐらい情熱的だ。決闘をしたいと申し出てきた市民に対して、二課のようにやめるように説得はせず、思い通りに決闘をさせる…という方針だ。そこには五大の熱い想いがあるからなのだが、部下の綾部(齋藤陽介)、柴倉(我膳導)、香西(内村理沙)、そして新人として入った北原も、五大同様、仕事に対して熱い対応になる。

一課と二課が両極端な考え方になり、少し対立している風に描かれているのには訳があり、それはネタバレになるのでここでは詳細は語らない。しかしどちらも仕事に対してきちんとした信念を持ち、プライドを持って臨んでいるところに好感が持てる。いわゆるどちらかが悪でどちらかが善ではなく、両者に肩入れしたくなる一生懸命な人物ばかりなのだ。

そんな中、実にさまざまな人たちが市役所を訪れて、決闘の相談をする様子がオムニバス形式で描かれるが、どれも「ああ、こういうことあるよねー」と納得するものばかり。私たちにとって身近に起こりうる出来事なので感情移入ができる。

決闘課は、このまま一課と二課で分裂したままになるのか…。最終的に2つの課が分かり合えるようになるのかどうかが描かれていく。観終わったあとに爽やかな気分になれる結末となっているので、ぜひ楽しく観劇してほしい。上演時間は約2時間(途中休憩なし)。

文・咲田真菜
舞台写真:オフィシャル提供

目次

劇団ホチキスvol.48 『ワイルド番地』公演概要

【公演日程】

2024年4月5日 (金) ~2024年4月14日 (日)
4月05日(金) 19:00
4月06日(土) 13:00 / 18:00
4月07日(日) 13:00
4月09日(火) 19:00
4月10日(水) 19:00
4月11日(木) 19:00
4月12日(金) 14:00 / 19:00
4月13日(土) 13:00 / 18:00
4月14日(日) 12:00 / 16:00
※受付開始は開演45分前・開場は開演30分前 
※上演時間は約2時間を予定

会場:あうるすぽっと

【チケット】

当日引換券
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=76385&
□予約締め切り:各公演前日 23:00 まで
□発券締め切り:各公演前日 23:59 まで

【席種】

・スーパープレミアム席引換券:10,000円(税込)
※最前列含む前列エリア・非売品特典付(会場にてお渡し)

・一般引換券:7,000円(税込)
※本券ではご入場いただけません。公演当日開演の30分前より受付にて座席指定券とお引換ください。
※座席はお選びいただけません。また、2名様以上の場合、連席をご用意できない場合がございます。予めご了承ください。

◆非売品特典内容
1.フォトブック 出演者全員のインタビューが載ったフォトブック
2.舞台写真ミニアルバム 引換ハガキ 舞台写真で物語を振り返れる

◆当日券
当日券は開演の45分前より販売しております。

【公式 HP】
『ワイルド番地』特設サイト https://hotchkiss.jp/wild/

【公式 Twitter】
@hotchkisstwitte(https://twitter.com/hotchkisstwitte
(推奨ハッシュタグ:#ホチワイ)

【問い合わせ先】
wild@hotchkiss.jp./_(劇団ホチキス)

【企画・製作】
劇団ホチキス

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この記事を書いた人

国家公務員・一般企業勤務を経てフリーランスのライターになる。高校時代に観た映画『コーラスライン』に衝撃を受け、ミュージカルファンとなり、以来30年以上舞台観劇をしている。最近はストレートプレイも積極的に観劇。さらに第一次韓流ブームから、韓流ドラマを好んで視聴。最近のお気に入りはキム・ドンウク。

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