2024年2月8日(木)~2月14日(水)ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)にて、MPinK新作オリジナルミュージカル『薔恋多院家の三姉妹』が上演される。
ミュージカルの子役で活躍してきた若手俳優をメインに、毎回ゲストを招いて神奈川県内で上演を続けてきたMPinK(ミュージカルプロジェクトin神奈川)。初の完全オリジナルミュージカルとなる本作は、両親を豪華客船の事故で亡くした薔恋多院(ばれんたいん)家のお嬢様三姉妹が、突然両親の遺言状を持って現れた人物によって翻弄されるコメディ作品となる。
公演が約1週間後に迫る中、稽古場を訪問して、長女エマを演じる田中杏佳さん、次女ルルを演じる永利優妃さん、三女マリイを演じる谷優里さんのインタビューを行った。稽古場に入った瞬間「あっ!三姉妹だ!」と分かるほど姉妹感が出ている3人に、MPinKの魅力や公演の見どころについて語っていただいた。
MPinKならではの稽古場の雰囲気とは?
――初日を約1週間後に控えて、現在のお稽古の進み具合についてお聞かせいただけますか?
田中杏佳(以下、田中):MPinKは、高校生、大学生がメインとなっている団体なので、学校にいるみたいなMPinKならではの仲の良さがあります。ひとり一人が目標を持って「みんなと一緒に作り上げるぞ!」というところが、MPinKの良いところです。稽古が始まって1カ月、そして今、初日まで1週間となって通し稽古も始まりました。まとまりが出てきたところなので、この後はもっとブラッシュアップしていけたらいいなと思っています。
永利優妃(以下、永利):MPinKは空気があったかいところが特徴なんです。どんなことに挑戦しても受け入れてくれるんですよ。稽古も終盤になってきてみんな慣れてきたせいか、「この子が!!」と思う子がアドリブを入れてきたりできる雰囲気があるので、本当にあったかいなと…と思います。それと同時にもうちょっとで本番になるんだと、身が引き締まる気持ちになってきました。
谷優里(以下、谷):おととしMPinKの作品に出演したのですが、その時は結構暴れるイメージの役でした。今回も2人のお姉さんの間に入って仲裁したりするので、オーバーリアクションが目立つ役になっていると思います。
――それぞれの役づくりで意識しているところはありますか? また自分自身と共通する面はありますか?
田中:長女のエマはおっとりとしていて優しくて、でも芯があるのが主な特徴です。私自身は、おっとりと芯の強さを共存させるのが意外に難しいとすごく感じています。経営者という役柄なので、しっかり発言しなければいけない立場でもあるけど、エマがおっとりしているところは役の本質なので、そこをどうバランスをとっていくか…というところが課題です。姉妹で喧嘩をするシーンも多いので、あまり強く言いすぎるとおっとり感がなくなるので、そのバランスを探っている段階です。自分と似てるところはあまり分からないのですが…。
永利:芯があるところは似てると思うよ!
田中:(笑)。柔らかさと強さを両方兼ね備えてる女性って結構素敵だなって思うので、自分が憧れられる存在をイメージして演じています。
永利:私が演じるルルは、三姉妹の中でも異色なんです。メイドカフェを運営しているんですが、ビジネスの戦略をどんどん考えていく子なので、冷静で時に冷酷なところがあり、常に落ち着いているイメージです。怒るところが結構あるので、三姉妹の中でも強さを全面に出していこうと思っています。でも私の役は、姉妹で喧嘩しているとき、敵に見えちゃう部分があるんですよね。敵に見えないように、三人の姉妹としてお客様に愛してもらえるように、強く言っているけど「本心じゃないよ」という芝居を入れながら試行錯誤しています。
私自身はおちゃらけた性格で、冷酷さや冷静さがあんまりないので、似てるところといえばファッションぐらいです。ハイウエストでジャケットを肩にかけ、黒白ベースみたいなファッションをするルルに似ていると言われます。
谷:三女マリイは、姉たちが喧嘩していると仲を取り持つ存在なんです。そして地球が大好きで自然を愛していて、自然環境仲間とともに活動しています。でもそういう柔らかい面ばかりではなく、芯の強いところもある子です。
自分と似ているところはよく分からないのですが、天然でふわっとしているところは似ているとよく言われます。
――本作は歌が多いイメージがありますが、苦労しているところはありますか?
田中:曲ごとの雰囲気で歌い分けするところに苦労しています。声色、地声、裏声をどう使い分けるか、曲の雰囲気を壊さないように、でも自分の役の気持ちもしっかり伝えなきゃいけないので、どの歌でもしっかり考えるようにしています。
永利:MPinKの強みは、集団でハモるところなんです。今回もハモりの量がすごくあって 基本的に全曲3声あるんですね。私たち3人だけの歌でも全員パートが違って3声で、私は曲ごとにソプラノ、メゾ、アルトをいったりきたりするので大変です。
ハモりは重圧を出さなければいけないし自分のハモるパートはしっかり聞かせなければいけないので、大量のハモりを覚えるのが大変です。でも三姉妹できれいにハモれるとうれしいし楽しくなってくるので、それを励みに頑張っています。
谷:今回のMPinKは初のオリジナル曲なので、新しい曲がたくさんあるのですが、特に(マリイが所属する)自然チームは、面白い雰囲気の曲があるので、踊りも含めて楽しんでやっています。
永利:メイドチーム、ビジネスチームにもそれぞれキャッチ―な歌とダンスがあるけれど、自然チームは見ていて楽しいよね。
出演キャスト全員の新しい一面が見られる作品に期待!
――ところで田中さん、永利さん、谷さんはプライベートではお互いにどのような印象を持っていますか?
田中:2人とも歌えて踊れて芝居もできて、本当にオールマイティなんですよ。だから最初から全然心配することがなかったです。もともと私たちはMPinKや外部の舞台で共演経験があって旧知の仲なので、私が何をやっても大体受け入れてくれてOKだろうという安心感がすごくありました。この3人でできるのが嬉しいなって純粋に思ってました。
永利:私はMPinKの本公演に出るのは 2回目なんです。4年~5年ぶりぐらいのMPinKなので少し緊張してたんですけど、その間、(田中)杏佳と共演する機会があったんです。2023年の年末も同じ舞台に出ていたので、かれこれ3カ月ぐらい一緒にいるんですよ。何かあったらすぐに言っちゃうし何でも答えてくれるので、隣にいてほしい存在です。
(谷)優里は、去年のコンサートで初めて共演しました。コンサートは稽古期間がたくさんあったわけではないので、今回の共演で仲良くなりたいと思っていました。最初からすごく喋ることができて、たまに出る「よしよし」したくなる妹感、でもその中に芯があってやることはちゃんとやってくる子なので、しっかり者の2人と共演できて楽しいなと思っています。
谷:杏佳ちゃんは、MPinKの代表的存在なので、分からないことを聞いたら何でも答えてくれていつも頼りにしています。(永利)優妃ちゃんも本当に優しいので、2人ともすごく頼りにしています。
――作品の見どころを、メイドチーム、ビジネスチーム、自然チームごとに教えてください。
田中:メイドチームは、まずかわいいところが見どころです。衣装が本当に素敵なんです。ひとり一人の個性が出るように衣装担当の方が考えてくださっています。いわゆるメイド服だけじゃなくて、チャイナ服や和装など、それぞれの個性が出てるような衣装になっています。今回はバレンタインなので、メイドならではの可愛さを堪能していただければと思います。そしてチョコを配るシーンがあるので、運が良かったらもらえるかもしれませんよ!(笑)
永利:私のチームは、全員が会社経営者の役なんです。美容クリニックを運営してる人、学習塾を運営してる人、Tシャツを作る会社の社長など、全員が社長なので、みんな凛々しいです。でもビジネスチームは、誰かを笑わせたい欲が強くてどんどんネタが追加されているんです。凛々しいだけだと怖いイメージになってしまうので、コミカルにしようとする意欲があるんです。全員個性が本当に強くて、みんなが自分の個性を貫いてお芝居をしているので、やりやすいし面白いです。
私がずっとダンサーをやっていたこともあって、全員が踊り狂うところも見どころです。「こうしたら面白いよね!」と話し合う機会を設けていて、どんどん仲良くなっているので、仲の良さ、個性、ダンスと盛りだくさんのビジネスチームになりました!
谷:自然チームもみんな個性が強すぎて、保護猫活動をしている人がいたり、コオロギ食に力を入れたり、地球のために活動している人ばかりなので、ひとり一人が自分の活動を大切にしているのが分かると思います。冗談っぽくやっていますが、今実際に問題になっている事柄を取り上げているので、きちんとメッセージが伝えられるように頑張ります。
――最後にメッセージをお願いいたします。
谷:メイドだったり、ビジネスだったり、自然活動家だったり、それぞれ三姉妹の個性を楽しんで見てもらえたらなと思います。
永利:私は、この作品で出演キャスト全員の新しい一面が見られるんじゃないかと思っています。私もやったことのない役なので、推しのキャストがすでにいる方は推しキャストの新しい一面が見られると思いますし、この子面白いなっていう子を絶対に見つけられる作品になっていると思います。何より歌がすごく頭に残るし、ダンスなど本当に盛りだくさんの舞台になっていますので、いろいろ見るために目が足りなくなると思います(笑)。ぜひたくさん見ていろんな部分を楽しんでいただけたらなと思います。お待ちしております!
田中:無駄な役がなく、ひとり一人に見どころがしっかりある作品なので、出演するみんなのことをたくさん観て、楽しんで推しを見つけていただけたらなと思います!
取材・文・撮影:咲田真菜
MPinK新作オリジナルミュージカル『薔恋多院家の三姉妹』
日時: 2024 年2 月8 日(木) 19:00 開演
9日(金) 19:00 開演
10 日(土)14:00 開演 / 18:00 開演
11 日(日)13:00 開演
12 日(月祝)13:00 開演
13 日(火)14:00 開演 / 19:00 開演
14 日(水)12:00 開演 / 16:00 開演 *開場は開演の30 分前
「MPink Valentine’s Concert 2024」
2月11日(日)18:00 開演
会場:ラゾーナ川崎プラザソル(〒212-8576 神奈川県川崎市幸区堀川町72-1)
料金:全席指定 SS 前売12,000 円(前売のみ取扱)
(非売品プロマイド及びプチギフト付き最前列or2列目中央席)
一般 前売 7,400 円 当日 7,600 円
U22 前売 6,000 円 当日 6,200 円(要証明)
チケット取扱:ライブポケット https://t.livepocket.jp/t/o6mnf
出演:
田中杏佳、永利優妃、谷優里、宇部洋之、須藤香菜、遊佐夏巴、大場啓博、有澤みなみ、久保田遥、陶國貴矢、吉井しえる、片山佳音、稲田有梨、福田麗、つきかわ、日高継実、矢野恋花、せな、藤澤亜海、栁下恵那、鳥羽瀬璃音花、土井祐杏貴、三浦涼音、石田隼
作:河田唱子(ウキヨホテルプロジェクト)
構成・演出:笹浦暢大
音楽監督:田中和音
振付:岸下香
MPinKオフィシャルサイト:https://www.artist-entertainment.jp/mpink/