2022年10月、東京・大阪にて、conSept Musical Drama #7『SERI～ひとつのいのち』が上演される。
本作は、目が見えず話すこともできない少女、千璃（セリ）をめぐる実話をベースにした物語。高橋亜子(脚本)×桑原まこ(作曲)の初コンビでミュージカル化、これまでconSept作品に振付家として参加してきた泥棒対策ライトの下司尚実が演出を手掛ける。
タイトルロールの千璃役に山口乃々華、千璃の母·美香を演じるのは奥村佳恵。そして父・丈晴役には主に2.5次元作品で活躍する和田琢磨が挑む。
このたび取材会が開催され、山口、奥村、和田の3名が登壇した。これから稽古に入るという中、現時点で作品に対してどのように向き合っているのか、想いや意気込みを語った。
今回実在する家族を演じるということで、自身の役への印象や意気込みを問われると、和田は「父親役や夫役はあまり経験がないのですが、そうした役をやるのにちょうどいい年齢になりました。美香役の奥村さんや千璃役の山口さんからいろいろ吸収し、それに素直に反応して丈晴という役を作っていけたらと思っています。台本を読んで、共感できない部分はなかったので、僕がこれまでの人生で経験してきたことをもとに、感受性を広げていければ難しくないと思っています」と語った。
一方で山口は「私は目も見えるし、言葉も理解できる。だから千璃のことを簡単に理解できるとは言えない」としつつも「千璃にとっては目が見えなくて、言葉を話せないことは当たり前のこと。人に伝える手段が私たちと比べて少ないというだけで、心の中はとても豊かに動いている人なのではないかと思っています。だから感性のアンテナをしっかり張って、身体で覚えていきたい」と力強く語った。
母親役の奥村は、歌や音楽に言及。「感情の高ぶりをそのまま歌にしているシーンがかなりあるので、音楽に引っ張られすぎず、バランスを取って演じていきたい」と語った。
今回が初共演となる3人だが、お互いの印象を聞かれると、和田は「山口さんは真っ白！ 今回一番難しい役だと思いますが、共演者である僕もワクワクするような期待感があります。奥村さんは、クールビューティーなイメージがありましたが、とても明るくて、共演者とニコニコお話される方。良い意味でギャップがありました。二人で良い夫婦になれそうな気がしています」と、奥村のほうを見てニッコリ笑った。
それに対して奥村は「和田さんは、その端正なルックスで最初は『鼻にかけてる人なんじゃないの？』なんて思いましたが（一同爆笑）、全くそういうところはなく人当りがやわらく、おおらかな人。座組のクッションになってくださるような優しい方です」と返し、早くも二人の夫婦役に期待を寄せられる和やかな雰囲気が感じられた。
そんな二人を「両親」に持つ山口は「お二人とも目が優しくて…。奥村さんは最初、お人形さんみたいで圧倒されたのですが、ニッコリ笑って話しかけてくださったり、ケラケラ笑ってくださったり、温かい方です。和田さんは、役ととても似ていて優しさがあり、家族を支える力を感じます。この取材会の前に3人でいろいろとお話したのですが、笑いをとってくださったりして楽しい方です。作品はシリアスですが、きっと本当の家族のような雰囲気になれて、ギュッと強く温かいものが生まれるのではないかと楽しみにしています」と語った。
本作は、ミュージカルナンバーが多いことも特徴の一つだ。それについて問われると、奥村は「ここまで歌う作品に出演したことがないので、挑戦です。ミュージカルを見慣れていない人が陥りがちな『ここで歌うんだ！』という違和感を抱かずに、日常生活の中に溶け込んだまま歌につなげていけるような舞台にしたいです」と語った。
和田は「世の中に素晴らしいミュージカルはたくさんあるけれど、トライアンドエラーで出演者全員で作品を掘り下げていけば、面白い作品に仕上がるのでは？」と期待値の高まるコメントをした。
千璃を演じる山口は、実体と魂の2つを演じ分けることに挑戦。日常生活でのやり取りはマイムで表現するという、これまでのconSept Musical Dramaシリーズとは違う雰囲気の舞台になるという。恐らく体力勝負の舞台になることが予想されるが、現時点で体力づくりをしているか問われると「週に1度、ダンスレッスンに通っています。3時間ほどレッスンをして、身体を少しずつ作っている途中です」と答えた。
奥村は「今回の公演では、喉をつぶしてしまったら大変なことになるな…と感じています。ですから、喉のケアはしっかりしていきたいです」と語り、今年に入ってからパーソナルジムに通い始めたという和田は「最近、筋トレにハマっているんですよ。今回の作品で筋肉をお見せすることはできませんが…（笑）」と笑いを誘っていた。
最後に、本作を通じて伝えたいことや見どころについて、コメントをしていただいた。
和田：この作品は、母親目線、父親目線など、人によって印象が変わると思っています。正直、何を伝えたいかというのはあまり考えていなくて、とにかく作品に対して嘘がないように向き合っていきたいです。夫婦で意見がすれ違ったりするシーンがあるんですが、皆さんの日常とリンクする瞬間があると思います。この作品が皆さんにどう感じていただけるか、僕自身も楽しみにしています。
奥村：乃々華ちゃんの身体表現が見どころだと思いますし、芝居や歌のシーンもたくさんあります。そういう意味では、いろいろな質感のシーンが組み込まれている作品。私が演じる美香としては「逃げない」ということ前面に出したいです。とてつもない途方もないことに押しつぶされそうになっても、逃げずに戦い続けることで得られる光や温かさがある。負けない、戦うぞということを伝えたいです。
山口：私の役は実体と魂があるので、魂のほうでは身体表現で表現するので感情豊かに伝えられたらと思います。この作品を通して、私たちが素直な気持ちで安心して毎日を生きているのは、隣にいる人が支えてくれているからだよねというメッセージを伝えたいです。誰かが見てくれて、支えてくれているから、普通にそこに居られる。そういうことをこの作品を観たあとに、皆さんにも感じていただけたらと思っています。
取材・文・撮影：咲田真菜
■公演概要
conSept Musical Drama #7『SERI〜ひとつのいのち』
公式サイト：https://www.consept-s.com/seri/
ハッシュタグ：#舞台SERI #舞台セリ
出演：山口乃々華 奥村佳恵 和田琢磨
植本純米 小林タカ鹿 樋口麻美 辰巳智秋 内田靖子 長尾純子 小早川俊輔
原作：倉本美香『未完の贈り物』
脚本・作詞：高橋亜子
作曲・音楽監督：桑原まこ
演奏：桑原まこ（Key.）、成尾憲治（Gt.）、山口宗真（Reed）、平井麻奈美（Vc.）
アソシエイト・プロデューサー：川村徹也
プロデューサー：宋元燮
後援：一般社団法人未完の贈物 ／ 製作支援：杉本事務所
企画・製作：conSept ／ 主催：conSept、関西テレビ放送
（C）2022,conSept LLC
[上演日程]
東京 2022年10月6日（木）～10月16日（日）博品館劇場
大阪 2022年10月22日（土）～10月23日（日）松下IMPホール
■チケット料金（全席指定・税込、東京・大阪共通）
SS席：11,500円、SA席：10,500円、A席：9,000円、C席：7,000円
■チケット発売日
主催者最速早割先行：6月4日(土)〜19日(日)
プレイガイド独占先行（チケットぴあ）：7月23日(土)〜8月7日(日)
プレイガイド先行：8月13日(土)〜21日(日)
一般発売：8月27日(土)〜
【お問合せ】info@consept-s.com
●Twitter https://twitter.com/consept2017
●Instagram https://www.instagram.com/consept2017/
●Facebook https://www.facebook.com/consept2017/
●YouTube https://m.youtube.com/c/consept
