2019年10月10日(木)から14日(月)にかけて、こくみん共済coopホール(全労済みホール)にて、木村昴さんが座長を務める天才劇団バカバッカ本公演vol.21 10周年記念公演『DAWN DAWGS ~朝焼けの旅路~』が上演される。ラップミュージカル×ブラッディアクションコメディーと銘打って、人間とヴァンパイアの物語が描かれる。
都内の稽古場にて、本公演に出演する風花舞さんにお話を伺うことができた。風花さんは、宝塚歌劇団月組でトップスター久世星佳さん、真琴つばささんの相手役として娘役トップスターを務めダンスの名手としても活躍、退団後は数々の舞台に出演している。今回の公演に出演するにあたっての意気込みや稽古場での雰囲気について語っていただいた。
――『DAWN DAWGS ~朝焼けの旅路~』に出演するきっかけは何でしたか?
昨年、天才劇団バカバッカさんの劇団員でいらっしゃる赤間直哉さんと別の作品でご一緒していて、そのご縁で今回オファーをいただき、今回の出演となりました。
――風花さんは、どのような役どころですか?
私はヴァンパイアの役を演じます。ネタバレになってしまうので細かいことはまだお話できないのですが、役の立ち位置としても内容的なことも、今まであまり演じたことがない感じなのではないかと思います。ファンの方もきっと違う感覚でご覧いただけるかと思いますね。
――アクションコメディーということなので、風花さんもアクションに挑戦されるのですか?
そんなにすごいことはしませんが、人間対ヴァンパイアの話なので戦いのシーンがあります。宝塚にいた時はずっと男役の方に守られる側だったので、自分が前に出て戦うことは今までに見たことがない景色なので楽しいですね。今回出演する方々は身体能力の高い人たちばかりなので、アクロバットとかパルクールとかすごいんですよ。
――風花さんは宝塚時代、かわいらしい娘役というだけでなく、ダンスの名手なのでかっこいい娘役という面もありました。今回はそれが活かされそうですね。
ヴァンパイアという設定自体も非人間ですし、私を知らない方には「宝塚にいたからこういう役もできるのだろうな」と思ってもらえたらと思うし、宝塚時代から観て下さっている方には、今まで見たことがない強さみたいなものを観てもらえたらいいかなとは思います。
――稽古場の雰囲気はいかがですか?
本当に若い! という感じです(笑)。テンションもそうですし、楽しんでやることに重きを置いているのかなと感じますね。私が通ってきた世界はある意味厳しいというか、立場によって背負っているものがありましたが、ここはみんなが対等であまり上下関係がないような気がします。皆さんは気を遣って下さっているのかもしれないですけれども、上級生、下級生とかそういうことではなくて、対等に楽しいことをしようという雰囲気がすごくありますね。
宝塚は人数が多く緊張感がないとできない世界なので、それはそれですごくいいと思っていますが、今回は違った良さがあると感じています。ですので、みんながそうなら私も!と、雰囲気に合わせて馴染むようにしています。
あと今回のカンパニーは、いろいろなバックボーンの方が出演されていて、声優さん、モデルさん、THE CONVOYの方も出演されています。刺激がありますね。
――劇団座長の木村昴さんが演出と脚本を手掛けていますが、木村さんはどんな方ですか?
役者一人ひとりが持つ良さを反映させようとしてくださる方ですね。実際にやってみて、こちらが良さそうだとなったら柔軟に変えてくださいます。もちろん木村さんご自身にちゃんと1本の筋はあるのですが、私に対して「どうしましょうか」というようなことを聞いてくださったときに意見を言うと、すごく尊重してくださいます。説明も分かりやすいですし、理解できるまで話をしてくださるのでやりやすいですね。
――稽古を通じて、今までと違う演出方法だなとか思うことはありますか?
今回キャストによっては、ラップで歌うシーンがあります。私がいた世界にそもそもラップというジャンルがなかったですし、自分自身もそんなに聴くジャンルではないので、そういうものがお芝居の中に入ってくるのはすごく斬新ですね。
――木村さんご自身がヒプノシスマイクでラッパーとして活躍されていますね。やはりラップ要素が強い作品になっているのでしょうか?
要所要所にそのエッセンスがある作品になっています。ミュージカルでいうならば、歌うところに少しラップが入ってくるという感じです。ダンスもヒップホップ系ですから、宝塚を観ている方にとっては、少し違った雰囲気に感じると思います。
――風花さんご自身の役について、そして作品全体の見どころはどんなところですか?
私自身としては、最初から最後までヴァンパイアではあるのですが、物語が進むにつれて心情的に変わっていきますので、その様をうまく伝えられたらいいなと思ってやっています。出演者それぞれにストーリーがあるので、それが絡み合っているという感じですね。
――風花さんご自身は、これからどんなことに挑戦していきたいですか?
やっぱり舞台は好きですし、できる限りやっていきたいと思っています。それと同時に今ダンスを教えたりもしているので、自分が踊って見せられる間はダンスに関わっていきたいです。年齢的に必ず限界がきますので、そうなる前にできる限りやっておきたいです。実は今でも週に3日はスタジオに入って踊っているんですよ。そういう意味では宝塚を退団する時のスペシャル番組で「ダンスだけは趣味でも絶対に続ける」と宣言したとおりになっていますね。
あとは声優さんたちとお仕事をさせていただくことが何度かありまして、そのときに声の仕事の楽しさとか奥深さを感じて、学ぶところがたくさんあると思ったのです。今までは考えたことがなかったのですが、自分が表に出ていかなくても、ラジオや吹替、ナレーションのように声で何かを表現する仕事というのも、チャンスがあったらやりたいとすごく思っています。この間、旅番組にリポーターとして出演させていただき、ナレーションに初めて挑戦したのですが、まだまだ経験が浅いと感じたので、少しずつ経験を積んでいけたらと思っています。
――ラジオ番組をぜひやっていただきたいです!例えば深夜番組で風花さんの声を聞きながら眠りにつくのがいいかもしれません(笑)。それでは改めて、今回の公演にかける意気込みとファンへのメッセージをお願いいたします。
今回の公演は、天才劇団バカバッカさんの10周年記念公演となります。この劇団は彼らが10代後半ぐらいから立ち上げているわけですから、すごいなと思っていますし、さらに10年続けるということは大変なことだと思うのです。このような記念すべき公演に呼んでいただけるのは、ありがたいと思っています。
この作品における自分に与えられた役割をちゃんと果たせるように、そして公演に華を添えられるようなパフォーマンスができたらいいかなと思っています。この劇団の作品をご覧になったことがある方はもちろんですけれども、見たことがないという方にも、若い人たちの頑張りをぜひ見ていただきたいです。
私自身に関しては、宝塚時代を彷彿とさせるようなところもあるかもしれませんが、違った一面もきっと見られる舞台になっています。
そして、シークレットで毎日違うゲストが登場されます。木村さんがTwitterでヒントを出されていますが、本当にシークレットなんです。かなりの大物がゲストでいらしてくださるようなので、こちらも楽しみにしていてください。
風花舞プロフィール
元宝塚歌劇団 月組トップ娘役。ブロードウェイミュージカル「CAN-CAN」「WEST SIDE STORY」ほか多数出演。娘役としては異例の単独主演ダンスリサイタル「LAST STEPS-月明かりのワルキューレ-」を大成功させる。宝塚退団後は女優・ダンサーとして活動。ミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」「リトルショップ・オブ・ホラーズ」「big」「回転木馬」「QUICKDRAW」ほか、ストレートプレイ、ダンスショー、ドラマ、CMなど幅広く活動している。2019年3月ONAIRのBS朝日「つなげよう明日へ~旅して応援!鉄道でめぐる西日本~」ではレポーター&ナレーターを初体験。優しい語り口、美しい言葉遣い、ナチュラルな食レポで好評を博した。10月10日~14日、天才劇団バカバッカ本公演vol.21 10周年記念 こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ 提携公演「DAWN DAWGS(ドーンドッグス)~朝焼けの旅路~」への出演が決定している。
【公演情報】
天才劇団バカバッカ本公演 vol.21
10周年記念公演 こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ 提携公演
『DAWN DAWGS 〜朝焼けの旅路〜』
■日程:2019年10月10日(木)〜10月14(日・祝)
◆タイムテーブル
10月10日(木) 18:30
10月11日(金) 18:30
10月12日(土) 13:00/18:30
10月13日(日) 13:00/18:30
10月14日(月) 12:00/17:00
■会場:こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ
■脚本:木村昴/白倉裕二
■演出:木村昴
■演出補佐:白倉裕二
■キャスト:
木村昴
レノ聡
津賀保乃
野村龍一
赤間直哉
うみぐちうみ
(以上、天才劇団バカバッカ)
石坂勇
風花舞
鵜飼主水
梨衣名
工藤綾乃
才川コージ
白倉裕二
森谷勇太
yoshi.
武井雷俊
石毛翔弥
鈴木晴香
矢島美音
アンジェロ
掌幻
FUGA
TAKAAKI
境秀人
西垣和哉
Tacya
しらけん
KENTON
有木真太郎
タジマレイ
IKA
Mayu
原しおり
Introduction
– この世界には、かつて2つの種族が存在した –
人間と、ヴァンパイア。彼らは古来より対立し、戦いの歴史を繰り返してきた。
そしてある大戦においてついに敗れたヴァンパイアは、いつしか人間たちによって絶滅したと語り継がれるのであった。
時は流れ、現代。日本でもアメリカでもアジアでもヨーロッパでもない多国籍国家。
戦いから解放された人間たちは、ヴァンパイアの存在を過去の遺物として忘れさり、平和な日常を送っていた。
しかし、ヴァンパイアの脅威は完全に消えたわけではなかった…
大戦から生き延びたごく僅かなヴァンパイアたちは、闇に身を隠し長い年月をかけ、次第にその力を増していたのだった。
そんなヴァンパイアに対向するため、世を偲び人知れず戦いを続けてきた人間「ヴァンパイアハンター」旅人。
彼は戦いの中で大切な物を失い、傷付き、疲れ果て、脱け殻のような生活を送っていた。
…だが、ある出会いをきっかけに、無情にも運命の歯車は再び動き出すのであった。
天才劇団バカバッカが10周年記念公演で満を持してお送りする
ラップミュージカル×ブラッディアクションコメディ!
「話の続きは陽が沈んでからだ!」
〈天才劇団バカバッカとは…〉
2009年10月に結成。団員6名。座長は、国民的アニメ「ドラえもん」にてジャイアン役を務める声優・木村昴。王道をゆくベタなコメディを得意とする一方、邪道とも言える奇想天外なアドリブの多さでも知られる。「全ては笑って頂きたい一心」という強い信念を持ち、今日までパワフルなドタバタコメディを上演し続けている。本公演vol.19「BADASS PSY-KICKS!」では結成以来最多の観客動員数となる3000人を突破し今注目を浴びはじめている。
ちなみに『天才劇団バカバッカ』の名付け親は、座長木村が師と仰ぐ声優の関智一氏(スネ夫)である。
■公式HP t-bakabakka/.com
■公式twitter @t_bakabakka