相葉裕樹&夢咲ねね出演 ソングスルーミュージカル『Ordinary Days』プレビュー公演&特別カーテンコールレポート

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2023年2月8日(水)俳優座劇場にて、オフ・ブロードウェイミュージカル『Ordinary Days』のプレビュー公演が開催された。

2008年オフ・ウエストエンドで初演、翌年2009年オフ・ブロードウェイで上演され話題を呼んだ、ソングスルーミュージカル。

作詞・作曲を手がけたアダム・グウォンは新進気鋭のクリエイターの一人で、爽快で誠実な楽曲と共に、誰もが経験したことのあるような人を想い合う温かさや、うまくいかず葛藤することもある日々を緻密に歌で表現し、心に寄り添った作品に仕上げた。日本で本格初上演となる。

物語の舞台はアメリカ・ニューヨーク。30代のカップル、ジェイソン(相葉裕樹)とクレア(夢咲ねね)は、互いを想いながらも、ここ最近衝突ばかりでお互いの心が掴めないでいる。一方、アーティストを目指す青年ウォーレン(小池竜暉/中本大賀 Wキャスト)は、手書きのチラシを配布する活動をしているが、誰からも見向きもされない。ある日、大学の論文に追われるデイブ(斎藤瑠希/浜崎香帆 Wキャスト)のノートを偶然拾ったことで二人は知り合い、少しずつ世界が色を変えていく。日々を懸命に生きる4人の人生が、思わぬ形で繋がっていくのだが、自身のかけがえのない大切な時間とは…?

おすすめエンタメ情報 エンタミーゴ!では、プレビュー公演を取材。公演後に行われた特別カーテンコールの模様と合わせてお伝えしよう。(※プレビュー公演のウォーレン役は小池竜暉、デイブ役は斎藤瑠希)

相葉裕樹(C)オフ・ブロードウェイミュージカル『Ordinary Days』/曳野若菜

30代のカップル、ジェイソンとクレアが一緒に住むことになり、これから始まる新たな生活にワクワクしているところから物語がスタートする。しかしお互いの価値観に違いがあり、一緒に生活するうちに些細なことでぶつかるように。けんかも多くなり、二人は考え込んでしまう日々が続く。

一方でアーティストを目指す青年、ウォーレンはニューヨークの街中でチラシを配る活動をしているが、誰にも相手にされない。唯一チラシを手にとってくれたのが大学生のデイブ。後日、卒論のためにデイブが準備していたノートをウォーレンが拾ったことで、運命的な再会を果たす。

出演者は4人のみ、そしてソングスルーミュージカルということで、せりふを歌にのせて物語が展開していく。冒頭から出演者4人のソロパートが披露され、爽やかで躍動的な音楽に心が踊る。

数々のミュージカルで活躍している相葉裕樹夢咲ねねは、さすがの安定感。アップテンポで歌詞もびっしりの難しい曲をしっかりと歌いこなす。

夢咲ねね(C)オフ・ブロードウェイミュージカル『Ordinary Days』/曳野若菜

ウォーレン役の小池竜暉は、少し緊張している雰囲気はあったものの、夢に向かって邁進している青年を全身で表現。そしてデイブ役の斎藤瑠希は、ちょっと神経質だけれど若さあふれる大学生を、表情豊かに生き生きと演じた。

小池竜暉(C)オフ・ブロードウェイミュージカル『Ordinary Days』/曳野若菜
斎藤瑠希(C)オフ・ブロードウェイミュージカル『Ordinary Days』/曳野若菜

本作ではタイトルどおり、ごく普通の日常が描かれていく。食事を一緒にしている時の何気ない会話、休日に過ごすメトロポリタン美術館での出来事など、誰にでも身に覚えがある日常の風景が目の前に広がる。

(C)オフ・ブロードウェイミュージカル『Ordinary Days』/曳野若菜
(C)オフ・ブロードウェイミュージカル『Ordinary Days』/曳野若菜

4人それぞれが、自分以外の誰かと価値観の違いでぶつかり合ったりするのだが、こうして「ぶつかり合うことができる普通の日常」がいかに価値のあるものなのかということを、物語のラストで気付かされる。

キャストたちの熱量のこもった歌で綴る1時間半の作品。観終わったあとに熱いものがジワジワと込み上げ、普通の日常に感謝しなければ…と思わずにはいられない気持ちになった。

(C)オフ・ブロードウェイミュージカル『Ordinary Days』/曳野若菜

終演後、特別カーテンコールが行われ、相葉裕樹夢咲ねね小池竜暉(GENIC)、中本大賀(円神)斎藤瑠希、浜崎香帆の6名が登壇した。まず最初に6名から意気込みが語られた。

中本:ウォーレン役を演じさせていただきます中本大賀と申します。僕は明日初日を迎えるのですが、初のミュージカル出演ということ、地元の大阪公演もあるのでとても楽しみにしています。この作品を通してみなさんの何気ない日常に少しでも彩りを与えられたらいいなと思っております。千秋楽までどうかよろしくお願いいたします。

中本大賀

浜崎:デイブ役の浜崎香帆です。私も大賀くんと一緒に明日初日ですが、プレビュー公演をちょっとだけ客席で見させていただき、あーついに始まったんだな、とやっと実感がわきました。最初は歌ばっかりですごく不安だったんですけれども、今は思いっきり楽しんで、この舞台をやっています。ぜひ、2度3度見ても楽しめる舞台になっていると思うので、たくさん足を運んでいただけると嬉しいです。よろしくお願い致します。

浜崎香帆

小池:ウォーレン役の小池竜暉です。今日は本当にご来場いただきありがとうございました。ミュージカル、演技、舞台が初めてです。普段はダンス&ボーカルで活動していますが、このような機会をいただき本当にうれしく思います。あと4公演しかないですが、一つひとつ丁寧にキャストの皆さんと一緒に音楽と演技でこの作品を紡いでいけたらうれしいと思っています。ぜひ残りの公演も楽しんでいってください。ありがとうございました、

小池竜暉

斎藤:デイブ役の斎藤瑠希です。本日はお越しいただき、ありがとうございました。たくさんの歌が出てきますが、その中で皆さんがお気に入りを1つでも覚えて帰っていっていただけたらなと思うのと同時に、人生の主人公は自分自身なんだというふうに思って帰っていただけたら嬉しいなと思います。よろしくお願いします。

斎藤瑠希

夢咲:クレア役の夢咲ねねです。本日はご観劇いただきありがとうございます。このような状況下の中で、たくさんのお客様に見ていただけて本当に嬉しく思っています。キャストは6人いるんですけれども、舞台上では、4人しかいなくて、それぞれの人生が深く描かれています。それが音楽によって違う味になったりして、毎回違う感情と向き合うという不思議な作品です。何気ない日常の作品なのに不思議な気持ちになったり、いろいろな役を通していろいろな人生を見れたりするので、すごく素敵な作品です。何度でも見に来ていただきたいですし、毎日起こる化学反応も一緒に体験していただけたら嬉しいです。

演出の(田中)麻衣子さんと稽古中に座談会をさせていただいたんですけれども、今日再び思ったのが、(相葉をまじまじと見て)本当にまつげが長いですよね~(一同笑)。この劇場は、舞台とお客様が近いので、このまつげの長さもぜひ見ていただけたらなと思いました。ありがとうございました。

夢咲ねね

相葉:ジェイソン役を演じさせていただきました相葉裕樹です。本日はご来場いただきまして誠にありがとうございました。本日はプレビュー公演ということで、キラキラとしたスリリングな公演でしたが、たくさんの方にお越しいただきまして、この1カ月ずっと歌い続けてきた歌を皆様の前でようやく披露できました。

ソングスルーミュージカルってそもそもなんだろうと思っていたんですけれど、こんなに歌うんだと苦労して1カ月間、稽古に臨んでいました。ほんとに何気ないシーンが多くて、でもそれを皆様と共有して、何気ないことこそ美しい、そして尊いというものを今一度感じていただけるような作品になっているんじゃないかと思います。リピーターチケットもありますので、ぜひまたご来場ください。ありがとうございました。

相葉裕樹

このあと、本作で見逃してほしくないシーンは? という質問がなされると、先ほど相葉のまつげの長さをぜひ観てほしいと言った夢咲が「もう言っちゃったなー」とつぶやき、相葉が「そこ??」と突っ込む場面が。すべて見逃してほしくないといいつつも、二人がお気に入りというタクシーでけんかをするシーンをあげた。

そして夢咲は、物語のラストで頭上から降ってくる紙にも注目してほしいと語る。「紙に全て違うことが書いてあって、すごく前向きになれるメッセージなんです。紙が降ってくる時の様子もきれいなので、ぜひ観てほしい」と付け加えた。

そしてデイブ、ウォーレンを演じている4人に向けて、本作をどんな人に観てほしいかという質問がされると、斎藤は「デイブ、ウォーレンは夢という大きなテーマについて自分探しをしている2人です。ウォーレンが『夢って別にそこまではっきりしていなくてもいいじゃん』と言っていたように、自分の夢を探さなきゃいけないと一生懸命になってる人は『もうちょっと肩の力を抜いていいんだ』と思ってもらえたら…」と語った。

小池は「瑠希ちゃんが言ってくれたように、僕たちが演じているのは「夢追い人」です。夢はいくつになってもあると思うんですけども、貪欲さは10代ならではのものだと思っています。あー、自分こうだったなぁ、やっぱりこの時の貪欲さを今も欲しいなと感じてもらえる役だと思うので、この作品を見て明日から頑張ってみようかな、みたいな気持ちになっていただけたら、すごくいいんじゃないかなと思っております」とコメント。

Wキャストの浜崎は「ソングスルーミュージカルということで、たくさん歌が出てきます。あんまり観劇をしたことがない人でも、あぁ楽しい歌だなぁという感じたり、感情移入できる歌だなぁと気軽に見ていただけたらいいなと思っています。1人で来るのが怖いと思っている方でも、劇場に足を運んでいただけたら…」語った。

中本は「どんな人に観てほしいかというのは、皆さんが言ってくださったので、作品を観てどう感じてほしいかということを言いたいと思います。この作品は一つひとつ流れてしまいそうな出来事でも繊細に捉えてストーリーが展開していきます。作品を観ることで、今まで感じなかったことに一歩踏み出して興味を持ってもらえたら、すごく価値観が変わると思います。ぜひ劇場から1歩足を踏み出したときに、何か1つ毎日を彩れるものを自分の中で感じ取ってもらえたらと思います」と熱く語った。

そして歌とはどのような存在か、との質問がされると、中本が「歌なしでは生きていけてないので、歌は人生と共にあるもの」といえば、浜崎も「歌に出会ったから、私は舞台に立ちたいという夢を持てました。今回のミュージカルを通して歌って無限大だなと思い、より歌が好きになりました」と笑顔で語った。

小池は「祖父母の家にカラオケがあったので、2歳位の時からマイクを持っていました。ずっとそばにあるもの」といい、斎藤は「歌がないことは想像できないほど、大切なもの」と語った。

一方で夢咲は「宝塚歌劇団出身なので、音楽学校に入ったとき、歌だけでなく、ダンス、お芝居、日舞などを習いましたが、全てその人自身があらわれると感じました。同じ歌でも、歌う人によって全然違うものになるので、これからも戦って磨いていかなくてはいけないもの」とし、相葉も「僕にとって歌は挑戦。常に僕の前に立ちはだかっているのが歌という壁なので、乗り越えなければならないもの」と真剣なまなざしで語った。

最後に相葉から「2月12日(日)まで上演しています。リピーターチケットもありますので、ぜひお越しいただけたらと思います!」という力強いメッセージで、特別カーテンコールは終了した。

東京公演は同劇場で12日(日)まで。2月18日(土)には、COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて、大阪公演が行われる。

取材・文・撮影(特別カーテンコールのみ)咲田真菜
舞台写真:オフィシャル提供

オフ・ブロードウェイミュージカル『Ordinary Days』

東京公演
■公演日程:2023年2月8日(水)~2月12日(日) 
■会場:俳優座劇場
■チケット料金:全席指定 11,000円

大阪公演
■公演日程:2023年2月18日(土)
■会場:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
■チケット料金:全席指定 11,000円

■公式サイト:https://ordinarydays.jp/

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この記事を書いた人

国家公務員・一般企業勤務を経てフリーランスのライターになる。高校時代に観た映画『コーラスライン』に衝撃を受け、ミュージカルファンとなり、以来30年以上舞台観劇をしている。最近はストレートプレイも積極的に観劇。さらに第一次韓流ブームから、韓流ドラマを好んで視聴。最近のお気に入りはキム・ドンウク。

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