映画『藁にもすがる獣たち』チョン・ドヨン&チョン・ウソン 大金を巡り欲望をむき出しにする”獣”を好演

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2021年2月19日(金)、映画『藁にもすがる獣たち』が公開されます。

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©曽根圭介/講談社

曽根圭介による同名の犯罪小説が原作で、金に取り憑かれ、欲望をむき出しにした人々が激しくぶつかり合う様を描いた本作を、『犯罪都市』『悪人伝』の製作陣が、韓国映画界を代表する豪華キャストによって映画化しました。

自らの過去を清算しようとする女に『シークレット・サンシャイン』で第60回カンヌ映画祭主演女優賞に輝く名女優チョン・ドヨン、恋人が残した借金に苦しむ男に『アシュラ』『私の頭の中の消しゴム』のチョン・ウソン、大金の入ったバッグを拾った男を『スウィンダラーズ』のペ・ソンウが演じるほか、『王宮の夜鬼』のチョン・マンシク、『MASTER/マスター』のチン・ギョン、『コンフィデンシャル/共助』のシン・ヒョンビン、『感染家族』のチョン・ガラム、さらに『ハウスメイド』で国内の賞を総なめにした国民的女優ユン・ヨジョンらが集結。大金を巡って二転三転する予測不能の展開が観客を魅了し、本国では興行収入ランキング初登場第1位を記録したクライム・サスペンスです。

【あらすじ】

失踪した恋人が残した多額の借金を抱えて金融業者からの取り立てに追われるテヨン(チョン・ウソン)、暗い過去を精算して新たな人生を歩もうとするヨンヒ(チョン・ドヨン)、事業に失敗してアルバイトで必死に生計を立てているジュンマン(ペ・ソンウ)、借金のために家庭が崩壊したミラン(シン・ヒョンビン)。ある日、ジュンマンが勤め先のロッカーの中に忘れ物のバッグを発見する。その中には10億ウォンもの大金が入っていた。地獄から抜け出すために藁にもすがりたい、欲望に駆られた獣たちの運命は――。果たして最後に笑うのは誰だ!?

目次

チョン・ドヨンが美しいクズ女、チョン・ウソンがダメ男を好演

人生をやり直したいと恋人の前から姿を消したヨンヒ(チョン・ドヨン)、恋人・ヨンヒの借金を図らずも抱えてしまい、残酷な取り立て屋に追われるテヨン(チョン・ウソン)、親から譲り受けた店を潰してしまい、認知症の母親を抱え、アルバイトをしながらギリギリの生活を送るジュンマン(ペ・ソンウ)、詐欺で借金を抱え、夫の暴力に耐えるミラン(シン・ヒョンビン)。

人生の崖っぷちで、もがきながら毎日を送っている4人が、ふとしたことで大金を目の前にし、人が変わったように金に執着していく様を描いていきます。

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中でもヨンヒを演じるチョン・ドヨンの堕落したクズ女ぶりが妖しい魅力を醸し出しています。荒んだ生活を送っていることが全身から漂っているのに美しい。そんなヨンヒに人生を引っ掻き回されながらも、突き放すことができないテヨンのダメ男ぶりをチョン・ウソンが見事に演じています。

大金を巡り、4人の物語が交錯

ボストンバッグに入った大金が、最終的に誰のもとに渡るのか。物語のポイントはそこに絞られていきます。

借金を抱え、夫の暴力に耐えているミランを助けたい、アルバイトとして真面目に働いているのに年下の店長にバカにされているジュンマンを救いたい…。物語が進んでいくにつれ、それぞれ応援したくなる人が出てくると思います。

しかし大金を手に入れるということは、たやすいことではありません。ましてや出所の分からないお金はなおのこと。物語は二転三転し、登場人物それぞれにあっと驚く困難が待ち受けています。

最後に大金を手にするのは誰なのか。果たしてその人物も、本当に大金を自分のものにできるのか。

お金を巡って見せる人間の本性に深いため息をもらすことでしょう。

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まとめ

脚本・監督を手掛けたキム・ヨンフン監督は、本作で長編デビューを飾りました。「悪魔たちが集い、荒れ果てつつあるこの現代社会の断面図を、本作を通して見せたかった。」と語っています。

まさに大金を手にしようと必死になる様は、悪魔そのもの。お金はあるにこしたことはないけれど、同時に身を滅ぼすものなのかもしれないと、背筋が寒くなる作品でした。

文:咲田真菜

『藁にもすがる獣たち』

出演:チョン・ドヨン、チョン・ウソン、ペ・ソンウ、チョン・マンシク、チン・ギョン、
シン・ヒョンビン、チョン・ガラム、ユン・ヨジョン
原作:曽根圭介「藁にもすがる獣たち」(講談社文庫)
監督・脚本:キム・ヨンフン 製作:チャン・ウォンソク『悪人伝』『犯罪都市』
撮影:キム・テソン『神弓-KAMIYUMI-』 編集:ハン・ミヨン 音楽:カン・ネネ
2020年/韓国/カラー/シネマスコープ/5.1ch/109分/韓国語
原題:지푸라기라도 잡고 싶은 짐승들/英題:BEASTS CLAWING AT STRAWS/レイティング:G
日本語字幕:福留友子
配給:クロックワークス
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