相葉裕樹インタビュー【インタビューVol.33】「見たことがないものを皆さんに弾けてお届けしたい」

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相葉裕樹インタビュー【インタビューVol.33】「見たことがないものを皆さんに弾けてお届けしたい」

2025年3月21日(金)~ 3月30日(日) 東京・I’M A SHOW(アイマショウ)にて、ハジケ・る ポップコーン一座『テイ・る オブ ナイトメア』~不思議の国の給仕係~が上演される。

本作は、ファンタジー世界で紡がれる「愛」をテーマにしたオムニバス演劇となる。

物語は3つのオムニバスストーリーと導入となるオープニング&エンディングで構成される。全く違う3つのオムニバスストーリーとなるため、出演者たちはさまざまな重要キャラクターとして登場。時にはサイコパスな殺人犯であり、時には身分違いの恋に身を焦がす青年であり、ミュージカルもある。

日替わりゲストのアリスを迎えて送るオープニング「不思議の国の給仕係」&日替わりのエンディングを手掛けるのは、大倉孝二と共に「ジョンソン&ジャクソン」でも活躍するブルー&スカイ

猟奇的な殺人をおかした青年を描くコント「悪魔との面会」を手掛けるのは、お笑いコンビ「かもめんたる」の岩崎う大

そして 15 世紀頃のルーマニアで生きる切ないヴァンパイアのミュージカル「ルシアン」を手掛けるのは池田テツヒロ

冒険コント全寮制の魔法学校で魔法使いを目指す男子たちを描いた「とけろ魔法」を手掛けるのは、「空気階段」の水川かたまり。演劇界大注目の豪華作家陣による共作は大きな見どころとなるだろう。

演出は劇団「拙者ムニエル」に旗揚げより参加して以降、看板俳優として全ての公演に出演するほか、脚本や演出、映画監督、絵本製作と幅広い活動を見せる加藤啓が手掛ける。

主演を務めるのは、ミュージカル『レ・ミゼラブル』、『アナスタシア』、『ダンス・オブ・ヴァンパイア』などミュージカルを中心に様々な舞台に出演し、アニメ「銀河機攻隊 マジェスティックプリンス」、ゲーム「ディズニー ツイステッドワンダーランド」など映像や声の仕事でも幅広く活躍している相葉裕樹

共演に須賀健太、丘山晴己、横山賀三、村上純、坂田聡、オレノグラフィティ、紫吹淳が決定している。

このたび本格的な稽古に入る前の2月上旬に、主演の相葉裕樹さんに合同インタビューをする機会に恵まれた。今回の作品にかける意気込みについて語ってくださった。

相葉裕樹

――本作品に出演しようと思われた理由についてお聞かせください。

相葉裕樹(以下、相葉):る・ひまわりさんから「相葉さんが主演の作品を作りたい」というお話をいただき、僕がコメディー作品が好きだということもあって、いろいろなストーリーで見てみたいというところからスタートしました。奇才と呼ばれているクリエーターの方々が集まってオムニバスで作品を作っていくことになり、本当に楽しそうだし、見たことのない世界が広がりそうな気がしていて、とてもワクワクしています。

――これまで、相葉さんはいろいろな作品にご出演されていますが、初めての世界観ですね。

相葉:そうですね、池田テツヒロさんとは何度かご一緒していますが、(岩崎)う大さん、(水川)かたまりさん、ブルー&スカイさんは本当に初めましてです。う大さんのかもめんたるさんやかたまりさんの空気階段さんのコントもすごい好きで拝見してましたので、すごく光栄だなと感じております。

――演出の加藤啓さんとはお話をされましたか?

相葉:啓さんは演出家でもありながら役者でもあるので、演者の気持ちを聞いてくださるタイプの演出家さんで『もえ・る剣』の時に第二部を監修されている姿を見て感じていました。役者に寄り添いながらも自分のやりたい世界観を的確に丁寧に伝えられてるのと同時に、啓さんの優しさも感じたので、温かい稽古場になるんだろうなと思っています。

――共演者の皆さんと楽しみにしていることはありますか?

相葉:初めましての方が、須賀健太さんです。須賀さんが出演してくださるのを知って「出てくださるんだ!」と正直びっくりしました(笑)。紫吹淳さんもそうですし、本当に豪華なキャスト陣が集まりました。初めましてという出会いの楽しみもあれば、坂田聡さんや村上純さんとは、舞台『ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック』という舞台で共演して以来、12年ぶりになります。僕がコメディーを好きになったきっかけの作品でもあったので、またこうやってご縁が巡ってきて、とても楽しみですね。

――須賀さんの出演を聞いて「出てくださるんだ」とびっくりしたというお話がありましたが、須賀さんに対してはどういうイメージを持たれていましたか?

相葉:須賀さんは、舞台出演のほか、演出もされていますが、僕の中ではドラマ『人にやさしく』のイメージがすごく強いです。年齢は僕のほうが7歳ほど上ですが、芸歴でいうと大先輩です。スタッフから「須賀さんに出演を依頼しています」と聞いた時に、出てくださるのかな??と思っていたのですが、決定しましたと聞いて「マジ?」と反応してしまいました(笑)。

相葉裕樹

――ゲスト出演者とのからみで楽しみにしていることはありますか? 

相葉:お友達が集まったなという感じなので、間違いなく良い空気感でできると思っています。

――どんなことをやってみたいですか?

相葉:ええっ! どうだろう…?

やっぱり新たな扉を開けられたらいいなとは思っていますし、多面性のあるものを届けられたらと思っています。脚本家さん個々の色が強いので、演者は結構大変かもしれませんが、それが逆に楽しみです。

あと、チームワークというんですかね。その辺は啓さんについていったら、きっとまとまっていくだろうなと思います。村上さんや坂田さんがいらっしゃるので、しっかりと笑いを取れるところは取ってくださると思っているので、そこは安心感がありますね。

相葉裕樹

――本作は、独特のビジュアルが印象的ですね。

相葉:「不思議の国のアリス」や「チャーリーとチョコレート工場」の世界観のような衣裳を用意していただきました。似合うかどうかすごく不安だったんですけど、思いのほか似合ったな…と。こんな大きなシルクハットを被ることはなかったのですが、写真にすると意外にいいじゃないかって思いました(笑)。

皆さんも個性豊かなコスチュームで、これだけで絶対面白いだろうなっていうビジュアルができたというのは、本当にありがたいと思います。ただ実際の舞台では、全くこの格好で登場しないのが不思議なところなんですけど(笑)。これでいいんじゃない?というキャラクターもいるんですけどね。

――ビジュアル撮影時に相葉さんはどんなことを意識されましたか?

相葉:こういう衣裳だったので、みんなを牛耳っているイメージを出そうと思い、ミステリアスな感じにしてみました。ボブ・フォッシー氏の振りを意識して、ポーズをとってみました。

相葉裕樹

――今日は早朝にMV撮影をされたとのことですが、寒い中衣装を1枚ずつ脱いでいったとか?

相葉:1枚ずつ衣裳を脱いでいって最終的には裸足になり、海辺に行きました。朝6時からの撮影だったので、寒かったですね。

MVを撮ってもいいですかというお話をる・ひまわりさんからいただいたのが、1週間前ぐらいなんです。そこからすごいスピード感で収録をしたなっていう感じです。こんなスピード感でできるんだ、すごい!って思いましたね。

――MV撮影の後にレコーディングもされたということですが、どのような曲に仕上がっていますか?

相葉:啓さんが「舞台俳優あるある」みたいなものを歌詞にしてくださいました。「僕のせりふが飛んだら、周りの人のミスに見えますように」とか、確かにちょっと思いますよね(笑)。楽しいことは前のめりでやってしまうので、よい感じの仕上がりになっていると思います。

相葉裕樹

――どんな笑いが巻き起こるのか期待値が上がる一方で、この作品は愛がテーマです。相葉さんにとって愛とは?

相葉:愛って何なんでしょうね…。難しいですよね。愛ってすごく素敵なものという風にも捉えられるんですけれど、その一方で愛があるから憎しみが生まれる面もあります。今回もそれぞれの作家さんたちは、「愛っていいよね」という側面だけじゃないところを切り取ってきます。歪んだ愛もあるし、利己的な愛もあるし、それこそサイコパス殺人犯っていうのもあるし…。

愛に狂ったりすると、そういうものを飛び越えてしまう何かがあって、普段の自分じゃなくなっちゃいます。本当に魔力がありますよね。

――今回は、そういったさまざまな側面をオムニバス形式で観られる楽しみがありますね。

相葉:コメディーが好きな方ももちろん楽しめますし、池田テツヒロさんが描く切ないミュージカルもあるので、コメディーファンもミュージカルファンも楽しめると思います。もちろんずっとる・ひまわりさんを観られている方も楽しめる作品になると思います。

ゲストが本当に心強い方々が集まってくださって、1日限りの舞台になります。それって贅沢ですし、舞台の空気感が変わってくると思います。ゲストの方が重要なところを担うと考えていますので、楽しみにしていてください。

――公演に向けてメッセージをお願いします。

相葉:このビジュアルを見ていただけたらお分かりのとおり、おもちゃ箱というか福袋のような、いろんなものが詰め込まれています。笑いだけじゃなくて、ちょっと切ないミュージカルもあります。

愛がテーマになっていますので、それぞれの作家さんが書く愛の解釈を僕たちが届けられたらと思います。どんなものが生み出されるか分からないですけど、『ハジケ・る ポップコーン一座』という座組ですので、見たことないぐらいのものが皆さんに弾けてお届けできたらなと思います。

取材・文・撮影:咲田真菜
スタイリスト:中村剛(ハレテル)
ヘアメイク :中元美佳

相葉裕樹

相葉裕樹(あいば・ひろき)プロフィール

1987年10月1日生まれ、千葉県出身。2004年映画デビュー。2005年ミュージカル『テニスの王子様』不二周助役で初舞台。2009年「侍戦隊シンケンジャー」池波流ノ介/シンケンブルー役で人気を博す。『アナスタシア』『CROSS ROAD』『レ・ミゼラブル』『タイタニック』『ダンス・オブ・ヴァンパイア』『HEADS UP!』などミュージカルを中心に様々な舞台に出演。アニメ「銀河機攻隊 マジェスティックプリンス」、ゲーム「ディズニー ツイステッドワンダーランド」など映像や声の仕事でも幅広く活躍している。

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ハジケ・る ポップコーン一座 『テイ・る オブ ナイトメア』~不思議の国の給仕係~ 公演概要

日程:2025 年3 月21 日(金)~3 月30 日(日)
会場:I’M A SHOW

脚本:岩崎う大(劇団かもめんたる)、池田テツヒロ、水川かたまり(空気階段)、ブルー&スカイ
演出:加藤啓
音楽:オレノグラフィティ

出演:相葉裕樹、須賀健太、丘山晴己、横山賀三、オレノグラフィティ、村上純(しずる)、
坂田聡(ジョビジョバ)、加藤啓、紫吹淳

日替わりゲスト:伊藤裕一、広井雄士、前川優希、鯨井康介、松田岳、spi、村井良大、上口耕平、平野良、内藤大希(出演日順)

チケット料金:12,000 円(全席指定) チケット発売日:3 月9 日(日)AM10:00

オフィシャルHP:http://tale-of-nightmare.com/

お問い合わせ:る・ひまわり info@le-himawari.co.jp
主催:る・ひまわり

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この記事を書いた人

国家公務員・一般企業勤務を経てフリーランスのライターになる。高校時代に観た映画『コーラスライン』に衝撃を受け、ミュージカルファンとなり、以来30年以上舞台観劇をしている。最近はストレートプレイも積極的に観劇。さらに第一次韓流ブームから、韓流ドラマを好んで視聴。最近のお気に入りはキム・ドンウク。

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