桑原柊、畠山理温インタビュー 舞台『アオペラ』にかける想いとは?【インタビューVol.27】

左から 桑原柊 畠山理温

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2024年11月8日(金)~11月17日(日)シアターHにて、舞台『アオペラ』が上演される。本作は2021年3月に始動した、「青春」×「アカペラ」というコンセプトで声優陣による本格的なアカペラ歌唱を楽しめる音楽原作プロジェクト「アオペラ -aoppella!?-」の舞台版。脚本・演出・作詞は、数々のヒット作品を手掛ける演出家・元吉庸泰、音楽は音楽監督・作編曲家・演奏家として幅広いジャンルで活動する桑原まこが担当する。

歌唱力に優れたバラエティ豊かなキャスト陣を迎え、生のアカペラを舞台上で披露し、アカペラに懸ける高校生たちの物語を描いていく。

このたび本作で紫垣明役を務める桑原柊と、四方ルカ役を演じる畠山理温にインタビューを実施した。舞台稽古が始まる前の意気込み、そしてインタビュー直前に公開された舞台オリジナル楽曲「響」のPV撮影秘話についてざっくばらんに語っていただいた。

――本作に出演が決まった時のお気持ちをお聞かせください。

桑原柊(以下、桑原)今回初めての2.5次元舞台の出演となります。最初は出演できると思っていなかったし、出演が決まった後もどうすればいいのか、わからない状態でした。出演できるのはすごく嬉しいんですけど、2.5次元とアカペラ、ダブル初挑戦への不安もあったんです。でも受け入れてくださったことに感謝して飛び込むしかない!ーと思いました。いろいろ「アオペラ」について調べていく中で、すごく愛されている作品だなということと、自分が演じる紫垣 明という役への愛着がわいてきました。

畠山理温(以下、畠山):出演が決まったときは、人生初めての舞台とアカペラなので、すごいワクワクしました。歌唱稽古が始まると様々なことを実感し、頑張らなければ…と改めて気が引き締まりました。

――アカペラに対してどういうイメージを持っていましたか?

桑原:全く触れたことがない分野で、たまにテレビで見たりすると「どういうこと?」と思い、同じ人間とは思えないようなことをやられてるなというイメージでした。僕はミュージカルへの出演経験はありますが、アカペラは全然別物です。まずは楽譜をもらった時「歌詞じゃない!」と思ったんです。「ドゥアップ」とか「トゥトゥ」とか、そういうのも結構入ってくるので、自分の知っている領域の歌とは別次元だなと感じましたね。

畠山:テレビで見たことがありますが、歌っている人がすごく楽しそうというイメージがありました。実際にやってみたら本当に楽しかったです! みんなで合わせたときの瞬間は、何にも変えられないものがありますね。

左から 桑原柊 畠山理温

――全体のお稽古はこれから(取材日は9月下旬)ということで、現時点でどのように役を演じていこうと思っていますか?

桑原:僕が演じる紫垣 明は、博愛精神を持っていて女の子も好きで、ムードメーカー。風紀委員の猫屋敷 由比(演:坂田隆一郎)にいつも怒られている役なんです。女の子が大好きで風紀を乱すというと一面を持っていますが、彼は熱くて優しい心の持ち主です。女の子を笑顔にしたいという気持ちや、みんなで一緒に幸せになろうとか、困っている人に対して手を差し伸べるという情に熱いところがあります。おちゃらけているように見えて、仲間思いなところがすごく魅力的なので、彼の優しさとか人と関わるのが大好きな面は、決して崩したくないと思ってます。

畠山:僕が演じる四方 ルカは微笑み王子で、僕自身とは真逆なんです。「真逆すぎるから王子様系のドラマや映画を見て学びなさい」とアドバイスをいただきました。ルカとは共通点が本当にないんですよ。だから、今までやったことがないものになれるという楽しみやワクワクがあります。ルカに対して「なんでそんなことができるの?」とうらやましく思いますし、微笑み王子は、なりたかったけどなれなかったものなので、憧れとリスペクトを持って演じようと思います。

桑原:ルカくんは内向的で、中からにじみ出るキラキラ感があるんですよ。

畠山:そう! それです。(一同笑)。

桑原:笑顔を振りまくキャラクターはどっちかというと僕が演じる明で、ルカは本当に完成されたビジュアルだけど内向的なので、本当に畠山くんとは違うんです(笑)。畠山くんはフレンドリーで人懐っこいから…。

左から 桑原柊 畠山理温

畠山:ありがとうございます! だから本当にルカの気持ちがわからないので、難しいですね。僕の友だちに、すごいビジュアルが整っていて背も高い子がいるんです。打ち解けたらよく笑ってくれるんだけれど、とにかくシャイなんです。彼だったらルカの気持ちがわかるかも…(一同笑)。彼に聞いてみようかな。

――今回お二人は初共演ということで、お互いの印象について語っていただけますか?

桑原:人懐っこくて明るくて、場を明るくする天才だと思いますね。どこにいてもしゃべっているか歌っているかという感じで人柄の良さが出てると思います。人見知りも全くしないタイプですよね。

畠山:僕は共演する前から一方的に桑原くんを知っていましたが、実際会った印象は本当に優しくて、僕を全部受け入れてくれました。それがとにかくうれしかったです。

――明が所属するアカペラグループ「FYA’M’(フェイム)」、ルカが所属する「リルハピ」それぞれのグループの雰囲気についてお聞かせください。

桑原:僕たちフェイムは、リルハピの先輩グループにあたるので、アカペラの楽しさややり方を教える立場なんです。アットホームな雰囲気の中にも「失敗はできないぞ!」という気持ちを持ってやっています。リルハピには負けないとか、リルハピよりもいいものを見せてリルハピが感化されなきゃいけないね…という話はしています。僕たちが上手くできなければ、お話が成り立たないという緊張感とプレッシャーはあります。平均年齢もリルハピと比べて若干高いので、お兄さんチームみたいな感じの心構えを持って稽古してます。

畠山:リルハピのメンバーは舞台経験が豊富でプロフェッショナルな方ばかりで、僕だけが経験が少ないんです。僕が失敗しても「大丈夫」「もう一回やろう」と、皆さんが助けてくださる、とても良い雰囲気のグループです。

――オリジナル楽曲「響」のPVが公開されています。とても良い曲ですが、撮影はいかがでしたか?

桑原:僕は初めて音楽担当の桑原まこさんとお仕事をさせていただいていますが、何でも安心して質問ができる人だと思いました。レコーディングの時も歌ったらとても褒めてくださって、その上で「他の人と合わせるために、こういうニュアンスで歌ってみてほしい」と具体的なアドバイスをくださるので、すごくやりやすかったです。

畠山:桑原まこさんは、人に応じて適した教え方をされる方だなと思いました。桑原さんは楽譜が読めない僕に合った教え方で、いろいろ説明してくださいました。例えばドレミファソラシドで言うのではなくて「(手を上げながら)ここら辺の音だと思って歌ってみて」と言ってくれました。それが僕にマッチして、スコーンと音が取れたので、すごくわかりやすかったです。

――PVの撮影はどのぐらいの時間をかけたんですか?

桑原:タイトなスケジュールで2日間に分けて撮影しました。リルハピとフェイムのメンバー、ビートボックスのRyoTracksさんを合わせると12人になるので、1人30分程度で撮影する感じでした。

畠山:僕は2日目の最後の時間でした。最年少だし未経験者なので最初に撮影するのかな…と思っていたのに、なぜ最後なんだろう…? と思っていたんです。当日タイムテーブルをしっかり見たら、なんと僕のあとに予備の時間がとられていて、計2時間用意されてたんですよ! 「僕、30分で終わらせますよ。どれだけ練習してきたと思ってるんですか」とスタッフさんに言ったんですが、2時間びっしり使いました(一同笑)。それなのに(桑原)まこさんが最後まで付き合ってくださって…。

桑原:でも、だからこそ最高のテイクが撮れたからね。

畠山:そうです! 結果オーライだと言いたいです!

左から 桑原柊 畠山理温

――本作は高校生の部活動を通したキラキラした物語になりそうですが…?

桑原:本当にキラッキラッしてます。僕は高校時代、仕事の関係もあって部活動をしていなかったんです。あまり味わえなかった青春をこの作品で味わっています。

畠山:僕は1年半前まで高校生だったので、高校生を演じる上で感覚は鈍っていないと思いますが、高校生同士のじゃれ合いや笑い要素が結構多い作品になるかもしれません。

桑原:アカペラだけじゃなくてお話自体もお楽しみいただける、明るい作品です。

――本作でご自身のどんなところを見てほしいか、アピールポイントを教えてください。

桑原:僕は歌を小さい頃からやってきて大好きということもあるので、歌を楽しみながらも、紫垣 明という役の軸から外れないようにするのを課題としています。紫垣 明として歌うアカペラ、そして『アオペラ』の雰囲気を体験していただけたらと思います。

畠山:今の時点ではどうやって頑張っていこうと模索している最中なんですけど、本番には必ずものすごいものをお見せできる自信があるので楽しみにしていてください。初舞台ですけど「舞台って楽しい!」と思いながら、今臨んでいます。

取材・文・撮影:咲田真菜

左から 桑原柊 畠山理温
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舞台『アオペラ』公演概要

公演日程:2024年11月8日(金)~11月17日(日)
会場:東京・シアターH
チケット価格:11,000円(税込/全席指定)

原作:アオペラ -aoppella!?-
脚本・演出・作詞 :元吉庸泰 / 音楽:桑原まこ / アカペラ監修:とおるす
主催:aoppellastage project

【Cast 】
(都立音和高校:リルハピ)
鈴宮 壱 役 長江崚行 
丹波 燐 役 手島章斗
雁屋園道貴 役 宮島優心(ORβIT)
四方ルカ 役 畠山理温
宗円寺雨夜 役 磯野亨 /

私立奏ヶ坂中学高等学校:FYA’M’(フェイム)
是沢舞斗 役 佐奈宏紀
綾瀬光緒 役 星元裕月
紫垣 明 役 桑原柊
宗円寺朝晴 役 内田将綺
猫屋敷由比 役坂田隆一郎 
深海ふかみ 役常盤みつる /

都立音和高校:生徒会書記
辻堂颯太 役 眞嶋秀斗

アンサンブル 一条俊輝 大平祐輝 木谷圭嗣 成海亮 溝口悟光
ビートボックス RyoTracks シンセサイザー&マニュピレーター TaiseiToda

Story:
都立音和高校に通う、普段はのんびりとした性格の男子高校生・鈴宮 壱。友人の丹波 燐・宗円寺雨夜と観に行った野外ライブでアカペラと出会い、今まで感じたことのなかった衝動に駆られる。僕も歌いたい―。一念発起した壱は、クラスメイトで生徒会書記を務める辻堂颯太に相談し、アカペラ部創設に協力してもらうことに―友情・音楽がまぶしく交差する青春群像劇開幕!

オリジナル楽曲「響」
作詞:元吉庸泰
作曲:桑原まこ
アカペラ監修:とおるす
MIX:中山太陽

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この記事を書いた人

国家公務員・一般企業勤務を経てフリーランスのライターになる。高校時代に観た映画『コーラスライン』に衝撃を受け、ミュージカルファンとなり、以来30年以上舞台観劇をしている。最近はストレートプレイも積極的に観劇。さらに第一次韓流ブームから、韓流ドラマを好んで視聴。最近のお気に入りはキム・ドンウク。

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