一之瀬優、本西彩希帆、鈴木夢出演 ひとときの舞台『チャーリー』初日前会見&ゲネプロレポート

左から 本西彩希帆、一之瀬優、鈴木夢

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2024年9月12日(木)~9月16日(月・祝)銀座 博品館劇場にて、ひととき(人と木、ひと時)の舞台『チャーリー』が上演される。

本作は、林業からSDGs、環境について考える作品製作を目指し始動した「環境×演劇」プロジェクトで、持続可能な未来を共創する舞台劇として、子どもたちの力で世界を変える冒険と希望の物語を描いていく。人間は自然の敵なのか仲間なのか、人間と自然の共存について問いかける作品となる。

脚本は舞台『淡海乃海』シリーズほか、多くの人気作品で活躍中の西瓜すいか、演出は『ティアムーン帝国物語THESTAGE』などに携わってきた石毛元貴が担当。

主演・カイ役にダンスボーカルユニット「CUBERS」(キューバーズ)の活動を経て、舞台『ぼくらの七日間戦争 2022』など舞台を中心に活躍している一之瀬優(いちのせ・ゆう)、ヒロイン・ミラ役は、ミュージカル『薄桜⿁ 志譚』雪村千鶴役ほか、2.5次元舞台で活躍中の本西彩希帆(もとにし・さきほ)が務める。

カイとミラに深く関わっていくリリ役には、バラエティ番組やドラマ、舞台など挑戦を続ける鈴木夢(すずき・ゆめ)、さらに歌舞伎俳優としての活躍の傍ら、多くのドラマや映画など話題作に出演する尾上松也(おのえ・まつや)が木の精霊・チャーリー役(声の出演)を演じる。

初日に先駆けて、初日前会見とゲネプロ(公開通し稽古)が行われたので、その模様をお伝えしよう。

――初日を迎えた気持ちをお聞かせください。

一之瀬優(以下、一之瀬):初日、誰一人かけることなく、怪我なく、この初日を迎えられることが本当に嬉しいです。

本西彩希帆(以下、本西):初日を誰一人かけることなく迎えることができ、全員で力を合わせて頑張っていきたいと思っています。

鈴木夢(以下、鈴木):初日を迎えられてすごく嬉しいです。この作品がいろんな方に届くよう、精一杯頑張ります。よろしくお願いします。

――舞台をご覧になる方へ、ここを見てほしいというアピールポイントをお聞かせください。

一之瀬:アンサンブルさんがすごくかっこいい動きや素敵な動きをされています。木の精霊のダンスや戦争のシーンが見どころだと思います。

本西:一之瀬さんもおっしゃいましたが、アンサンブルの皆さんが舞台上を縦横無尽に駆け回っています。そこがすごくこの作品を支えてくださっている根っこだと思うので、皆様に楽しみにしていただけたらと思います。個人的には松岡拓弥さんが演じているミラの唯一の親友・エッグの繊細な動きや可愛い動きをぜひ楽しみに見ていただけたらと思っています。ちょっと難しいテーマだと思って「見に行こうかな、どうしようかな」って悩んでいる方もいると思うんですけど、分かりやすく皆様にお伝えできるように全員頑張ってきたので、そこも見どころになったら嬉しいです。

そしてやはりチャーリーです! 私を育ててくれたイチョウの木の精霊なんですけど、尾上松也さんが声をあててくださって、すごく温かくて包み込んでくれるような尾上さんの声と一緒に芝居ができるのがすごく楽しかったです。この作品を支えてくださっている一部なので、楽しみに来てくださったら嬉しいです。

鈴木:アンサンブルさんが動いてくださっていてすごいなというところを見てもらいたいですし、衣装が可愛いです。まだまだ暑いですが、秋らしい色合いで全部可愛いなって思うので、そこを見てほしいです。私が演じるリリは、言葉の影響力を恐ろしく感じてうまくしゃべれなくなってしまうんですけど、リリが人や自然と関わって変化していく様子をぜひ見てほしいです。

――この作品は環境保護と子どもの自立をテーマに、今の自分を大切に、慈しみ、愛を育てる願いが込められています。それにちなんで、最近大人になったと感じることを教えてください。

本西:お年玉をあげる側になったときに大人になったんだなと思いました。甥っ子と姪っ子がいるんですけど、上の甥っ子が小3で9歳なので、20歳の頃からお年玉をあげていたかも…って感じです。

鈴木:今月末に18歳になるので大人になったと思うのと、車の免許が取れる年齢になったのはすごく大きいと自分の中で感じています。舞台が終わって落ち着いたら教習所に行こうかなって思ってます。実はすでに小型重機のショベルカーの免許を持ってるんですよ。災害支援のお手伝いをしようと思い、16歳の時に取りました。

一之瀬・本西:えー、そうなんですか!

鈴木:そうなんですよ~。だから運転は自信があるので、早く乗りたいです。

一之瀬:僕は人の意見を素直に聞けるようになったところです。4月からフリーランスで活動をしているのですが、事務所に入らずに活動していると人と打ち合わせをしたり、やりとりをしたりする機会がすごく増えました。そういうことをやってるとちょっと大人になったな…と感じています。事務所に入っていたときは自分でやりとりする機会はなかったので、意見を言えるようになったし大人になってきたかな…みたいな気持ちになります。

――最後に作品を代表して一之瀬さんからメッセージをお願いしたいと思います。

一之瀬:この作品は環境問題を題材にしていますが、難しいと壁を作る必要は全くないです。子どもから大人まで分かりやすい、いい作品だと思うのでぜひ多くの皆さんに舞台を観に来ていただきたいです。初日を誰一人欠けることなく迎えられたので、事故なく、怪我なく、全員でやりきれるように頑張っていきますので、 皆さん応援よろしくお願いいたします。

ここからはゲネプロの模様をお伝えしよう。

STORY 

森に住む少女ミラ(本西彩希帆)は、幼き頃イチョウの木の精霊チャーリー(尾上松也・声のみ)に助け育てられた。彼女は人間と関わることが得意ではなかったが、人間以外の生物と会話ができる特別な能力を持っていた。嵐の夜に一緒だったカエルのエッグ(松岡拓弥)、おしゃべりな渡り鳥のタック(びぃと。)。森の木々や草花、そしてイチョウの木の精霊チャーリーが、彼女の世界のすべてだった。しかし、ひょんなことから大企業の御曹司・カイ(一之瀬優)と友だちになり、ミラの仲間の輪が広がっていく。かき氷売りの兄貴分・ワット(綾切拓也)、カイの父親のヘンス(成松慶彦)、ヘンスの部下のミーレス(柴木丈瑠)と出会い、ミラは徐々に人と関わることができるようになる。ミラはある日、人間の破壊行為に苦しむ森の木々からの声を聞く。そしてカイと共に、破壊を止めるために動き出す。

ミラ、カイ、まだ少年少女でしかない2人が、お互いの大切なもののために歩み寄り、大人たちを、世界を変えていく。

これは小さなふたりから始まる、再生の物語。木を植えるんだ。未来のために。

オープニングで、尾上松也のナレーションで、人と自然が関わってきた歴史について語られる。尾上が声を担当するイチョウの木の精霊・チャーリーは200年にわたって人間の虚勢を眺めてきたという設定だからだ。チャーリーの語りによって、本作がこれから何を描こうとしているのかとても良く理解できると感じた。

一之瀬優、本西彩希帆

物語の舞台となるのは、ラテン語で森を意味するシルワという架空の国で、日本のような気候で島国という設定だ。ミラは事情があって両親と生き別れ、イチョウの木の精霊・チャーリーに森の中で育てられる。ミラは木や動物と話ができるが人間の友だちがいない。チャーリーはそのことをとても心配していたがある日、大企業の御曹司・カイが森を訪ねてきたことで、ミラは人間と関わるようになる。

ミラを演じる本西は、複雑な生い立ちを背負い、少し影のある少女を好演している。チャーリーと話すときは無邪気だが、カイと話すときはつっけんどんになるなど、緩急のある芝居を披露。

カイを演じる一之瀬は、いかにも育ちの良いおぼっちゃんといういで立ちで登場し、心優しく穏やかな少年をはつらつと演じる。何の不自由もないようにみえるが、大企業の社長を務める偉大な父親に対して敬語を使うなど、親子関係に問題がありそうな様子だ。

成松慶彦、一之瀬優

幼い子どもが抱えるさまざまな問題を、ミラとカイも同様に持っている。そんな2人を支えているのが、ミラを小さい頃から見守っているカエルのエッグと渡り鳥のタック、そしてカイの兄貴分で氷売りのワットなのだ。

松岡拓弥、本西彩希帆
びぃと。
綾切拓也

エッグを演じる松岡は、初日前会見で本西がアピールしていたとおり、繊細で時にお茶目な動きを見せるなど、せりふがなく体の動きだけで演じる難しい役をこなしていた。タックを演じるびぃと。は、なんと華やかなこと! 長身に鮮やかな衣装が映えてまぶしく、透き通るような声が魅力的だ。ワットを演じる綾切は、木や動物と話せるミラのことをすぐ受け入れ、誰とでも分け隔てなく付き合える心優しい人物を生き生きと演じる。タックとワットは、ミラとカイの絶対的な味方として重要なポジションを担っているといえる。

そしてもう一つの舞台となるのが、戦闘状態の危機が訪れているルゴア共和国とサクラインだ。こちらも架空の国なのだが、ルゴア共和国は高く険しい山に囲まれ農地が少なく貧しい国。一方でルゴア共和国の隣国となるサクラインは、女性大統領のフェリス(篠原あさみ)が治め、フェリスの部下・トンファ(田中晃平)が支える気候が安定した豊かな国だ。ルゴア共和国を治める独裁者・マルゴ(三浦修)の娘であるリリ(鈴木夢)は、父親の言葉で人々が支配されているのを目の当たりにし、言葉の影響力が恐ろしくなって話せなくなった少女だ。せりふがほとんどないため非常に難しい役どころだが、鈴木は表情豊かに演じている。

田中晃平、篠原あさみ
鈴木夢

木や動物と対話ができるミラが、自然破壊による彼らの悲鳴を聞いたことをきっかけに、なんとかしなければと立ち上がり、カイ、ワットも協力する。子どもにとっては大きすぎると思えるミッションにカイの父親・ヘンスが手を差し伸べるのだが、実は大きなエネルギー源となる奇跡の石を発掘するために自然破壊をしていたのがヘンスだったのだ。カイはショックを受けるが、父親を必死で説得する…。

成松慶彦、柴木丈瑠
三浦修、成松慶彦

本作は、ミラ、カイ、リリの成長だけではなく、過去に負ったトラウマに苦しむ大人たち、ヘンス、マルゴ、フェリスも子どもたちと接することで気付きを得て成長していく物語だ。実際にどこかの国で行われている争いを思わせるシーンもあり、考えさせられる部分が多々ある。美しい楽曲や舞台美術とともに、人間と自然は共存できるのかという永遠のテーマを分かりやすく描いているため、ぜひ多くの人に観てもらいたい作品だ。

取材・文・撮影:咲田真菜

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ひとときの舞台『チャーリー』公演概要

日程:2024年9月12日(木)~9月16日(月・祝)
劇場:銀座 博品館劇場
前売料金:S席 一般8,500円/小中学生5,000円、A席 一般7,000円/小中学生5,000円
(税込・全席指定)
取り扱い:カンフェティ ※未就学のお客様のご来場は不可。

出演:一之瀬優 本西彩希帆
綾切拓也 びぃと。 松岡拓弥 / 鈴木夢 田中晃平 / 柴木丈瑠 三浦修 / 成松慶彦 篠原あさみ
尾上松也(声の出演)
倖聖郎 森勇介 真田真帆 荒木双葉 稲田有梨 大塚優希 鈴木美里 矢上竜誠 藤田倖羽

お問い合わせ:info-charlie@rec-ac.com株式会社レックエーシー ( REC-AC INC. )
公式サイト:https://stage-charlie.com/
公式エックス:@stage_charlie

ひとときの舞台『チャーリー』配信が決定!

<生配信>
9月16日(月)16:00〜終演まで

<アーカイブ配信>
9月20日(金)12:00〜10月3日(木)23:59

配信チケット:3,000円
取扱い:カンフェティ
https://www.confetti-web.com/events/3480

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この記事を書いた人

国家公務員・一般企業勤務を経てフリーランスのライターになる。高校時代に観た映画『コーラスライン』に衝撃を受け、ミュージカルファンとなり、以来30年以上舞台観劇をしている。最近はストレートプレイも積極的に観劇。さらに第一次韓流ブームから、韓流ドラマを好んで視聴。最近のお気に入りはキム・ドンウク。

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