韓国ドラマ『39歳』感想・考察 ソン・イェジン出演ドラマがNetflixで配信スタート

『39歳』(Netflixより)

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先日俳優・ヒョンビンとの結婚を発表したソン・イェジンの最新作『39歳』が、2022年2月16日からNetflixで配信スタートした。共演は、ドラマ『賢い医師生活』(2020年、2021年)に出演するチョン・ミド、韓国ミュージカル界で活躍し、昨今はドラマ出演も多いキム・ジヒョン。40代を目前に迎えた3人の女性たちの友情物語が綴られる。

3人の役どころを簡単に説明すると、韓国でステータスの象徴である江南で皮膚科の院長を務める才色兼備チャ・ミジョを演じるのがソン・イェジン。かつては俳優を目指していたが、現在は演劇学校で講師を務めるチョン・チャニョンを演じるのがチョン・ミド。3人の中でもおっとりしていて恋愛に奥手、デパートで働くチャン・ジュヒを演じるのがキム・ジヒョンだ。

物語の冒頭で、3人が共に過ごす何気ない日々がコメディタッチで紹介される。アラフォーの女性が直面する恋愛や仕事の問題を明るく綴るよくあるパターンなのか…と思いきや、意外な方向性が提示され、驚く。そうか…そういう視点でこの物語を視聴していかなければいけないのかと背筋がピンとなった。

この3人は10代の頃からの付き合いだが、高校の同級生というわけではない。孤児院育ちで養子として育てられたミジョを巡って、偶然出会った関係なのだ。

相手を気遣い、時には遠慮がちになるのが女性同士の友情だが、彼女たちは思ったことを率直に言い合える関係。妻帯者の男性との関係をいつまでも引きずるチャニョンを厳しく叱責するミジュを見ていると、彼女たち3人の信頼の深さがうかがえる。

そして3人の女性たちに関わる男性陣も魅力的だ。ミジョと同じ皮膚科医のキム・ソヌをヨン・ウジン、妻がいるのにチャニョンへの想いを断ち切れない優柔不断な男性、ム・ジンソクをイ・ムセン、ミジュたちが通っていたお気に入りの店が閉店し、そのあとを継いだレストランのオーナー、パク・ヒョンジュンをイ・テファンがそれぞれ演じる。

ミジョとソヌは、「韓国ドラマあるある」でもある数々の偶然が重なり、ただならぬ関係になっていく予感がある。ミジョがソヌに対して発する言葉は、酸いも甘いもかみ分けた大人の女性らしいものが多々あり、ニヤッとしてしまう。

優柔不断なジンソクとの関係が良くないものだと知りながら、ダラダラ続けてしまうチャニョンがどんな結論を導き出すのか。恋愛に奥手なジュヒはレストランオーナーのヒョンジュンと近い関係になれるのか…。やはり恋愛模様も三者三様に描かれていくようだ。

女性同士の友情が継続して続いていくのは、なかなか難しい。お互いに意図しなくても、結婚・出産などで疎遠になったりする。彼女たちのように10代から30代まで途切れることなく付き合いが続く関係というのは稀有なものだし、とても幸せなことだろう。

しかしそんな彼女たちが直面する大きな壁が登場する。意思に反してどうにもコントロールができない運命に向かって、彼女たちがどう行動するのか。同世代の女性だけでなく、すべての人たちが興味を持って観ることができる展開になりそうだ。

文・咲田真菜

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この記事を書いた人

国家公務員・一般企業勤務を経てフリーランスのライターになる。高校時代に観た映画『コーラスライン』に衝撃を受け、ミュージカルファンとなり、以来30年以上舞台観劇をしている。最近はストレートプレイも積極的に観劇。さらに第一次韓流ブームから、韓流ドラマを好んで視聴。最近のお気に入りはキム・ドンウク。

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