髙地優吾(SixTONES)主演×西田征史演出 舞台『ある日、ある時、ない男。』公開ゲネプロ&初日前会見レポート

(左から)西田征史、大野いと、森永悠希、髙地優吾、片桐仁、佐藤仁美、オラキオ(撮影:咲田真菜)

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2025年8月25日(月)より東京グローブ座にて、舞台『ある日、ある時、ない男。』が開幕した。

本作はドラマ「石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー」(22年)や舞台『正しいロックバンドの作り方 夏』(20年)、ミュージカル『SUNNY』(23年)など、多くの作品の脚本や演出を手掛ける西田征史が、完全オリジナルストーリーで描き演出も担当。何をやっても上手くいかない主人公・良介は、SixTONESのメンバーとして音楽活動を行いながら、昨今では俳優としての活躍も目覚ましい髙地優吾が務める。

良介の友人で自称ミュージシャンの直樹役には森永悠希、直樹を懸命に支える恋人たまよ役には大野いと、良介の住む街にやってくる人気マジシャンの信男役にはオラキオ

夢を諦め、現在は良介の住む街で清掃員として働く小百合役には佐藤仁美、ひょんなことから良介と関わりをもつ八木役を片桐仁が演じる。そのほか、根本正勝、宮下貴浩、兒玉宣勝、岡部ひろき、松浦京佳、阿久澤菜々、那須一南、浦田大地、イーグル紅・饗庭梨衣花(Wキャスト)など、個性豊かなキャストが物語を彩る。

初日を控え、公開ゲネプロが開催された。さまざまな人物が登場し、目まぐるしく展開していく群像劇の核心部分には極力ふれずにゲネプロの模様をお伝えしよう。

(撮影:咲田真菜)

物語の冒頭、冴えない表情で登場するのが、主人公の良介(髙地優吾)だ。何をやっても上手くいかない自身の境遇をぼやいている。大切な自転車のサドルまで盗まれてしまい、絶望的な状況だ。髙地はSixTONESのメンバーとして放っているオーラをすべて消し、良介になり切って舞台に立っていた。

(撮影:咲田真菜)

騙されて大量にダイエット食品を購入するなど、人の好さが災いする良介を心配するのが、学生時代からの友人・直樹(森永悠希)とその恋人のたまよ(大野いと)だ。直樹自身も泣かず飛ばずのミュージシャンで、良介のことを心配している場合ではないのだが、良介に優しく寄り添う。

直樹役の森永は安定感抜群で、せりふが非常に聞き取りやすい。たまよ役の大野は、長身で舞台上の存在感がある。パッと目をひくので、直樹を陰で支える女性にしてはいささか華がありすぎるな…と感じてしまった。

(撮影:咲田真菜)
(撮影:咲田真菜)

そんなある日、良介はアルバイト中に一攫千金のチャンスをゲットする。少々危ない橋を渡ることになるのだが、たまよへの想いのために、危ない橋を一緒に渡ろうとする直樹と2人、奮闘する。

次から次へと場面が展開していき、目まぐるしく物語が進んでいく。良介・直樹・たまよだけでなく、人気マジシャンの信男(オラキオ)、元デザイナーで才能の限界を理由に清掃員となった小百合(佐藤仁美)、妻と離婚して娘と離れ離れになった八木(片桐仁)ら、それぞれの人生模様も描かれていく。ベテランらしく場を盛り上げる3人はさすがだ。

(撮影:咲田真菜)

良介は、望んだとおり一攫千金の夢を叶えられるのか? ドタバタ劇の終着点を観客全員でジッと見届けてほしい。

ゲネプロ終了後に、初日前会見が行われた。ほとんどのキャストが上演中に走り回っていること、衣裳の早替えが大変なことなど、公演のハードさが口々に語られた。座長としてキャストやスタッフに気を配る髙地の意外なエピソードが披露されるなど、笑いが起こる楽しい会見となった。

(撮影:咲田真菜)

作・演出 西田征史 コメント
舞台にいるメンバーと楽屋裏にいるメンバー、全てのスタッフ出演者で1秒1秒大事にしながら作ってきた作品なので、多くの方に楽しんでいただきたいです。40ステージを走り切ります! 稽古初日に髙地君がすべて台詞を覚えていて台本を持っていなかったんです。それを見た他のキャストがどんどん台本を置き出して、裏では必死に覚えようとしていたところがちょっと面白かったです(笑)。

西田征史(撮影:咲田真菜)

髙地優吾(SixTONES) コメント
主人公・良介は“ツイてない男”として登場しますが、最近ツイてないなと思ったのは、音楽番組を欠席してしまったこと。今まで仕事を飛ばしたことがなかったのに、前日に体調が悪くなるなんて…。良介を演じていたらどんどん運が悪くなっていった気がしています(笑)。

グローブ座に立たせていただくのは初めてですが、稽古場より臨場感と立体感があって、さらにお客様が入ったら違って見えるんだろうなと思います。そして想像以上に人と人との距離が近いので、カンパニー一同団結して頑張っています。

座長らしいことは全然できていませんが、皆で食事会に行きました。皆さん優しい方たちばかりでとても仲が良いです。稽古場の冷凍庫にアイスを入っていたり、身体も喉も冷えていいこと尽くしでした。SixTONESのメンバーは、今回の作品の台本の分厚さを見て皆引いてましたね(笑)。上半期はメンバー全員で頑張った分、下半期は個々で頑張る期間なのかなと思います。

この作品は、幕が上がったら2時間あっという間です。ステージ上を走り回るので、ケガをすることなく走り抜けたいです。気を引き締めて頑張っていくので、応援していただけると嬉しいです。

髙地優吾(SixTONES) (撮影:咲田真菜)

森永悠希 コメント
誰も欠けることなく初日を迎えることができて嬉しいです。体力勝負になると思うので、精一杯頑張ります。実は、先ほどのゲネプロで階段から落ちかけました。その瞬間「あ、ツイてない…」と思いましたが、実際には落ちなかったので逆にツイていたのかもしれませんね(笑)。劇場に入ってみると階段が多く、移動を含めると体力が奪われることに気づきました。ちょっと辛いですが(笑)、けがをしないよう努めます!

森永悠希(撮影:咲田真菜)

大野いと コメント
ゲネプロを終え、少し気が抜けたようなところもありますが、まだ緊張しています(笑)。劇場に入って場当たりをして、よりくっきりと物語が刻まれていくイメージが湧きましたし、気合が入りました。とても暖かいお話なので、それを伝えられるように最後まで頑張りたいと思います。最近ツイていなかったことは、パン屋巡りが好きなのですが、遠くのパン屋さんへ行ったら臨時休業だったことです…。SNSで最新情報をチェックしないと、と改めて思いました。

大野いと(撮影:咲田真菜)

オラキオ コメント
40公演もある、長丁場の舞台は初めてなので、はっちゃけすぎずに頑張っていこうと思います。実は今日遅刻をしてしまいまして…毎朝の犬の散歩をいつもより短くしたのに、たまたま近所の仲良しの犬に会ってしまい犬同士がずっとじゃれ合って全然帰ってくれないんですよ。その後、区役所に行ったのですが今日に限って混んでいて…。それで遅れました! すみません!

昨日初めて劇場での通し稽古をしたのですが、まんまとワンシーン間違えました…。ゲネプロでは間違えなかったので、これからも気を引き締めていきます!

オラキオ(撮影:咲田真菜)

佐藤仁美 コメント
私の衣裳はこれ一着だけですが、他の皆は裏で着替えて走り回っている舞台です。本当に着替えが多く、上手と下手のどちらの袖で誰が着替えているのかわかりません。邪魔にならないように皆さんと一緒に40公演走り抜けられるよう頑張ります。

舞台に出演するたびに八嶋智人さんから初日祝いでお酒をいただくのですが、今回は(片桐)仁さんにだけ届いていたんです。私の分は忘れてるのかな? と思っていたら、今日シャンパンが届きました! ツイてない話ではなく、ツイてる話でしたね(笑)。

佐藤仁美(撮影:咲田真菜)

片桐仁 コメント
グローブ座は10年以上前から10回以上立たせていただいていますが、今回劇場に入ってみて、以前より劇場内の階段が増えたような感覚がありました。東京タワーに上ってるのかなと感じましたね(笑)。

僕は今回、離婚で離ればなれになった娘に会いたいけれど、どう接していいのか悩む父親役の1役を演じています。出演者の中には13役を兼任して20着に着替える方もいて、それぞれいろんな役を演じる群像劇です。気づいたら僕が座組で最年長でして、とうとうそういう位置にきたかと思ってます。年上として支えるということではなく、同じワンチームとして頑張っていけたらいいなと思ってます。

取材・文・撮影:咲田真菜

目次

舞台『ある日、ある時、ない男。』公演概要

東京公演 2025年8月25日(月)~9月16日(火) 東京グローブ座
大阪公演 2025年9月21日(日)~9月28日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
福岡公演 2025年10月4日(土)~10月7日(火) J:COM北九州芸術劇場 大ホール

作・演出:西田征史
出演:髙地優吾(SixTONES)、森永悠希、大野いと、オラキオ、佐藤仁美、片桐仁
根本正勝、宮下貴浩、兒玉宣勝、岡部ひろき、松浦京佳、阿久澤菜々、那須一南、浦田大地
イーグル紅・饗庭梨衣花(Wキャスト)

主催・企画製作:東京グローブ座
公式HP:https://naiotoko.com
公式X:https://x.com/naiotoko_stage

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この記事を書いた人

国家公務員・一般企業勤務を経てフリーランスのライターになる。高校時代に観た映画『コーラスライン』に衝撃を受け、ミュージカルファンとなり、以来30年以上舞台観劇をしている。最近はストレートプレイも積極的に観劇。さらに第一次韓流ブームから、韓流ドラマを好んで視聴。最近のお気に入りはキム・ドンウク。

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