松竹ブロードウェイシネマ『シー・ラヴズ・ミー』

コラム・ニュース

それにしても本当にいい時代になったなあと思う。
ニューヨーク・ブロードウェイで上演されている作品を日本で観ることができるのだから。

4月19日から5月9日にかけて、東京・東銀座にある東劇で、第70回トニー賞受賞作品、ブロードウェイミュージカル『シー・ラヴズ・ミー』が上演された。映画館でブロードウェイ作品をゆったりと楽しんでほしいというコンセプトで始まった松竹ブロードウェイシネマ。毎回楽しみにしているのだが、ミュージカル俳優・井上芳雄さんが自身のラジオ番組で「絶対に面白いからぜひ観てほしい!」と言っていたこともあり、友人とともに出掛けた。

この話はトム・ハンクス&メグ・ライアン主演で知られる映画『ユー・ガット・メール』の原点となった作品らしい。この映画にキュン♪となった人はかなりいると思うが、私もその一人。

初演は1963年、キーワードが「文通」というところが古さを物語っているのだが、このアナログ感がとても良い!ふと私自身も文通をやっていたことを思い出し(相手は女の子だったけど)「楽しかったなあ」とノスタルジックな気持ちになった。

ストーリーは、香水店で働くけんかばかりしている男女・ジョージとアマリアが、実は互いに好意を持っていた文通相手だったという、よくあるパターンの物語。ひねりはないかもしれないが、この作品に出てくるキャスト全員のキャラクターが色濃く表現されていて面白い。

キャストが歌い踊るシーンは盛りだくさんな作品なのだが、かといって決して派手な舞台ではなく、どちらかというと地味。でも1曲1曲にキャラクターのカラーがしっかり出ているので飽きることがない。すべてのシーンが見どころといってもいいかもしれない。


劇場にあったリーフレットに出演者のプロフィールがあったが、皆さんミュージカル俳優として活躍している人たちばかり。そりゃあ見応えがあるわけだと納得した。

昔から主役よりも脇で活躍している人に目がいってしまうところがあるのだが、今回も例外ではなかった。話の中で最低男として描かれているスティーブン・コダーイ役のギャヴィン・クリールさんが最高!声が魅力的でダンスも上手い。最低男なのにかっこいい!コダーイに振り回される女性、イローナ役のジェーン・クラコウスキーとデュエットで歌い踊る場面はめちゃくちゃテンションが上がる。

観終わったあとに、こんなに楽しい気持ちになれるミュージカルというのはなかなかないと思う。あー、東劇でもう一度上演してくれないだろうか……。

5月24日(金)から、大阪・なんばパークスシネマと名古屋ミッドランドスクエアシネマで上演するようだ。ぜひ多くの人に観に行ってほしいなと思う。なんなら私も遠征したいぐらいだ。

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