『細雪』艶やかな四姉妹が明治座で共演!

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令和最初の観劇は何になるのかと思っていたら、意外な舞台となった。
5月4日に初日を迎えた昭和の名作『細雪』。昭和10年代の大阪を舞台にした物語だ。

今回で40回目の公演となるそうだが、これまで素敵な女優さんたちが演じてきた四姉妹。今回は全員が新キャストとなるところが見どころだ。

長女の鶴子役が浅野ゆう子さん、次女の幸子役が一路真輝さん、三女の雪子役が瀬奈じゅんさん、四女の妙子役が水夏希さん。四姉妹のうち3人が元宝塚トップスターということもかなりの魅力だ。最初は長女役に宝塚出身の娘役トップスターを予定していたみたいだけれど、浅野ゆう子さんで良かったのではないかと感じている。

まずは他の3人に負けず劣らず背が高い!単純に見栄えがするだけでなく、鶴子は妹たちの母親的な存在でもあり、時に怖がられもする。そういう存在感の大きさがよく出ていた。そして関西ご出身なので「船場言葉」がとてもなめらか。聞いていて安心感があった。

もちろん宝塚OGの3人も素晴らしかった。一路さんは姉と妹の間に入っていろいろと悩むものの、どちらのことも思う心優しい女性をうまく演じていたし、瀬奈さんは宝塚時代の男っぽさが微塵も感じられない、ふんわりした、けれども芯の強いお嬢様を演じていた。水さんはただ一人洋服で登場するシーンがあったのだが、川崎麻世さん演じるカメラマンの板倉に撮影してもらう時のポーズの取り方は、さすが元男役トップスターといった風情があった。

『細雪』のポスターを見てたまに思ったいたのが「この4人だと姉妹に見えないのでは?」ということだった。四人姉妹を演じる女優さんの年齢差が気になったのだ。そうした意味で今回はあまり差がない。だから本当の姉妹のように見えるところが大きな魅力なのだ。囲み会見で一路さんが「姉妹感があると言われるのがうれしい」と語っていたが、まさにそのとおり。

『細雪』は以前から興味はあったものの、なかなか観る機会に恵まれなかった。今回仕事とはいえ観ることができ、この作品が長く続いている理由が分かったような気がする。谷崎潤一郎の作品だから物語がきちんとしているのはもちろんなのだが、全編で繰り広げられる「船場言葉」のせりふが、なんとも心地良いのだ。そして舞台装置の華やかさ、なんといっても四姉妹が着る着物の艶やかさがよい。極端なことをいえば、こうした様式美を楽しむだけでも十分なのではないかと思う。

話の展開は必ずしもハッピーなことばかりではないが、時に笑いの要素も盛り込まれているので、そんなにどよーんとすることもない。千秋楽まであと1週間なので、ぜひ明治座へ足を運んでほしいと思う。

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