井上芳雄が再び小林多喜二に挑戦 こまつ座&ホリプロ公演『組曲虐殺』が開幕

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井上芳雄 提供:ホリプロ

2019年10月6日(日)、東京・天王洲 銀河劇場において、こまつ座&ホリプロ公演『組曲虐殺』が初日を迎えた。

2019年は、2010年4月に没した井上ひさしの没後10年目のメモリアルイヤー。こまつ座では「井上ひさしメモリアル10(テン)」として、幻の初期作から最後の書き下ろし戯曲『組曲虐殺』まで、綺羅星のような作品を上演してきた。『組曲虐殺』は、プロレタリア文学の旗手・小林多喜二の生涯を、彼を取り巻く愛すべき登場人物たちとの日々を中心に描いた作品となる。一人の内気な青年が、なぜ29歳4ヶ月で死に至らなくてはならなかったのか。明るさと笑いと涙に包まれつつ、現代社会を鋭く照射する音楽劇となっている。

(左より)山本龍二、井上芳雄、上白石萌音、高畑淳子、神野三鈴、土屋佑壱 提供:ホリプロ 撮影・宮川舞子

(左より)上白石萌音、高畑淳子、井上芳雄、神野三鈴 提供:ホリプロ 撮影・宮川舞子

演出:栗山民也コメント
今、ゲネプロを終え、自宅に戻った。早速、ビールを開ける。ものすごい熱がまだ体全体に残っている。舞台の時間は、これだからやめられない。

今回の舞台は7年ぶりの再々演だが、今までと随分と違った世界に見えた。2人の新しい俳優が参加してくれたこともあるが、皆7つ歳をとって、多喜二のあの暗黒の時代を通し、この歪んだ今の時代へと皆が正直真っ直ぐ向き合っているように思えた。勿論、井上ひさしの言葉が目の前にあってのこと、その一つひとつの言葉が、今の時代にとても強く痛く響くのだ。初演の時の台本の裏表紙に書き留めていた多喜二の言葉を、また思い出す。「革命とは、この田口タキという人を幸せにすることだ。」

とにかくゲネプロの今夜、6人の俳優と1人のピアニストによるセッションは、一つの熱い塊になった。足し算ではなく掛け算で、舞台の温度はぐんぐんと上る。あとは観客の皆さんとのぶつかり合いで、この作品がもっと新しく大きく成長していくことを心から望む。

音楽・演奏:小曽根真コメント

小曽根真 提供:ホリプロ 撮影・宮川舞子

今回は上白石さん、土屋さんという新しいファミリーメンバーを迎えての再々演になりますが、栗山さんも、僕も、役者さん全員も、新たなインスピレーションをいただいたことで、今までよりも重心が低く、もう一歩も二歩も深い所まで届いたことを感じます。きっと井上先生が描きたかった世界、観客の皆さんにお伝えしたかったメッセージをよりクリアに伝えることのできる作品に仕上がったのではないかと思います。まさしく今の時代に生きている皆さんの心に、先生が鳴らし続けた警鐘が共振するのではないでしょうか。大切なことは、これは生でしか経験できないということです。おそらく、映像で観てもこの作品の良さは100%伝わらないでしょう。皆さんも、井上先生の仰る「運命共同体」として、生でこそ得られるものを感じるため、ぜひ劇場に足をお運びください。

主演:井上芳雄コメント

井上芳雄 提供:ホリプロ 撮影・宮川舞子

初演のとき僕は30歳で、多喜二と同年代でした。
それからずっと僕の中には多喜二と井上ひさしさんがずっといて、2人に恥ずかしくない自分でありたいと思って生きてきた気がします。今振り返ってみると「組曲虐殺」は自分が演劇をやる意味に気づかせてくれた、大きな転機となった作品です。すべての舞台は現代社会と繋がっていて、僕たちがお芝居をする意味を明確にしなければ、未来に繋がらないことを学びました。この10年で、結婚し子供もできて自分自身の環境も大きく変化しました。井上さんや多喜二から「綱を渡された者」の1人として、未来に希望があることを信じ、今の時代に僕が演じる多喜二にしなければと決意を新たにしています。

今回の再々演より初出演:上白石萌音コメント

(左より)井上芳雄、上白石萌音 提供:ホリプロ 撮影・宮川舞子

井上ひさしさんの台詞は、口に出してみて改めて言葉の強さがわかりました。
今はこの作品の一部になれることが嬉しく、演じているとき、本当に幸せです。
全部の瞬間と言葉が本当に尊いと感じます。
私の演じる瀧子はあまり言葉を持っていない子なので、一言一言にシンプルで強い思いが込められています。それが難しい部分でもあるのですが、瀧ちゃんの信念を大切にしていきたいと思っています。自分で飾らず、台本に書かれてあることを全部そのまま受け取って、そのまま発すれば良いんだと稽古中に気付きました。全部井上先生の本に書いてあるんだなと。
タイトルが怖いので身構えていらっしゃる方もいるかもしれません。決して多幸感に満ちた時代ではないけれど、幸せになりたいと思って必死に生きていた人たちのお話です。
一緒になって一喜一憂してもらえたら嬉しいです。
そして言葉のもつ力と、音楽素晴らしさを存分に体感していただきたいです。

上演時間は 3時間15分予定(休憩込)。
公演は同劇場で10月27日(日)まで上演した後、福岡・大阪・松本・富山・名古屋の5か所で上演される。

<東京公演 当日券販売のご案内>
当日券は全ステージご用意しております。
毎公演、開演の1時間前より銀河劇場内当日券窓口にて、先着順にて販売いたします。
当日券料金:S席9,000円 A席7,000円

【注意事項】
※本公演のチケットは主催者の同意のない有償譲渡が禁止されています。
※当日券はお一人様1枚の販売となります。
※お支払いは現金のみで、クレジットカードはご利用いただけません。
※各回の当日券状況についてはホリプロステージ当日券情報をご確認ください。
※未就学児入場不可

【公演概要】
こまつ座&ホリプロ公演『組曲虐殺』
作:井上ひさし
演出:栗山民也
音楽・演奏:小曽根 真

出演
小林多喜二(作家):井上芳雄
田口瀧子(多喜二の恋人):上白石萌音
伊藤ふじ子(多喜二の妻):神野三鈴
山本正(特高刑事):土屋佑壱
古橋鉄雄(特高刑事):山本龍二
佐藤チマ(多喜二の実姉):高畑淳子

<東京公演>
期間:2019/10/6(日)~10/27(日)
会場:天王洲 銀河劇場
主催・企画制作:こまつ座/ホリプロ
※福岡・大阪・松本・富山・名古屋公演あり

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