【インタビューVol.1】 『母の法廷』月影瞳インタビュー!

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4月2日、東京・荻窪のオメガ東京にて、ISAWO BOOKSTORE×オメガ東京提携公演『母の法廷』が初日を迎える。「ISAWO BOOKSTORE」を主宰する高橋いさをさんの作・演出、本格的な裁判劇に4人の女優が挑む。元宝塚歌劇団雪組トップ娘役として活躍した月影瞳さんもその一人だ。

初日を目前にしたある日、月影さんにお話を伺うことができた。難しい裁判劇に対してどのように向き合っているのか、そして作品の見どころについて語っていただいた。

 ――「母の法廷」への出演を決めたきっかけは何でしたか?

こうした裁判の話は、被害者や加害者側の立場で話が進んでいくことが多いのですが、脚本を読んでみると検察官、弁護人、裁判員、被害者の母親で話が構成されていて、事件のことを客観的に見ている内容が面白いと思いました。演出の高橋いさをさんは同じ事務所ということもありますし、せっかくお話をいただいたので、受けさせていただこうかと思いました。

また、私は宝塚を卒業してから女性だけの舞台に出演したことがなかったのです。その点も出演を決めた理由の一つです。

――月影さんは、どのような役どころですか?

このお話は裁判員制度が始まった頃を描いていて、私は裁判員の役を演じます。でも実は私だけ一つの役だけではなくて、いろいろな役を演じます。その点は結構面白いのではないかと思います。

 ――いくつも役を演じられるということで、役作りはどのようになさっていますか?

演出の高橋さんはあまりいろいろとおっしゃらない方で、「自分で作ってやってみてください」という感じです。私もいろいろなDVDや映画を観て参考にしたりしましたけど、基本的には、台本に描かれているとおりにやっている感じです。

――宝塚を卒業して以来の女性ばかりのカンパニーということですが、雰囲気はいかがですか?

4人とも年代はバラバラですが、和気あいあいとした雰囲気です。ただ、もともと朗読劇として作られた作品なので、とにかくせりふが長いのです。それを覚えなければいけないので、前半戦はみんな必死でした。

私と中村(まり子)さんは普段どおりの会話ですが、鳳(恵弥)さんと永池(南津子)さんは検察官と弁護士役ですから、専門用語があります。専門用語を間違えてはいけないということで、かなり慎重にやっていらっしゃるので大変そうですし、膨大なセリフの量をどうやって4人でまわすかということで格闘しています。

――膨大な量のせりふを覚えるコツはあるんですか?

せりふを覚えるコツはとにかく読むことです。大先輩の女優さんがかつて、せりふを覚えられないと言う後輩に対して「1000回言ったら覚えられる」とおっしゃったそうです。まさにそのとおりで、とにかくひたすら読んで覚えるということです。

でも宝塚時代はここまで長くて膨大なせりふはありませんでしたから、すごく新鮮な気持ちで臨んでいます。

――宝塚時代はお芝居とミュージカル、どちらが好きでしたか?

宝塚に入って最初に役をいただいたのが芝居だったので好きでしたね。芝居は緻密にいろいろな計算をしたりするところが楽しいです。もちろんミュージカルもそういうところはありますが、音楽に助けられるところがあるじゃないですか。でも芝居は逃げ場がないですから、自分を全部さらけ出してしまう感じです。

今回共演する皆さんは、さまざまな経歴をお持ちなのですごく面白いです。「こういう考え方をするのか」とか「こういう芝居をするんだ」とか、とても勉強になります。

――上演される劇場は、昨年できたばかりの新しい劇場だと伺いました。

住宅街の中にある小さな劇場です。どちらかというと私は大きい劇場のほうが緊張しないのです。(宝塚は)大きい劇場でしたから、感覚が分かるのです。

小さい劇場では、お客様の「気」をすごく感じますし、反応も直接あびるので緊張するのかもしれません。今回の劇場も段差があまりないと聞いているので、緊張するのかなあと思っています。

――今回の作品は「母」がテーマでもありますが、月影さんにとって「母」はどういう存在ですか?

母とは、常に目に見えないものでつながっているという感覚があります。第六感というのでしょうか、例えばちょっと落ち込んでいるときに急に電話がかかってきたり、根本的に自分の原点なのだなと感じます。だんだん年齢を重ねてくると、母の嫌なところが似てきて「あーあ」と思ったりもするのですけれど(笑)、超えたいけど超えられない存在です。

――お母さまは厳しい方でしたか?

 いいえ、全然厳しくはなかったのですけれど、宝塚への道を作ってくれたのは母でした。よくけんかをしますが、本当に頭が上がらない存在ですし、かなわないと思います。

――今回の作品への意気込みと、楽しみにしているファンの皆さんへ作品のアピールポイントをお願いします。

このお話は、4人の母親という設定があるのですが、さまざまな母の姿をお見せします。女性が見て非常に共感できるところがあると思います。

4人が直接からむところもそんなにあるわけではないのですが、出演者一人ひとりの人生が粒立って個性があるので、女性だけの舞台でどんな化学反応が繰り広げられるかが楽しみです。

内容は重いものですけど、私自身は裁判員の他にいろいろな役をやりますので、コミカルとまではいかないまでも、面白いと思っていただけるのではと思います。

私は宝塚出身なので、当たり前ですが「宝塚の人だよね」という目で見られるところがあります。もちろんそれは私が生きてきたものなので受け入れていますが、この作品で「こういう役者もいるのか」というところをお見せできればいいなと思います。

取材・文・撮影 咲田 真菜

公演名:『母の法廷』

作・演出:高橋いさを
出演:中村まり子 月影瞳 鳳恵弥 永池南津子
公演日程:2019年4月2日(火)~7日(日)
会場:オメガ東京
(東京都杉並区上荻2-4-12 B1F)JR荻窪駅西口 徒歩8分
チケット:4,000円(前売り・当日共)
チケット取扱い
『母の法廷』公演 予約フォーム
https://www.quartet-online.net/ticket/hahanohoutei

お問合せ
ISAO BOOKSTORE
isao_bookstore@yahoo.co.jp

 

 

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