【インタビューVol.3】汐美真帆インタビュー X-QUESTを愛してる!この思いがお客様に伝われば

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元宝塚歌劇団の男役スターとして、雪組、月組、星組で数々の主要な役を演じてきた汐美真帆さん。涼しげなまなざしにスラっとした男役姿を鮮明に覚えている人も多いことだろう。宝塚退団後はヨガのインストラクターとして活躍しながら『RENT』『ラディアント・ベイビー~キース・へリングの生涯~』などの舞台に出演。最近は小劇場公演にも積極的に参加している。

6月15日に初日を迎えるX-QUEST“TRICOLOR STAR” ( RED WHITE BLUE ☆)『新説・金と銀の鬼~リング』『なにもない空間の男』『青いザクロ─ベニクラゲマンの憂鬱』の3作品すべてに出演することが決定している。X-QUESTが売りにしているリング型の舞台に初挑戦する汐美さんにお話を伺うことができた。舞台にかける思い、そしてプライベートについてもお話いただいた。

最近は小劇場公演に出演されることが多いですが、意識的にそうなさっているのですか?

決して意識しているわけではないのですが、たまたまご縁があって呼んでいただいたり、つながりを見つけて出演してほしいといってくださったり、私が舞台を拝見して「出演させてください」とお願いしたり、さまざまです。私自身、キャパが70人ぐらいの舞台を観に行くことが多くなり、そうした舞台に出られる方たちと知り合いになることができたので小劇場の舞台に出ることが多くなったのかもしれません。でも私にはそれがすごく合っていて、小さい舞台で呼吸が聞こえるぐらいの距離で感じるお客様の生の反応が心地良いです。

今回出演されるX-QUESTに出演されるきっかけは何ですか?

きっかけは私の知人の紹介でX-QUESTに誘っていただきました。その時はX-QUESTの存在を知らなかったのですが、舞台を観に行きませんかと誘ってくださって行ってみたら「すごい!こんな世界があるんだ」と思いました。その時はリング型のステージではなかったのですが素晴らしいと思ったので、「舞台に出られたらいいな」ということをチラッと言ってみました。そうしたら今度はトクナガさんが私の舞台を観に来てくださって「ぜひ出演してください」と言ってくださったのです。

それは何年ぐらい前のお話ですか?

昨年です。本当は昨年X-QUESTの舞台に出演させていただく予定だったのですが、いろいろなことが重なって出演できなかったので、今回出演することになりました。

今回3作品すべてに出演されますが、それぞれの作品について役どころを教えてください。

実はまだ台本ができていないのです。初日まで2週間ちょっとなのですが……(笑)。これから役が決まっていく感じです。赤の作品は、チラシを見ていただくと角をかんでいますが、この角があるかないかで鬼なのか人間なのか、角をつけることで人はどう変わるのか、人も鬼も紙一重だという内容のお話です。3作品とも80分ずつの話になっていて、赤は台本が出来上がっていますが、青はまだこれだけ(台本を出して)しかできていなくて、白は何もないです(笑)。

赤、白、青となっていますが、色に何か意味があるのでしょうか?

 そのあたりは私もよく分からないのですが、赤と青の作品は再演で、白は新作という意味で白なのかなと思っています。白は、何もない世界に私たちがいて、そこからいろいろな芝居が生まれたりいろいろな人が生まれたりという、何もないところから何が生まれるかというのを打ち出していくような話です。主人公は演出家であり、語り部であり、作家であるという役なので、まだ役名がないんです。少しコンテンポラリーのような「どういう世界観なのだろう」と思わせるものになるのではないかと思います。

青は主人公がベニクラゲマンの役で、こう見えて意外とコメディーです。主人公が美形で吸い込まれるようなかっこいい方なのですが、その人がやるからこそ面白くなりそうです。3作品とも全然タイプの違う作品なので面白いのではないかと思います。

作品はすべてトクナガさんが書かれているのですか?

トクナガさんがすべて脚本を書き、演出もされてご自身も出演されます。トクナガさんが書かれる脚本はいろいろな想像ができて、「この先どうなるのかな?」とすごく気になります。

昨日、白の稽古で主演の高田さんが一人で台本2ページぐらいしゃべっているシーンを稽古したのですが、すごく面白かったですね。「なるほどそうだよねー」とうなずけることを書いてくださるので、観ていて飽きがこないと思います。

また展開がすごく早くて舞台がリング型で袖がありませんから、人がずっと出入りしているんですよ。そういう意味でも飽きることはないと思いますし、稽古をしていても観ていて面白いから、「汐美さん、次出番」と呼ばれて「あ、次私だっけ?」みたいになってしまうほど、観ているのが楽しいですね。

トクナガさんの印象はどうですか?

子どものような方で、何もないところから何かを生み出す力がある方だなと思います。まだ台本ができていないのも、ご自分の中に引き出しがいっぱいありすぎて、整理がつかないからだろうなと思っています。

演出家としては、役者に対していろいろおっしゃることがなくて、自由に好きなようにさせてくださる方です。トクナガさんが書いてくださったことをしっかり理解できればきちんと表現できると思うし、そうできるように書いてくださっているのではないかと思います。

キャストの皆さんも若い方が多いですね。

そうなんですよー。イケメンぞろいで、行って、見て、楽しんでいるので稽古場が目の保養です(笑)。今回の舞台は殺陣とダンスがメインとなり、私は宝塚時代も何回か殺陣をさせていただきましたが、男性がやる殺陣はかっこいいなと思います。筋肉がすごくて、筋肉から生まれる殺陣の速さというものでしょうか。ここでは棒を剣に見立てて使ってそれがキラキラしているので剣に見えるのですが、男性が振り回す剣ってかっこいいなと思いながら拝見しています。今回出演されている皆さんは本当に器用で何でもできるんですよ。楽しい稽古場ですね。

リング型の舞台は大変だと思う瞬間はありますか?

袖がないのでどこも気がぬけないところですね。皆さんがおっしゃっているのは、暗い場面やまわって芝居した時に、どちらが正面か分からなくなるときがあるらしいのです。それは慣れてね!と言われています。例えば赤い服を着たお客さんを目印にしていても次の舞台の時にはいらっしゃらないわけですから。でもそういうところも皆さんに楽しんでいただけたらと思います。

宝塚時代に「男役は背中で語るものだ」と言われていました。今回お客様に四方から囲まれ、背景でごまかせないリング型の舞台で、宝塚時代に培った背中で表現して魅せることができればと思っています。うしろで観ている人にも表情が伝わるような、そういう気持ちで挑んでいけたらと思いますね。

今回の作品の見どころは何でしょうか?

一度に3作品に出演する機会はそんなにないじゃないですか。それをやらせていただけるありがたさにつきます。どの作品を観ても違う汐美真帆を皆さんに表現できたらいいなと思っています。切っても切っても私じゃなくて、切ったら違う色、切ったら違う色というふうに、新たな汐美真帆を出していけたらいいですね。たぶんトクナガさんもそういう感じで書いてくださっていると思います。

本公演にかける意気込みを教えてください。

観てくださったお客さんが「またX-QUESTを観たいな」と思っていただけるような舞台に仕上げたいと思いますし、「X-QUESTの舞台に出てみたい」と思ってくれる人が出てくるといいですね。またX-QUESTのファンはいっぱいいらっしゃるとお聞きしているので、ファンの方に私がX-QUESTを愛しているということが伝わればいいなと思いますし、私を知っていただくことで「宝塚を観てみようかな」と思ってくださる方が出てくるとさらにうれしいですね。

今はインターネット上でいろいろなものを見ることができますが、やはり舞台は生の息づかいや人の動きが感じられる貴重な場です。もちろん私たちもお客様に足を運んでいただけるような面白い作品を作っていかなくてはいけないと思っています。

私自身、舞台を観に行くとたくさんの公演のチラシをもらいますが、これだけたくさんの舞台が上演されているのに、その中の一つを取って「これを観に行こう」と来てくださるお客様には感謝しかないですね。小劇場でもいい舞台はたくさんやっているので、泣いて笑って、ぜひ生のものを感じてほしいと思います。

これからもぜひたくさんの舞台に出演してください。ところで汐美さんは昨年ご結婚されましたよね。おめでとうございます!

ありがとうございます!

汐美さんがよくお話をされている「穂乃ぱん」について質問をさせてください。これは汐美さんが作られているのですか?

主人が作っていまして、私は見ているだけです(笑)。時々梱包を手伝ったりしますが……。

お店は2015年にオープンしたとお聞きしました。

はい。主人はもともと時計の修理の仕事をしていたのですが、たまたまテレビで日本の食料事情は輸入に頼っているところが大きいけれど、もし米粉を使えば日本の食料自給率が上がるということを聞いて興味を持ったのです。そこで米粉パン教室に通い始めたら、そこの先生がアレルギーや日本の食生活に関してとても熱心で、それに胸を打たれ、「自分もやってみよう」となったのです。オープン当初は、月曜日から金曜日は時計修理の仕事をして、土日だけパン屋さんを開店していました。だからいつも開いていない幻のパン屋さんっていわれていたみたいです(笑)。昨年の8月にそれまで勤務していた会社を退職して、10月にパン屋さんをリニューアルオープンしました。現在は、火曜日と祝日以外はオープンしています。

グルテンフリーのパンというのは、アレルギーがある小さいお子さんにとっては安心ですね。

お子さんだけでなく、最近は大人になってからアレルギーになる方が多いらしいのです。うどんもパスタもサンドウィッチも小麦粉が入っていますから、小麦粉のない食事をすることって意外に難しいんですよ。だから米粉のパンがあればいいと思いますし、これからますます必要になってくると思います。

最近はワンちゃんにも小麦粉アレルギーの子がいるようなのです。安心安全なものを食べさせたいという飼い主さんが増えてきていているので、今後はワンちゃんが食べられるものも作っていきたいと考えています。

取材・文・撮影:咲田真菜

X-QUEST“TRICOLOR STAR” ( RED WHITE BLUE ☆)

『新説・金と銀の鬼~リング』
『なにもない空間の男』
『青いザクロ─ベニクラゲマンの憂鬱』
【作・演出】トクナガヒデカツ
【キャスト】(※作品ごとに出演者は異なります。)
清水宗史 高田淳 大野清志 トクナガヒデカツ 市川雅之 佐藤仁美 荻窪えき
(以上、X-QUEST)

汐美真帆
竹内尚文(少年社中)
土屋シオン
門野翔(@emotion)
土田卓(弾丸MAMAER)
水崎綾
野地春秋

『新説・金と銀の鬼~リング』(主演:清水宗史)
出演:X-QUEST 汐美真帆 竹内尚文 土屋シオン 門野翔 土田卓 水崎綾 野地春秋

『なにもない空間の男』(主演:高田淳)
出演:X-QUEST 汐美真帆 土田卓 水崎綾 野地春秋

『青いザクロ─ベニクラゲマンの憂鬱』(主演:大野清志)
出演:X-QUEST 土屋シオン 竹内尚文 門野翔 汐美真帆

【劇場】 花まる学習会王子小劇場
JR京浜東北線/東京メトロ南北線・王子駅より徒歩5分。
〒114-0002 東京都北区王子1-14-4 地下1F
TEL:03-3911-8142(公演期間中のみ)
http://www.en-geki.com/index.html

【日程】
6/15(土)13:00【金銀鬼】/16:00【なに空】/19:30【青ザク】
6/16(日)13:00【なに空】/16:00【青ザク】/19:30【金銀鬼】
6/17(月)休演日
6/18(火)19:30【金銀鬼】
6/19(水)13:00【青ザク】/16:00【金銀鬼】/19:30【なに空】
6/20(木)13:00【金銀鬼】/16:00【なに空】/19:30【青ザク】
6/21(金)19:30【なに空】
6/22(土)13:00【なに空】/16:00【青ザク】/19:30【金銀鬼】
6/23(日)13:00【青ザク】/16:00【金銀鬼】/19:30【なに空】
6/24(月)19:30【青ザク】
6/25(火)13:00【金銀鬼】/16:00【青ザク】/19:30【なに空】
6/26(水)11:00【青ザク】/14:00【なに空】/17:00【金銀鬼】
(【金銀鬼】「金と銀の鬼」・【なに空】「なにもない空間の男」・【青ザク】「青いザクロ」)

【料金】全席自由席
■1日通し券12,000円(3/21(木・祝)~3/24(日)の特別販売でのみ取り扱い)
■ノーマルチケット4,000円(カンフェティは入場整理番号付き)
■アブノーマルチケット3,500円(数量限定。開演7分前入場)
■U-18チケット前売1,000円/当日3,500円(要・本人確認証)

【チケット】
■Confetti(カンフェティ)ノーマルチケットのみ取扱い
セブンイレブン発券・ 入場整理番号付!
http://www.confetti-web.com/

0120-240-540 ※通話料無料(受付時間 平日10:00~18:00)

■劇団WEB予約
http://www.x-quest.jp/stage/tricolorstar/

チケット代金はご来場日当日、受付にてご精算頂きます。
入場整理番号は、受付にてご精算順にお渡し致します。

【公演特設サイト】
http://www.x-quest.jp/stage/tricolorstar/

【劇団HP】
http://www.x-quest.info/

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【穂乃ぱん】
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