韓国発 “永遠のグラムロックミュージカル”『ETERNITY』!取材会&公開ゲネプロレポート

韓国発のグラムロック・ミュージカル『ETERNITY(エタニティ)』が、2026年7月10日(金)から東京建物 ぴあ シアターにて上演中(東京公演後は名古屋、大阪へと巡演予定)である。同劇場で初めて行われる演劇公演としても注目を集める本作。今回は、東京公演直前に行われた取材会&公開ゲネプロの様子をお伝えしよう。

2024年・2025年の韓国初演・再演ともにチケット即日完売、客席占有率96%・観客評価9.8点という驚異的な記録で大学路(テハンノ)を熱狂させた“永遠のグラムロック・ミュージカル”『ETERNITY』。圧巻の6人編成ライブバンドによる生演奏と、光り輝く幻想的なステージで時間軸が交錯する斬新な演出、そして誰もが胸を締めつけられる永遠のメッセージを携え、満を持して日本での初演を迎える。

日本版の上演台本・演出は演劇界の第一線で活躍し、商業演劇からパンクオペラなど幅広い作品の演出を手掛ける河原雅彦。訳詞はアイドル、ロック、アニソンほか幅広い分野の作詞で一世を風靡、現在もミュージカル・クリエイターとして数々のヒット作品を生み出して、今年作詞家デビュー50周年を迎える森雪之丞が務める。言葉の魔術とエッジが融合するタッグにより、韓国版を凌ぐ毒気と華やかさを纏った日本版へと進化する。

70年代の伝説的なグラムロックスター・ブルードット役は、小池徹平小西遼生がダブルキャストで務め、現代を生きる孤独なシンガー・カイパー役には、同じくダブルキャストで小野田龍之介伊藤あさひ。さらに、過去と現在を繋ぐ神秘的な案内人・マーマー役に美弥るりかと、実力派の精鋭キャストが集結した。

【あらすじ】
金色のウィッグとグリッターに全身を輝かせ、世界を熱狂させた1970年代の伝説的なグラムロックスター「ブルードット(小池徹平・小西遼生)」。ステージの上では神のように崇められていた彼だが、心の奥には誰にも見せられない深い孤独と喪失を抱えていた。彼は最後のレコーディングで、地球を去る人類へ向けた“永遠に残るメッセージ”を1枚のゴールデンレコードに刻み、太陽系を脱出する探査機と共に宇宙の彼方へと送り出す。現在に生きるグラムロッカーになることを夢見る孤独なシンガー「カイパー(小野田龍之介・伊藤あさひ)」は、古いレコードプレーヤーで偶然手に入れた1枚のレコードを再生する。針が落ちた瞬間、消えたはずのブルードットの歌声が、まるで今ここで歌っているかのように響き始めた。その瞬間、時間と空間が歪み始める。過去と現在という二つの世界をつなぐ神秘的な存在「マーマー(美弥るりか)」の導きで、2人は互いの姿を見たこともないまま、同じ歌を歌い、同じ痛みを分かち合う。レコードが回るたびに交錯する2人の人生。 マーマーの手招きによって、過去と現在のステージが重なり合い、2人のロックスターは互いの姿を知らぬまま、同じメロディを歌い、同じダンスを踊り、同じ涙を流す。シンメトリーに交錯する光と音。レコードの溝に深く刻まれるたびに、2人の孤独が共鳴し、痛みが溶け合い、やがてひとつの大きな歌へと変わっていく…。 

ゲネプロの後にロビーで行われた取材会では、上演台本・演出の河原雅彦、煌びやかな衣装に派手なメイクをしたブルードット役の小池徹平・小西遼生、上下黒の衣装を身に付けたカイパー役の小野田龍之介・伊藤あさひ、紅一点、マーマ役の美弥るりかが登場。少人数ならではの団結感と仲の良さを感じる会見となった。以下にその詳細をレポートする。

撮影:岩田えり

-皆さまよりご挨拶と、明日初日を迎える今のお気持ちや意気込みを一言ずつお願いします。

河原:最高にきらびやかで毒々しくて、かっちょいいロックミュージカルが出来上がったと思っております。少人数でお送りするステージなので、演劇というよりはどちらかというとライブに寄っているオリジナリティのある舞台です。カロリーが高いので演じる人たちはすごく大変だと思いますが、僕はもうつくり終えたので、「頑張って!」と、そんな感じです。

小池:ご覧ください!こんな派手な衣装を、小池、今まで着たことがございません。こんなに派手で、キラキラさせていただいて!河原さんもおっしゃっていましたけど、本当にかなり派手なステージングです。そして人数が少ないのに、エネルギーを皆さんに飛ばすような、本当にきらびやかなステージになっております。明日からいよいよ始まりますが、お客さんも一緒に盛り上がれるような新しいミュージカルになっていると思いますので、ぜひご期待していただけたらなと思っています。劇場でお待ちしております。

小西:僕は明日ゲネを迎え、明後日が本番なんですけども、あさひくんと一緒に、また違ったブルードット像や、この『ETERNITY』という作品の変化した姿をお届けできると思います。本当に少人数なので、組み合わせによってもまた見えるものがまったく変わってくると思います。この期間、いろんな宇宙を見ていただけるような作品になっていると思いますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

小野田:こんなホットな作品を新劇場のオープニングの一つとして皆さまとお送りできることを、本当に嬉しく思っています。登場人物は3人と、いろんなことを表現してくれるダンサーの2人のみです。本当に濃密な作品で、何年か前までは「密」という言葉は非常にネガティブな言葉でしたけども、改めて今回この作品に携わり、稽古や今日のゲネプロを通して「演劇って、やはり濃密な密度の高いのが最高だな」といった思いがたぎってきました。この作品は韓国の大ヒットミュージカルですが、ただのレプリカではなく、河原さんというキャプテンの下に、我々俳優とそれぞれのクリエイティブスタッフ陣がともに、オリジナル作品のように大切に大切に「ああでもない、こうでもない」とやりながらつくってきました。この作品への我々の愛が、明日から開幕する公演でお客様に伝わったらいいなと思っております。そして、たくさん盛り上がっていただけたら嬉しいです。

伊藤:この『ETERNITY』という作品は、ジャンルにとらわれない新鮮で斬新な作品になっていると演じていても思うので、お客さんにもその世界観をそのまま楽しんでいただけたらと思っています。そして僕自身はカイパーとともに殻を破って舞台上でキラキラできたらいいなと思っています。今は、こんな感じ(上下黒の衣装)ですけど、僕たちカイパーは、すごい大変身をするかもしれないですしね。(小野田から「主演2人の衣装と比べると今日はちょっとね…(笑)」と突っ込み)今ちょっと寂しい感じになっていますが、そういうのも楽しみにしていただけたらと思います。

美弥:韓国ミュージカルには初めて出演します。挑戦したかった思いがあったので、今回作品に参加できてとても嬉しいです。また、新しい劇場でスタートをきれるということも、とてもおめでたいことでもありますし、個人的には河原さんの演出でまた参加できたということも嬉しいことでして、本当に嬉しいことづくしで明日の初日を迎えられるなと思っております。私はシングルキャストなので、4名の方の演じる姿を、いつも客観的に外側から見ている時間がとても長いのですが、4人の演じるブルードットとカイパーが日に日に魅力的になっていくんです。パターンでいうと4パターンもあるので、それぞれで作品の印象はまたガラッと変わってくると思います。ぜひ何度でも足を運んでいただき、そして最後は一緒に盛り上がって作品を応援していただけたら嬉しいです。

-今回、新劇場、東京建物 ぴあ シアターにて行われる演劇作品として初めての公演になりますが、河原さん、いかがでしょうか?

河原:いかがですかね? だって、まだ工事していますからね(一同笑)。一番心配なのは、お客さんがちゃんと時間に集まってくれるかどうかですね。僕1週間くらい、この準備のために、東京駅からこの劇場に通っているんですが、やっと今日、迷わずに来れました。(取材陣に)みなさんすごいですね。よく来れましたね。だから、入り口入ってもまだ養生テープとか貼ってあるし、エレベーターの中もベニヤ板みたいな感じですが…。でも、この場所であっていますので、お客さんは安心してエレベーターに乗って、時間に余裕をもって来てくれたらなと思います。

『ETERNITY』は、この劇場で行われる初めての演劇作品ということですが、こけら落としではないんですよね?! オープニングの一つということだそうで、とても光栄です。また、劇場の扉がまだ重くて、使い慣れてくると軽くなると思うんですけど、すごい重いんですよね(笑)。

小野田:建物の話しかしてない(笑)。

河原:でも匂いも新築の匂いがするし、今日の午前中初めて楽屋に自動販売機が設置されたんです(一同拍手)。今日ですよ! これがプレオープンの醍醐味でしょうか。逆に、こけら落としとかは担当させてもらったことがありますが、プレ公演というのは初めてで。そういう意味でもとても新鮮です。演劇公演として初めてこの『ETERNITY』が上演されるというのは、なかなかできる経験ではないので光栄ですし、嬉しく思っております。

-劇場の客席の印象はいかがですか?

河原:客席は2階もいきましたが、とても見やすいですし、音もとても良いし、座っていて疲れないかな。これはすごく大事なことで、とてもいい仕上がりになっていると思います。

-韓国でも人気を博した話題作の日本初演版キャストとして演じられる心境をそれぞれお聞かせください。

小池:僕は今年の1月に韓国で再演の『ETERNITY』を見させていただきました。言葉が分からなくても、音楽の力だったり、演者が少ない分のそのエネルギーみたいなものをすごく感じて面白かったです。と同時に、演出の河原さんとともに、このキャスト陣ではどんなものができるんだろうと、蓋を開けるまで本当にワクワクしていて。河原さんが仕掛ける日本のオリジナル感と、グラムロック好きな河原さんだからこそのこだわりがかなり隅々にまで散りばめられているので、韓国版よりも“繊細さ”みたいなものがより表現できているのではないかと思います。また、オリジナルミュージカルのように、新鮮な気持ちで新たなものをつくったという気持ちでやらせていただいているので、もちろん日本の方にも絶対楽しんでいただけると思っています。

小西:僕は韓国ではまだ拝見していないのですが、韓国ミュージカル自体は何作もやっています。韓国ミュージカルは題材とか音楽とかがダイナミックでスケール感が大きいものが多いんです。今回「グラムロック」というテーマで作品をつくること自体が、なかなか挑戦的なものだと思うのですが、河原さんがリードしてつくっていくものは、本当に「僕らはロックしようぜ!」という気持ちが伝わってくるんですよね。しかも、見た通りのこの(きらびやかな)衣装をまとい、グラマラスな部分や人間の生きるエネルギーみたいなものをすごく燃やして約100分間を演じるので、韓国版とはまたちょっと手触りの違う作品に仕上がっているのではないかと思います。

小野田:僕はわりと韓国の方々とも交流があるのですが、この作品が日本で上演されると発表されてから、韓国の演劇チームから「日本でこの作品をやるとは思ってなかったので、今から見るのがとても楽しみだ」と連絡が来たんです。確かに日本もいろいろなロックミュージカルとかありますが、やはりこの作品はそういった作品とはまたちょっと違うタイプのものだと思うんですね。スペクタクルライブミュージカルみたいな感じじゃないですか。

また、同じアジアで韓国と日本は近いですが、それぞれの国民性とか、俳優それぞれのアプローチの仕方って結構違うんですよね。それは言葉の使い方もそうですが、やはり日本人ならではの心の繊細な動きだったり――そういうところは、日本の俳優、演劇人の得意分野というか、大事にしている部分だと思うんです。もちろん、他の国の方も大事にしていると思いますが。この素晴らしくダイナミックな音楽の数々でお送りする100分間の中に、日本の物語ではないですが、そういった日本人ならではの繊細な部分を散りばめれば、きっとここ日本でしか見られない『ETERNITY』がつくれるのではないかと、それぞれが工夫してきました。

韓国版とはセットも違い、今回の日本版ではバンドメンバーも見えますし、ダンサーも2人増えています。先ほども言いましたが、ただのレプリカではない、独自の『ETERNITY』を突き進ませていただいているので、韓国で見た方も見てない方も、ロックを知らない方でも楽しんでいただけると思います。グラムロックが分からない方も多いと思いますが、そこはあまり躊躇せずに来ていただけたら楽しめるんじゃないかなと。何か大事なものってみんな持っていると思うので、それを持っている方みんなが楽しめる作品になっていると思います。

伊藤:ほとんど僕から言うことがないですね。すべて小野田さんが言ってくださったので(笑)。韓国バージョンの方も映像で見させていただいて、最初見た時に「なんだこれ? これを自分がやるのか」と思ったので、稽古場に入るまでにいろいろ見たんですけど、自分の中で、いろいろなものが壊されて、またつくり直された稽古期間でした。劇場入ってからも、まったく想像もしてなかったセット、映像や照明とかを目の当たりにして、日本で初めての『ETERNITY』という作品に携わっているんだと実感し、また気合が一つ入り初日を迎えられそうです。

美弥: 私が演じるマーマー役というのは、韓国では男性が演じられているんですね。それを今回私が挑戦させていただけるということで、私が演じる意味をしっかりと見出せていけたらと思いますし、そこが韓国版とは大きく印象が違ってくるのではないかと思います。マーマーは、過去と現在をつなぐ「時」という存在で、形のない概念みたいなものなので、このリアルな時代、世界を生きている2人(ブルートッド・カイパー)とは、いい意味で違和感のあるように演じたいです。なので、韓国の『ETERNITY』を、もし観ていた方が日本で観てくださったら、これもまた新しい『ETERNITY』としてありだなと思っていただけるようなマーマーを魅力的に演じられたらという思いで、明日を迎えたいと思っています。

―明日、初日を迎えられるということで、稽古場で印象に残っているエピソードをお聞かせください。

河原:ダブルキャストですもんね。2回やるんですよね。ペアを変えて。

小野田:何の話をしてるんですか?(笑)あんまりないんですか、ダブルキャストって?

河原:ダブルキャストしたことあるけど、今こう言ってるうちに何か出てくるかなと思って…(一同笑)。ちょっと待ってください…。最後に簡潔にまとめますから、パッと浮かぶ人がいたら…。

小野田:本当に思ったこと言っていいですか? 今(ゲネプロを)ご覧になった方は分かると思いますが、実際の舞台はこんなに大掛かりなセットじゃないですか! でも稽古場が異常に狭かったんですよ。最初ね。セットを組んで稽古する前はこんな大掛かりなセットだとは思えないぐらいの本当に小さな稽古場で。テープだけで稽古してて、まさかこんなセットが出来上がるとは思ってなかったんですよ。今思うと、よくあそこで最初の頃稽古してたなっていう…俺は今になると思い出します…。

小池:曲数が多いミュージカルなので、たくさんステージングの作業とかもある中、どう動けばいいか、どうやったらより伝わりやすくなるかというのを河原さんをリーダーに考えていくのですが、意見が言いやすく風通しのいい現場だったので、それぞれが意見をいろいろ出し合ったりして、たまに河原さんが霞むみたいな…。「俺、演出家だよね?」みたいなシーンもちょっとあったりして、いい現場だなって。みんなで意見を言い合っていろいろつくるみたいな、ホーム感がね。

河原:抽象的な舞台だから、人が移動して移動しての連続で、別にここにお部屋があって、ここにどこどこがあってというセットではないから、何万通りも動かし方があって。稽古場で、みんなの意見や発想も借りながらまとめていったというのは確かですね。

小野田:ただ5時以降になると、みんな口数が一気に減る(笑)。結構みんな喋るのに、5時以降は誰も頭が回転しなくなる。

小池:疲れてきちゃってね。

小野田:3役しかないからね。伊藤くんは?

伊藤:僕が最初に稽古したのは、小池さんと一緒に事前に番組を収録したときで。その時に先に2人で稽古させていただいたんですけど。初めてでちょっと緊張していたら、小池さんが「今朝、タコ釣ってきたんだよね」という話をずっとしていて。永遠にタコの話しかしてなくて、その日はすごく印象的でした(一同笑)。

小野田:釣りガチだからね。

小池:そうなのよね。朝タコ釣って稽古場に行ってました。

伊藤:なんか真っ赤でしたよね。

小池:焼けちゃってね。あー絶対ダメなやつ(笑)。

小野田:1回稽古終わりに飛び魚を釣りに行ってますからね(一同爆笑)。なかなかもう船乗りブルードットな感じです。

小池:子どもと遊ぶのも忘れちゃいけない(笑)。

小野田:小西さん、何かありますか?

小西:全員同時に調子悪くなったことかな。全員同時に同じ日に調子崩したときがあった。

小野田:しかもそれぞれが全然バラバラにね。

小西:佳境になってきて、全然違う原因で。全員声が出ない日に、よりによって雪之丞さん来たりとかね。

美弥:しかもあの時、みんながハケたらすぐに鼻をかむから、制作の方が小さい声で「なんでこんなにティッシュの減りが早いんだろう…」と言ってて(笑)。みんながかんでるからだなって。

小池:そんなに体調悪かったんだな…。

小野田:おかげで明日万全で迎えられるからね。美弥さんはどうですか?

美弥:私、同じ曲を4回歌うんですよ。「始まりが~♪」ってところ、同じフレーズがあって、カウントダウンもすごく多くて。私は着替えないから、いつの始まりか分からなくなっちゃうんですよ。あそこを浮遊しちゃうっていう。しばらくは移動が多すぎて、この曲になると、どこの階段を降りて、次は上がってというのを覚えるのがなかなか大変でしたね。

小野田:脳トレですね。

美弥:脳トレしながらやっています。あとは河原さんがまとめてくださいます!

河原:思い出しました! グラムロックってこういう衣装(小池・小西のきらびやかな衣装を指して)じゃないですか。こういうのを何着か着るんですけど、似合わなかったらどうしようって、すごく不安でした。これ似合わなかったら、全然説得力ないじゃんと思っていたから。こういう衣装ってすごく難しくて、日本人ですし似合わない人もいるだろうと思っていたので、衣装合わせやかつら合わせの時には、「大丈夫であれ!」と願っていましたね。着飾ったこの2人、また小野田君とかのカイパーもゆくゆくはグラムロックな格好しますけど、衣装合わせの時にすごいホッとした記憶があります。危ない、危ない、ってね(笑)。ビジュアルはこのお芝居では本当に大事だったので、よくグラムロックを着こなしてくれたなぁ、と安心しましたね。

―ブルー・ドット役のお2人にお伺いします。初めてこのグラムロックの衣装を着て、自分のビジュアルを見た時にどんな感想を持ったのか、ぜひ教えてください。

小池:こんな派手なお衣装とメイクですよ! 僕、今までの舞台では、本当に5分とか10分かからないぐらいのメイクだったんですけど、今回ちゃんとメイクさんが、しっかり約30分弱くらいかけてしてくださるおかげで、このようにつくっていただいて! こんなキラキラになって、本当に気持ちがめちゃめちゃ上がるんですよ! いつも自分の役って、衣装とかメイクとかの力を借りるのですが、それが今回、より感じたっていうのがありますね。たぶん、僕だけじゃなくて、みんなもそうだと思うんですけど。バンドメンバーも、楽屋でメイクとかして盛り上がっていて、みんな男子学園みたいにキャピキャピしてるんですよ。それも素敵だなって。こうしてハッピーな気分で、しばらくブルードット役でスターとして照明をたくさん浴びて輝かせていただける――そんなとても幸せな日々が始まるという思いで、本当にワクワクしています。

小西:同じ気持ちなんですけど、「着てみてどうでしたか?」という質問ですが、逆にどう思っているんだろうと気になります(一同爆笑)。

―大変お似合いだと思います。

小西:ありがとうございます。いただきました!(笑)まだ本番が始まってみないと、お客さんの反応もいただけていないので分からないところもありますが。見てびっくりする衣装ばかりだし、これがあってこそのグラムロックだというのを今感じているので、気分を上げ上げでいきたいと思っています。

―今回かなり少人数での作品だと思いますが、みなさんこれまで共演経験とかはあったのでしょうか?

小野田:初めての人もいますね。この前まで、小西くんとは『メリーポピンズ』という作品で一緒にやってましたね。

美弥:私と小西くんは『キングダム』で一緒でした。

―では、すぐ打ち解けられましたか?

小野田:すぐ仲良くなりましたよね。

一同:うん。うん。

美弥:ん?あさひくんどうした?

―伊藤さんは、これまでみなさんとの共演経験はなかったのですか?

伊藤:はい、初めましてですね。

小西:でも、たまに拗ねるよね? たまに拗ねると言葉で返してくれなくて、スタイロフォンで返事したりとか。

小野田:あった! あった!

小西:ブーっと返事が返ってきたりして(笑)

伊藤:やめてください!(笑)

―大先輩のみなさんがいると思いますが、共演してみてどうでしょうか?

伊藤:本当にたくさん甘えさせていただいています。最初はいろいろ緊張したり、自分から話しかけることがあんまりなかったんですけど、最近は小野田さんとかと楽屋が一緒で、朝にコーヒー買ってきてくれたり、カツサンド買ってきてくれたりしてくれるんです!

一同:優しい~!

小野田:ただのUber Eatsじゃないか!(笑)リューバーイーツ!(笑)

伊藤:いや、頼むのではなく、先におっしゃってくださるので、「お願いします」という感じです。本当にお世話になったので(一同から「もう終わったみたいじゃん(笑)」という突っ込み)、この先も頑張っていきたいと思います。

小野田:住所教えてね。家に届けるから。リューバ―イーツだから!

伊藤:いいんですかー?

小野田:こんな感じで楽しくやってますよ(笑)。

―この作品を見た観客が永遠に残したいものに思いを馳せると思うのですが、みなさんご自身にとって永遠に残したいものは何でしょうか?

河原:何というか…跡形もなく…僕は生きていた痕跡残したくないから、死にそうになったら、とにかくいろんなものを破棄しますね!(一同笑)残さないです! なので、特にないです。すみません。

美弥:初日のカーテンコールで、客席の明かりが少しふわっと明るくなって、みなさんの顔をそこで初めて見るじゃないですか。ちょっと笑顔だったり、真顔でも楽しんでいる人はすぐ分かるし、気持ちがすごく伝わってくるんですよね。あの瞬間は、それまで1ヶ月以上稽古してきた何かが一つ報われるような喜びがあるので、永遠に覚えておきたいとは思います。

小池:ずっと残るものって、なかなかないと思うんですけど、そのものに対する思いや気持ちみたいなものが、伝わって残っていってくれると素敵だなっていうのは思います。自分がこの仕事を頑張って築き上げてきた大事なものを子どもが受け継いで、「よく分からないけど、パパが大事にしていたんだよね」みたいな、そんな思いでもいいから残ってくれると、永遠につながっていくのかなという気はします。

小野田:僕はこの演劇の世界でしか生きてこなかったのもあってか、日本では劇場のクローズとかオープンがすごく多いなと感じます。この間も2代目帝国劇場がなくなって、建て直しになったりとか、ここは今回新しく建ったりで。2代目帝劇だって確か50年くらいでしたっけ? 確か…ですが。何百年という劇場ではなかったはずなのに、「古くから~」みたいになっちゃうんですよね。いろんな作品や人々の魂が宿って、その劇場の味になってくると思うので、劇場がすぐ取り壊されず、歴史的な建造物として、たくさん残って、たくさん建てられて、今回の『ETERNITY』とか、いろいろな規模の作品が常に上演される国であったら、演劇好きとしては楽しいと強く思います。なので、建て直すなら、すぐ建て直してほしい。青山劇場はどうなっているんだろうとか、常に気になっちゃいますね(笑)。伊藤くんは、どうですか?

伊藤:部屋がきれいな状態(一同笑)。掃除が…。

小野田:行こうか、掃除しに! 俺、掃除大好きなんだよ。

美弥:それまでしてくれるの?

伊藤:え? ご飯持ってきてくれて、掃除までしてくれて…。

小野田:家政婦じゃないかい(笑)先輩だよ!!

伊藤:最高じゃないですか! でも、稽古期間中は気付いたら部屋が汚くなっていて、寝る時にちょっと「うーん…」と思いながら寝ることが多いんですよね…。でも疲れているし、片付けるのは諦めてしまいます…。なので、永遠に部屋が綺麗だったらいいのにと思いながら毎日寝ています。

小西:僕はなんだろう…感情。AIに乗っ取られたくないみたいな。僕が子供の時からそういうSFの漫画ってあったんですよ。今、結構その時代が来ているので、いろいろ怖いと思いますね。なので、アナログなものとか、気持ちとか、そういうものが残ったらいいなって。人の進化とともに、なくなっていくものでもあるような気もするので。

―この作品は音楽や映像などの見どころが盛りだくさんですが、お客さんにどのように楽しんでいただきたいですか?

小池:そうですね。さっきのペンライトや、パキッと折ったら振れるライトなどもお客さんにも配っていただけるそうなので、一緒に参加していただき、『ETERNITY』の世界に入ってもらって、個人としてもそうですが、ブルードットのファンとして参加したらより楽しめるんじゃないかと思います。どうせ来るなら思いっきりペンライト振って『ETERNITY』の世界を楽しんでいただければと思いますので、劇場で思いっきりはしゃぎに来てください!よろしくお願いいたします。

以下は、取材会の前に行われたゲネプロ(小池徹平&小野田龍之介バージョン)の模様を簡単にレポートする。物語の内容に少々触れているところがあるので、ネタバレを避けたい方はご注意いただきたい。

まるで壮大な宇宙を漂っているかのような不思議な感覚に包まれながら、“グラムロック”の妖しげな世界にどっぷりと浸ることができる。筆者はグラムロックを知らなかったが、楽曲数も多く、生バンドによる演奏とキャストの生歌が織りなす迫力で、お客さんとしてライブに参加しているような高揚感も存分に味わえた。

撮影:田辺まゆ
撮影:田辺まゆ

時は1960年代。華やかな世界で脚光を浴びながらも、やがて孤独へと追い詰められていく主役のブルードットを、小池徹平が見事に演じている。派手なメイク、キラキラな衣装を身にまとい、スポットライトを浴び熱唱するブルードットの姿はまさに唯一無二のスターそのもので、その存在感に圧倒された。しかし、物語の後半からは、その煌びやかな世界から一転、栄光の座から転落し、もがき苦しむブルードットの姿が描かれる。前半の輝きを知っているからこそ、その落差に、より一層、胸が激しく締め付けられる。それにしても、大衆(ファンや世間)とは実に身勝手な存在で、熱狂したと思えばすぐに忘れさり、その期待や評価で1人の人生を簡単に狂わせてしまうことがある。だが、一方でたった1人でも自分を支えてくれる存在がいるだけで人は強くなれるし、生きていく力を得られるのかもしれないと思うと心が救われる気がした。

撮影:岩田えり

一方、現代に生きるカイパーを演じるのは小野田龍之介。ブルードットに憧れグラムロッカーになることを夢見る、真っすぐで心熱い青年を瑞々しく演じている。カイパーもまた、自分が大好きでたまらないグラムロックを誰にも理解してもらえない孤独を抱えている。その寂しさや葛藤、そして、それでも自分の「好き」を貫こうとする強さを、小野田は繊細な芝居で丁寧に表現していた。大好きなグラムロックを歌うたびに姿や形もまねようと、長髪のウィッグをつけて、なりきって歌う姿も何ともキュートだ。小野田の歌声はとても力強く伸びやかで、聴いているだけで何度も鳥肌が立つほどの迫力であった。

撮影:岩田えり

マーマー役の美弥るりかは、過去と未来をつなぐ「時」という概念を象徴する存在。ブルードットが生きる過去にも、カイパーが生きる現代にも、いつも彼女が現れ、物語を導く案内人のような役割を担っている。取材会で美弥自身が「違和感」と表現していたように、マーマ―という存在そのものが非常に神秘的で、作品に幻想的な彩りを添えていた。また、美弥は、一つ一つの所作が非常に美しく、凛とした立ち姿やしなやかなダンスはもちろん、何気ない立ち居振る舞いまで実に絵になる。劇中でさまざまな役柄を演じ分けるその姿にも、ぜひ注目していただきたい。

撮影:岩田えり

物語の時間軸が交錯するため、理解するのに少し難しい場面もあるが、ブルードットとカイパーの2人が、時代を超えてシンクロし合い、響かせ合う歌声は間違いなく必見だ!
ラストのカーテンコールまでしっかり楽しめる作品なので、ぜひ劇場に足を運び、ライブの熱気とともに「グラムロック」の世界に酔いしれてほしい。

撮影:田辺まゆ
撮影:田辺まゆ

東京公演は26日(日)まで。その後、名古屋、大阪公演が行われる予定だ。

取材・文:彩川結稀
撮影(一部):田辺まゆ
取材会・舞台写真(一部):オフィシャル提供(撮影:岩田えり)

ミュージカル『ETERNITY(エタニティ)』公演概要

【東京公演】2026年7月10日(金)~26日(日)@東京建物 ぴあ シアター
【名古屋公演】2026年7月31日(金)~8月1日(土)@御園座
【大阪公演】2026年8月8日(土)~9日(日)@東京建物 Brillia HALL 箕面 大ホール

【上演台本・演出】河原雅彦
【訳  詞】森雪之丞
【音楽監督】阿蒐禰 (ex-大塚茜)
【出  演】小池徹平・小西遼生(ダブルキャスト)
      小野田龍之介・伊藤あさひ(ダブルキャスト)
      美弥るりか
鈴木明倫 人徳真央
【演奏】
 KEYBOARD/CONDUCT:阿蒐禰 
 DRUM/PERCUSSION:楠瀬タクヤ 
 BASS:平野なつき 
 E.GUITAR:大橋英之 
 VIOLIN/E.VIOLIN:三國茉莉
 CELLO/E.CELLO:伊藤修平

© ミュージカル『ETERNITY』 All Rights Reserved.
 Script by   Kim Garam
 Lyrics by   Kim Garam
 Music by   Park Jeonga
 Original Production by R&D WORKS

【公式HP】 https://musical-eternity.jp/
【公式X】 @eternity_jpn

彩川結稀

大手出版社にて、雑誌編集・動画制作などに携わる傍ら、演劇活動・音楽活動にも励む。社会人劇団にも所属していたが、体力に限界を感じ、現在はフリーで活動中。

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