2026年4月3日(金)~19日(日)東京・ IMM THEATERにて、その後広島、大阪、富山、山形にて、エクストリーム·シチュエーションコメディ(kcal) 『汗が目に入っただけ』が上演される。
幽霊となった母と残された家族をめぐる予測不可能な抱腹絶倒シチュエーションコメディ。脚本・演出は、一つの場所で巻き起こる事件や状況で笑わせる喜劇、シチュエーションコメディを得意とするアガリスクエンターテイメントの主宰・冨坂 友が手掛ける。
◆ストーリー◆
60歳を前にぽっくり亡くなった森井由美子(鈴木保奈美)は、霊魂として、納棺式を終えた自分の遺体を見ている。彼女の目の前には、成仏することができない問題があった。共同で喪主を務める子どもたちが、自分の葬儀のやり方をめぐって揉めていたのだ。
長女・千聖(足立梨花)はキリスト教式の葬儀を準備してきたが、長男・ 匡(西野創人)は仏教式でやるべきだと主張。共に「お母さんのために」と言う両者は一歩も引こうとしない。次男・翔(小越勇輝)は仕事のトラブルでそれどころではない。さらには別れた夫・治(田中要次)までしゃしゃり出てくる。通夜は数時間後に迫っているというのに…。気を揉むことしかできない由美子の前に、葬儀社の担当らしき女性・尾田理佐(蘭寿とむ)が訪ねてくる。どうやら彼女は霊である由美子のことが見えるようで…?
このたび長男・匡を演じる西野創人さんにインタビューをする機会に恵まれた。コロコロチキチキペッパーズとしてお笑いの世界で活躍する西野さんだが、意外にも今回が演劇初舞台。初日を目前にした心境とお笑いとの違い、カンパニーの雰囲気について笑いを交えながら語ってくださった。
――初日が近づいてきました。現在の心境をお聞かせください。
西野:今34歳なんですけど、この34年間で一番早い1ヶ月でした。「暇や~」ってボーっとする時間が一切なくて、稽古場に足を運んでせりふを入れてストーリーを完成させていく毎日でした。
――かなり充実した1ヶ月を送られたということですね。
西野:充実していましたけど、正直めっちゃ疲れました。お笑いの単独ライブであれば、こんな感じにネタ作って1~2週間経ったらこれぐらいネタができていて、あとはここのネタをこうする感じかなーっていうのが、なんとなくできるんです。でもこの1ヶ月は舞台の初心者として慣れないことばかりでしたからね。顔合わせでは、そうそうたるメンバーの前で自己紹介をしたり、本読みがいきなり始まったり……。
『汗が目に入っただけ』の台本も最初は全部できていなかったんです。舞台ってこういうもんかと思っていたんですが、だんだん日数が進むにつれ、まだできてないけど大丈夫? みたいになって(笑)。今回、話し合いをしながらみんなで作り上げていく感じのやり方ですが、それが僕にとっては新鮮で珍しくて。脚本・演出を手掛けている冨坂さん率いるアガリスクチームは、いつもそんなふうに進めていくみたいです。主演の鈴木保奈美さんや足立梨花ちゃんたちが「こうやったらどうですか」とか言って、みんなで脳みそを動かして、お話を完成させました。
僕の3月は、お笑いの仕事・舞台・筋トレの三本柱しかなかったです。朝起きてすぐに稽古場に来て、終わってからジムへ行きトレーニングをして、家へ帰るのが23時半ぐらいという生活を1ヶ月してきました。それぐらい舞台のことばかり考えていたので、今芸人の中で一番ニュースに疎いかもしれないです。その分、普段経験できないことを経験できた濃い1ヶ月でした。
――濃い1ヶ月を送られた結果、初日が近づいてどれだけ発揮できるか楽しみですね。
西野:そうですね。できるかなという緊張した思いはどこかにちょろっとあるかもしれないですけど、不安はもうないです。時間をかけてやってきたことを、本番でやっとできるという気持ちが大きいです。お客さんの反応も含めて、今は楽しみという気持ちが勝っています。
――西野さんが今回、演劇初舞台というのが少し意外な感じがしました。コロコロチキチキペッパーズのコントを見ているとすごく演技力がある方だな~、とてもいい表情をする方だな~って思っていたので、どこかで舞台を経験していらっしゃると思っていたんです。今回初舞台で、そうそうたるメンバーの中で稽古をする際、特に意識してたことはありますか?
西野:自分の中で全体的にテンポを上げるように意識しました。最初立ち稽古のとき、お笑いで培ってきた「間(ま)」で演じていた部分があったんです。ところが冨坂さんから「それはちょっと違うので、こういう感じでやってください」と言われました。そのアドバイスが「確かに!」って腑に落ちたんです。お笑いだとネタをするのは5分なので、たっぷり間をとっても中だるみしません。でも芝居は2時間あるので、間をたっぷり取るシーンを何回か連発していると中だるみするんです。2時間を通して、一ヶ所一ヶ所のリズムがめっちゃ大事やなと通し稽古をして分かりました。
例えば、僕の妹を演じる足立梨花ちゃんに対して「千聖!」って部屋に入ってくるシーンがあります。お笑いや新喜劇でもそうなんですけど、たっぷり間を開けてセリフを言います。でも今回は、流れるようにせりふを言うようにしました。勝手口から入ってくるタイミングも、せりふがずれたら遅い! ってなるので、玄関の扉を開けるところで、せりふを言うタイミングをチェックしました。そういう部分がお笑いにはないので「これはなかなか大変やぞ」と思いましたね。
――私は普段からお笑いをよく見るのですが、間ってすごく大事だなと思っていました。今回のお芝居でもそこが重要なポイントになったんですね。
西野:もともとお笑いで間について気をつけていたからこそ気づけたと思います。お笑いも芝居も舞台ってことには変わりないですからね。お客さんにどうやったら伝わるのかっていうことを考えると「この間やな」って思いましたし、だいぶ勉強になりました。
――本作の稽古場のレポートを拝見したのですが、演出の冨坂さんはキャストの皆さんそれぞれに細かく指示をされていらっしゃいました。西野さんは普段、コントのネタ作りを担当されていらっしゃいますし、誰かに何かを言われることはあんまりないのかなぁと思うのですが、今回、演出家からいろいろアドバイスを受けてみていかがでしたか?
西野:コンビでネタ合わせしてる時、ちょっとだけナダルに優しくなりました(一同大爆笑)。
これまで僕はナダルに言う側やったんですよ。でもナダルから僕の演じ方に対して「こうやって演じてくれ」って言ってきたことはなくて……。今回冨坂さんからいろいろとアドバイスを受けて、言われる側って大変やなと思い、ナダルの気持ちがわかりました。相方に優しなるって、発見でしたね。その立場にならないと分からへんことってあるもんですね。
――相方のナダルさんのお話が出ましたが、今回の舞台に関して何かおっしゃっていますか?
西野:最初は「このキャストの中になんで西野がいるの?」って思ったみたいです。でも「良かったなあ」と言ってくれました。出演を受けるかどうか悩んでいた時期があったのをナダルは知っているので。
3年ぐらい前、ナダルの映画出演が決まったことがありました。映画の撮影期間中、僕はめちゃくちゃ暇になったので、このままじゃやばいと思って始めたのが筋トレです。それをきっかけに筋トレ企画が始まって今に至ります。相方が何かに時間をとられている時って、もう一人の相方は、何か新しいことをするチャンスなんですよ。
だからナダルも個人YouTubeを始めようかなと言ってたんですけど「マジでだるい」って言ってました(一同笑)。ナダルの場合、バラエティーの仕事がめっちゃあるんで、そっちをしっかりとやって、個人YouTubeはやりたいという気持ちを持ちつつ、プライベートで釣りや旅行に行っています。この舞台が始まるまでは、ナダルはコンビの仕事や収録で全く休みがなかったんですよ。僕が稽古に入ったことで、ナダルのスケジュールがちょっとゆるくなりました。余裕ができたので、ナダルも柔らかくなって優しくなりましたね。パパの顔になってるというか。やっぱり人間って休みがいるなって思いました。
逆に僕は、本番が近づくにつれスケジュールが埋まっていくので、ナダルに当たってナダルが受け止めてくれるっていう……(笑)。そういう感じになってますね。
――いいコンビですね。コントを見ていても、いいコンビだなあと感じていましたが…。
西野:そうですか? お笑い、好きすぎません(笑)?
でも相方から離れることによって、相方のありがたみがわかったのはあるかもしれないです。たまにお笑いの仕事に戻った時、めっちゃ楽しいんですよ。芝居で培ったものをちょっと入れたりもするし、芝居で練習してきたのでテンポのいいせりふも「こんなに言いやすくなってる!」と思ったりします。普段のネタをしていて、新たな発見がありますね。
――共演者の皆さんとは、どんな雰囲気ですか?
西野:たまに共演者の(田中)要次さんをパッと見ると「ナダル?」と思います(一同爆笑)。メインビジュアルで、要次さんと僕は横並びなので、Xで「コロチキ二人とも舞台決まったんや」ってつぶやいてる人がいました。「要次さんはナダルじゃないよ~」って(笑)。そんな感じなので、要次さんがいらっしゃると安心感があります。めちゃくちゃ優しくて、お茶目な部分がある方なんですよ。小越(勇輝)くんも足立梨花ちゃんも年が近いので、ほんまの兄弟みたいになってきてますね。
冨坂さんやスタッフさんも交えて20人ぐらいでご飯に行ったことがありました。僕は久々にお酒を飲んだので、結構ベロベロになったんです。要次さんを無理やり2軒目に連れて行く感じになって、足立梨花ちゃんや小越くんら5~6人で行きました。僕も酔っていたので勢いで「3軒目行くか~」と言ったら「3軒目行きましょう! 創兄!」って言ってくれたんですよ。僕、名前が「創人」なんですけど、小越くんがいつの間にか「創兄」って呼んでくれるようになって、僕も小越くんのことをゆうくんって呼ぶようになりました。
3軒目は、小越くんと津和野諒さんと一緒にカラオケへ行って、津和野さんがポルノグラフィティを歌っている間に僕が寝るというカオスな時間でしたね(笑)。こんな感じで今回のメンバーは本当に仲が良くていい雰囲気なんですよ。
――お母さん役の鈴木保奈美さんは、どんな感じですか?
西野:保奈美さんは主演ですから、時にはズーンってなる日もあるんやろうなあと思っていました。でもずっと同じトーンなので、すごいなあと思っています。冨坂さんがすごく難しい注文をしたりしても「なるほど。ってことは……」みたいに、いつもの保奈美さんと変わらないんですよ。普段の人格が全くブレないのに、あんなにいろいろな役ができるからすごいですよね。
今回は僕のお母さん役ということで、語りかけられるシーンがあります。なんであんなに心にグッとくるトーンでしゃべれるんやろうって。ネタバレになるので詳しくは言えないですが、ほんまのお母さんみたいな感覚になります。それは女優として経験を積まれてきた保奈美さんのすごさだと思います。
――最後に、初日に向けて意気込みをお願い致します。
西野:僕がお客さんやとしたら、この芝居は「どういうこと?」ってなる設定やと思うんですよ。メインビジュアルを見ると「お葬式のコメディするのかなぁ」「みんな真顔だけどシリアスなんかな」って。そして芝居が始まったら「面白いなぁ。え? 途中からカロリー競うの?」みたいな。展開も早いんで、登場人物もコロコロ入れ替わり、いろんなシーンに移り変わっていきます。家の中で世界観が変わっていくので、観ていて飽きません。僕は長尺のものはどちらかと苦手なほうなんですが、2時間の通し動画を観ても、あっという間に観終わってしまいます。それぐらい飽きない展開になっています。新しいもの、味わったことのないものを観られるのは確定なので、ぜひ劇場に観に来てほしいです。
――カロリーを競うっていうのは、ちょっと想像できないですね…
西野:そうですよね。とにかく何かをきっかけに実況、解説、審判が出てきて、カロリーの数値がモニターに出てきます。競い合ってるものを目で確かめつつ、お芝居は進んでいきます。実際に観ないと分からないんですよ。芝居の中身は濃いので「どこ見たらええねん」ってなるかもしれないですけど、とにかく観に来てほしいです。東京公演のあと、広島、大阪、富山、山形で上演しますので、僕自身も楽しみです。スーツをカッコよく着こなすために筋トレも頑張っていますので、ぜひ劇場へいらしてください。
取材・文・撮影:咲田真菜
脚本・演出:冨坂 友(アガリスクエンターテイメント)
出演:鈴木保奈美 足立梨花 小越勇輝
前田友里子 斉藤コータ 榎並夕起 津和野 諒 中田顕史郎 古谷 蓮
伊藤圭太 淺越岳人 鹿島ゆきこ
西野創人(コロコロチキチキペッパーズ) 蘭寿とむ 田中要次
公式サイト https://www.asegameni.jp/
公式X https://x.com/asegameni
公式Instagram @asegameni
ハッシュタグ #汗が目に入っただけ
制作 アガリスクエンターテイメント
東京公演
日程 2026年4月3日(金)~4月19日(日)
会場 IMM THEATER
チケット料金 11,000円(税込・全席指定)
主催 フジテレビジョン/LIVE FORWARD/アガリスクエンターテイメント/サンライズプロモーション大阪
お問合せ キョードーインフォメーション 0570-200-888(12:00~17:00 土日祝休業)
広島公演
日程 2026年4月22日(水) 19:00 、 4月23日(木) 13:00
会場 上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール)
チケット料金 S席 11,000円 A席 8,500円(税込・全席指定)
主催 TSSテレビ新広島
お問合せ TSSイベント事務局 082-253-1010(10:00~17:30 土日祝休業)
大阪公演
日程 2026年5月2日(土) 13:00/17:00 、 5月3日(日) 12:00/16:00
会場 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
チケット料金 11,000円(税込・全席指定)
主催 フジテレビジョン/関西テレビ放送/アガリスクエンターテイメント/サンライズプロモーション大阪
お問合せ キョードーインフォメーション 0570-200-888(12:00~17:00 土日祝休業)
富山公演
日程 2026年5月16日(土) 17:00 、 5月17日(日) 13:00
会場 砺波市文化会館 大ホール
チケット料金 10,000円 U-25席 6,500円(税込・全席指定)
主催 富山テレビ放送
お問合せ 富山テレビ放送 事業部 076-492-7106(10:00~17:00 土日祝休業)
山形公演
日程 2026年5月23日(土) 18:00 、 5月24日(日) 13:00
会場 やまぎん県民ホール
チケット料金 S席 9,800円 A席 8,000円 U-18 4,000円(税込・全席指定)
主催 さくらんぼテレビ
お問合せ さくらんぼテレビ 0120-150-616(10:00~18:00 土日祝休業)
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