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音楽劇『コーカサスの白墨の輪』疾走感あふれるメインビジュアルとコメント解禁

2026 年3 月12 日(木)より世田谷パブリックシアターにて上演する音楽劇『コーカサスの白墨の輪』の公演詳細・メインビジュアル・キャストコメントが発表された。今回発表されたのは、旅の一座が前を見つめて進んでいく姿を描いた、疾走感あふれるメインビジュアル。併せてキャストコメント、兵庫・岡山・佐賀・愛知の地方公演も含めた全公演詳細も解禁された。

撮影:皆川 聡

コメント 

<上演台本・演出:瀬戸山美咲>
人間とは何か、を考えたいと思います。人間は戦争をします。動物も縄張り争いをしますが、人間のように計画的な戦争は起こしません。人間が戦争をやめられないのは、言葉があるからだと私は思います。言葉があるから人間は生存の不安を実際以上に大きく感じてしまうし、言葉があるから他者を煽動してしまうし、兵器をつくって戦争を実行に移せてしまう。ひとたび戦争が起きれば、終わらせるのは困難であり、火を鎮めたところで燻り続ける。そんなことはわかっているはずなのに、繰り返してしまう。現在の世界は暴力的・排外的な方向に加速しているように見えますが、すべては古代からつながっていると思います。

では、未来でも人間はこのままなのでしょうか。ブレヒトの『コーカサスの白墨の輪』は、第二次世界大戦末期の時代から過去の戦争を振り返る構造になっています。過去の歴史に学ぶことを描くと同時に、人間の変わらなさを描いているようにも見えます。今回は、遥か先の未来から、今より少し先の未来を振り返る形で上演します。果たして、人間は今より「マシ」な存在になれるのか。人間の可能性を探る旅を始めます。

<木下晴香>
『コーカサスの白墨の輪』グルーシェ役を務めます、木下晴香です。
思い入れのある劇場でこの大作に臨む機会をいただけたこと、大変嬉しく光栄に思います。上演台本・演出の瀬戸山美咲さんとご一緒させていただくのは三度目。毎度、瀬戸山さんの言葉を通して目の当たりにする現実や願いには強く心揺さぶられてきました。今回は、未来に設定を移したこの色褪せない作品に、素晴らしいキャスト・スタッフの皆様と挑みます。旅一座のような素敵なビジュアルも出来上がりました。いざ、人間の可能性を探る旅へ。身震いもしていますが、溢れんばかりのやる気と共に誠心誠意作品に向き合ってまいります!
2026年春、劇場でお待ちしております。

<平間壮一>
「人間」とは何か「人はなぜ争うのか」を考えることが自分自身も好きなのですが、考えても答えが出るものではなく、自分に何ができるんだろうと考えるうちに諦めてしまうことが多いのです、がこの作品を読んだ時に「考える」ことが大切なのだと気が付かされました。瀬戸山さんが人間は言葉を持っているから複雑になってしまうというお話をされていて、稽古の中でそのお話もたくさんできたらと思っています。世田谷パブリックシアターはいつかは出たいと思っていた劇場で、今回出演する機会を頂けてとても嬉しいです。この作品を通して、みてくださる皆さんが「どんな自分でありたいか」を考えるきっかけになったらいいなと思っています。
ぜひ劇場にお越しください!

<sara>
「人間とは何か」という今作品のテーマをお聞きして、まずはじめに頭に浮かんだのは、人間の持つ「寂しさ」でした。自分一人では、自分の存在を肯定することができない。だから色々な形で自分を表現することで、他者と繋がる。寂しいという感情からは逃れられないけど、そこから生まれるエネルギーが連鎖して、摩擦を生んで、世界を動かしている。不完全で愛おしい生き物だと思います。AIが進化して、人間の手を離れ、不可能だったはずのことがどんどん可能になっている今の世の中で、人間という存在の愚かさと愛おしさに、じっくり向き合ってみたいなと思います。

<加藤梨里香>
スリカ役で出演いたします。加藤梨里香です。
原作を拝読し、人間らしさ、人間臭さ、そして人間の優しさが溢れ出ている作品だと感じました。
瀬戸山さんが再構築される今作で、スリカはグルーシェの一番の理解者であり親友として描いてくださること、また歌でも物語を展開していくことをお聞きしています。
グルーシェ役の木下晴香ちゃんとは、初共演以来ずっと仲良くさせていただいているので、今回再び関わりの深い役をできることが嬉しくてたまりません。全力でグルーシェ、そして晴香ちゃんを支えることができたらと意気込んでいます。
また新たな挑戦となりそうな要素もあり、今作への期待が沸々と高まっております。
今より少し未来の『コーカサスの白墨の輪』をぜひ楽しみにしていただけたら幸いです。
劇場でお待ちしております!

<一路真輝>
あの『コーカサスの白墨の輪』が瀬戸山美咲さんの手によって新しい世界へ生まれ変わる事になります。過去の戦争を描く作品は多いですが、未来に起こるかもしれない戦争を舞台にする。もしかしたら未来はAIに支配されているかもしれない⁈そんな斬新な企画の作品に素敵な共演者の皆様とご一緒させて頂けるのが今から楽しみです。原作にある旅一座のように出演者全員で新しい未来の『コーカサスの白墨の輪』を作って行けたらと思っています。

<眞島秀和>
百戦錬磨の方々と共に作品作りに関わらせて頂ける事、すでに怖さ8割楽しみ2割で震えております。
物語の設定が近未来に置き換わるという事で、普遍的なテーマが皆様にとってより身近なものになると思います。
2026年3月までもうしばらくありますが、ブレヒトと瀬戸山さんの世界観に思い切り飛び込んでいきたいです。
頑張ります。
よろしくお願い致します。

あらすじ
未来の戦争が終わった後、荒れ果てた大地に人々が戻ってくる。土地の所有をめぐって対立する人々に向けて、旅の一座の歌手 (一路真輝)が、かつて起きた戦争の物語を歌い始める。復活祭の日、太守が倒されるクーデターが起きる。料理女・グルーシェ(木下晴香)は混乱のさなか、戦地へ赴く兵士シモン(平間壮一)と結婚の約束をする。シモンと別れたグルーシェは、城から逃げ出す太守夫人・ナテラ(sara)が“こども”を置き去りにするのを目撃する。グルーシェは、友人の料理女・スリカ(加藤梨里香)の制止を振り切り、“こども”を連れて逃亡する。そして、厳しい寒さの中、たどり着いた辺境の地で、グルーシェはシモンを待ちながら“こども”を育てていく決意をする。
一方、呑んだくれのアズダク(眞島秀和)は、戦争の混乱の中、でたらめな経緯で裁判官に選ばれる。アズダクは賄賂を懐に入れ、イカサマまがいの判決を下していく。やがて内乱が終わり、ナテラが“こども”を連れ戻しにやってきた。ナテラとグルーシェ、どちらが“こども”の母親か。アズダクによる裁判が始まる。

音楽劇『コーカサスの白墨の輪』公演概要

【原作】ベルトルト・ブレヒト(東宣出版 酒寄進一訳)
【上演台本・演出】瀬戸山美咲
【音楽監督】坂井田裕紀

【出演】
木下晴香、平間壮一、sara、加藤梨里香
森尾 舞、西尾友樹、武谷公雄、辰巳智秋、斎藤瑠希
大久保祥太郎、阿岐之将一、酒巻誉洋、浜野まどか
一路真輝、眞島秀和

◆東京公演
【公演日程】2026 年3 月12 日(木)~30 日(月) 世田谷パブリックシアター

【料金】(全席指定・税込)
一般:S 席(1・2 階席)9,500 円/A 席(3 階席)6,500 円 ほか
【一般発売日】 2026 年1 月18 日(日)10:00~
【チケット取扱い・お問合せ】 世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515(10:00~19:00、年末年始を除く)
【東京公演主催】 公益財団法人せたがや文化財団
【企画制作】 世田谷パブリックシアター
【後援】 世田谷区

◆兵庫公演
【公演日程】2026 年4 月11 日(土)15:00 4 月12 日(日) 13:00
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
主催:兵庫県/兵庫県立芸術文化センター

◆岡山公演
【公演日程】2026 年4 月18 日(土)14:00 4 月19 日(日)12:30
岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場
主催:公益財団法人岡山文化芸術創造 共催:岡山市

◆佐賀公演
【公演日程】2026 年4 月24 日(金)18:30 4 月25 日(土)12:30
鳥栖市民文化会館 大ホール
主催:鳥栖市/鳥栖市文化事業協会/テレビ西日本/西日本新聞社/スリーオクロック
後援:鳥栖市教育委員会/サガテレビ

◆愛知公演
【公演日程】2026 年5 月2 日(土)13:00 5 月3 日(日・祝)13:00
春日井市民会館
主催:公益財団法人かすがい市民文化財団

【公式HP】https://setagaya-pt.jp/stage/25041/
【公式X】 @caucasus_sept
【公式Instagram】@caucasus_sept


エンタミーゴ編集部

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